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戸棚

© Musée du Louvre, dist. RMN / Martine Beck-Coppola

工芸品
17世紀

執筆:
Barbier Muriel

アンドレ=シャルル・ブールは1672年よりルーヴル宮内に工房を与えられた。ブールはここで自分の名がついた技法を完成に導いた。もっとも、この技法はブールが発明したわけではない。17世紀すでに、ブールの作品は大評判を呼び、王室調度品保管所に数多くの家具を納入している。この戸棚は彼の作とされる。戸棚は単一の本体からなる堂々としたものである。ブールはこの形の戸棚を作ろうとした最初の人物に数えられ、これは彼の妙技を示す大作である。

アンドレ=シャルル・ブールの戸棚

大扉が2枚で単一の本体からなる戸棚は、ブールが得意としたものである。18世紀初頭当時、これは新しい家具の形式だった。それまでの戸棚は4枚の扉がある二段式のものだったからである。この戸棚の頭頂部は、貝の飾りがついた中央の半円形アーチと、円屋根状の構造物からなる。戸棚には2枚の大扉がついており、いわゆるブール様式の象嵌と、金めっきしたブロンズで覆われている。一方、戸棚の脚は失われ、黒檀の化粧板を張り細い真鍮の線で縁どりした台に換えられた。おそらく家具職人ジャン=アンリ・リーズネルが、証印を押した1784年に換えたものである。この戸棚の素描はパリの装飾美術館に保存されている。ロンドンのウォーレス・コレクションにはこれと似た戸棚があり、また他にもブール作の、あるいは本作品のようにブール作とされる戸棚が数点知られている。その1点は各色の木の象嵌をとりまぜたもの、もう1点はブール様式の象嵌のもの、さらにもう一対を合わせて3点がルーヴル美術館に所蔵されている。

「表」と「裏」

この戸棚でブールは、「表」と「裏」を組み合わせている。鼈甲の地に真鍮の装飾を施す「表」の象嵌が、正面中央と側面を飾る。銅地に鼈甲の装飾を施した「裏」の象嵌は、扉の周辺部と台座の3面を飾り、扉には錫の飾りも加えられている。さらに扉と側面は真鍮と青く着色した角の象嵌で飾られる。象嵌のモチーフは唐草模様、渦巻装飾、および垂れ下がる花である。

金めっきしたブロンズの装飾

ブールはルーヴル宮内の工房で活動していたため、王の保護のもと、ブロンズの金具を自身で制作することができた。他の家具職人には許されていなかったことである。この戸棚では象嵌とブロンズの金具が完璧に調和している。扉には狩猟具、釣道具、園芸道具の装飾が施され、それぞれが鼈甲の唐草模様で結ばれている。同様に両扉の頂部ではプットが真鍮と角で象嵌されたパネルを支えている。ブールは自分でブロンズの図案を描いており、他の作品にも同じ図案を再利用している。彼のきわめて独創的な図案はよく知られており、ルイ14世様式末期とレジャンス(摂政)様式初期の装飾言語の特徴を示している。

出典

ALCOUFFE D., DION-TENNENBAUM A., LEFEBURE A., Le mobilier du Louvre, t.1, Dijon, Editions Faton, 1993, p 80-83.

PRADERE A., Les ébénistes français de Louis XV à la Révolution, Paris, Editions Le Chêne, 1989, p 67.

作品データ

  • アンドレ=シャルル・ブール作とされる

    戸棚

    1710年

    パリ、チュイルリー宮内、王室調度品保管所、マルク=アントワーヌ・ティエリー・ド・ヴィル・ダヴレイの大執務室

  • 樫と樅の骨組、黒檀の化粧張り、ブール様式の象嵌、真鍮、銅、錫、角と鼈甲、金めっきしたブロンズ

    高さ2.627m、幅1.367m、奥行き0.548m

  • 1870年、国有調度品保管所より分与

    OA 5441

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

証印:ジャン=アンリ・リーズネル