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作品 書記のネブメルテフ

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

書記のネブメルテフ

© 2009 Musée du Louvre / Georges Poncet

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Élisabeth Delange

この小彫像は、ヒヒの姿をした書記の守護神トトに見守られ、高位の書記がパピルスを広げて、仕事にいそしんでいる様子を表している。銘文には、アメンヘテプ3世の治世下で有名だった偉大な人物、ネブメルテフの名が刻まれている。アメンヘテプ3世治世下の洗練された様式をよく反映している彫像である。

描写

名士が、文字の守護神トトに注意深く見守られる書記の姿で表されている。胡坐をかいて、上半身を前方にわずかに傾け、パピルスの上に右手を開いてのせて読書に専念している。半袖の上衣を着用し腰衣をまいてベルトで締め、当時の流行に従って、髪の房が放射線状に広がる鬘からは、細かく彫られた巻き毛が見えている。一方、聖なるヒヒの姿で表されたトト神は、書記と直角をなして台座に座している。上半身は密集した毛で覆われていて、そこから破損した頭部が現れている。書記と神の間には、供物卓が置かれている。

身分

銘文によって、人物が特定され、人物間の関係が明らかになる。
ネブメルテフは宰相であるとともに、王の書記でもあり、偉大な神官でもあった。彼は、死後も自分の身体を永遠に存続させるために、神殿に供えられた食物を享受できるよう、トト神に乞うている。石でできたこの記念の小彫像に、食物の供え物の願いを刻むことで、あらゆる時間の観念を超越し、その願いを永遠に持続させようとしたのである。ネブメルテフはアメンヘテプ3世の治世下の偉大な高官であったため、王から特別な恩恵を与えられ、自分の彫像をトト神の神殿(おそらくトト神の最も重要な崇拝地ヘルモポリスの神殿)に置くことができたと考えられる。知識、科学、良識を司るトト神は、行政の名士や文芸家の守護神でもあり、彼らは、トト神から着想を得られると信じていた。宮廷に仕える私人が、トト神の横に自らを描かせることで神と個人的な関係を持つことは、それまで見られなかった新しい出来事である。

王からの贈り物

ネブメルテフは、ソレブのアメンヘテプ3世神殿の壁面にも描かれている。王の側近であり、王国の要人と共に王位更新祭にも参加している。この彫像には、色目がよく、緻密な彫りに適する細かいきめがあることから、高品質の石材(グレーワッケ)が使われている。書記の「肖像」は、王の工房で、唯一の参照資料であった王の肖像を手本にして彫られた。細く切れ長のアーモンド形をした目は、美顔料でこめかみまで引かれた線で強調されている。若々しさが漂う容貌には、アメンヘテプ3世の彫像に見られる特徴的な顔だちが再現されている。
寛大な王のおかげで、ネブメルテフはこの彫像と同様の構図で、記念の彫像をもう一体、高級素材である白いアラバスターに彫らせることができた。今日、この二点の彫像は同じ陳列ケースの中に並んで展示されている。

出典

- DELANGE E., Le Scribe Nebmeroutef , Collection Solo, Louvre/Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1996, n 1.

- ZIEGLER C.,  BOVOT J.-L., Art et archéologie : L'Egypte ancienne, Ecole du Louvre/Editions de la Réunion des musées nationaux/Documentation française, Paris, 2001, p. 192, 193, fig. 98.

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997. p. 122, 252, n 52.

- Amenophis III, Le pharaon soleil, 1993, p. 206 A 207.

- Portraits du Louvre, Tokyo, 1991, p. 65.

- Mémoire d'Egypte, Strasbourg, 1990, p. 109.

- Naissance de l'Ecriture, catalogue d'exposition, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1982.

- L'Empire des conquérants, Leclant  Editions, Univers des formes, 1979, T. II, p. 164, fig. 152.

作品データ

  • 書記のネブメルテフ

    新王国時代、第18王朝、アメンヘテプ3世治世下(前1391-前1353年)

  • 丸彫彫刻、彫り、グレーワッケ

    高さ19.50cm、幅20.50cm、奥行き8.50cm

  • 1908年購入

    E 11154

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    新王国時代:再征服からアメンヘテプ3世まで 紀元前1550‐紀元前1353年頃
    展示室24

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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