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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>書記のパレット
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書記のパレット
© Musée du Louvre/C. Décamps
古代エジプト美術
日常生活の品々
これは、象牙製の、薄くきわめて長細い長方形をした書記のパレットである。その中には、筆が4本納まっており、使用された痕跡が今でも残っている。パレットの両面には文字が書かれているのが見える。書記の主要な道具であったパレットは、この職業の象徴となった。これは1861年12月19日に、ミッシェル・ティシュキエヴィッチ伯爵によって、テーベのネクロポリスにある新王国時代の墓で発見され、1862年に伯爵の主要なコレクションとともにル-ヴル美術館に寄贈されたものである。
人間工学の前身
このパレットは、第5王朝から採用され、ファラオ王朝末期まで使用されていた典型的な書記用パレットの形をしている。細長い長方形をなし、木製のものが多いが、象牙でできたものもある。我々の筆に相当するカラムと呼ばれる筆をしまう空洞が彫られ、一方の先端に、楕円形をした小さな窪みが二つ備えられており、上方には黒い絵具の塊が、下方には赤い絵の具の跡がまだ残っている。平らな部分に残る様々な色の大きな染みは、このパレットが実際に使用されていたことを物語っている。スライド式の蓋が備えられ、仕切られた箱の中には、先端が黒か赤に染まっている4本の植物製の茎が入っており、そのうち3本は完全な形を保っている。両面に見える文はヒエラティック(草書体)で黒く書かれているが、今日では大方消えて読むことができない。この手に持ちやすい便利な道具は、色を混ぜ合わせるパレット、筆箱、絵の具皿を兼ねており、また定規としても使うことができた。
書記道具一式
パレットとカラムの他に、仕事を首尾よく成し遂げるために書記が必要とする様々な道具があった。乳鉢と乳棒で、小さな袋に保存された顔料を粉状に砕き、結合剤(アカシアのゴム)と混ぜて小さなパン形の塊に成形した。また、ペーパーナイフとへらを使って、字を書きやすくするためにパピルスの表面を体裁のよいきれいな用紙に整えた。そしてカラムを手にとり、一方の先を平たくし、水入れに浸してから、我々が今でもグワッシュを使う時のように筆に色をつけた。字を書く支持材として、パピルス、木製の書写板、土器や石灰岩の破片(オストラコン)、布など様々なものが使用された。色は、文書自体を書くために使われる木炭を主成分とする黒と、表題や章の見出し、また修正に用いたオーカー(酸化鉄)を主成分にした赤の二色が主に使われた。仕事が完了すると書類に印を押した。筆記道具一式がしまわれた木箱は、浮彫や絵画で、書記の横に置かれている様子がしばしば描かれている。絵師もまたパレットを使用していたが、絵師のパレットには様々な顔料を入れておくためのいくつもの窪みが備えられていた。
渇望された職業の記章
一見、単なる必需品にすぎないと思われるパレットは、じきに書記という職業の象徴となり、その図像は、「書記」という言葉をはじめ、書くことに関連する用語にまでも用いられるようになった。行政がきわめて重要な役割を果たしていたエジプトでは、書記の専門家たちは重要人物と見なされており、特に物質的充足を望む者や人に支配されたくない者には、この職業への従事が推奨された。書記は、会計や調査目録、また検査を必要とするところなら階層に関わらずどこにでも存在した。石に彫られたパレットの模造品も含め、多数のパレットが墓から発見されている。
作品データ
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書記のパレット
新王国時代、紀元前1550-1069年
エジプト、テーベのネクロポリス出土
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象牙
高さ28.2cm、幅2.6cm、厚み0.72cm
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1862年、ミッシェル・ティシュキエヴィッチから寄贈
E 3669
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シュリー翼
1階
写本と写字生
展示室6
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
