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作品 水差し、紅海渡渉

工芸品部門 : ルネサンス

水差し、紅海渡渉

© Musée du Louvre / Objets d'Art

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

ピエール・レモン(1584年に死亡)は、数多くのほうろう絵付けによる作品を残した。彼の工房で作られた作品のなかには、多くの七宝食器の品がある。ルーヴルの水差しは、出エジプト記から、紅海渡渉を描いたフリーズが施されている。 これはピエール・レモンの工房を代表する作品で、この種の品を、実際必要な数を上回る数収集していた、宮廷に近しい顧客の好みに合わせて制作されたものとみえる。

ほうろう絵付けの水差し

この水差しは、すらりとした、どこか古風な形状を踏襲しており、小型の台に支えられ、非常に長細い頸部と注ぎ口につながる、卵形の本体からなる。このような水差しは、宗教的儀式の際に水を注ぐため、または一般的に様々な液体を注ぐために使われた。水差しは概して中心に芯のある皿を伴っており、その芯によって真ん中に固定されるようになっていた。この作品は、芯を持たない楕円形の大皿(OA 973B)と組になっているが、それは「アブラハムとソドムの王」を表わしている。水差しと大皿は年代も主題も一貫して組になっているのだが、大皿に芯がないのは不思議である。よって、これらの品は元来、組みではなかったのかもしれない。現在知られている七宝の食器類のなかには、数多くの水差しがあり、それらは装飾品として飾り戸棚に置かれていた。

聖書に関する主題

水差しの膨らんだ部分には、単色画法で、イスラエル人が通過した後に紅海にのみ込まれる、ファラオの軍隊が全滅する様子を表わす、フリーズが施されている。この挿話は出エジプト記(XIII)から取られたもので、1539年に制作された画家ISBの挿絵(フランス国立図書館版画室蔵)から着想を得ている。宗教的主題は、ピエール・レモンの七宝食器作品のいくつかに見られる。この聖書に由来する図像は、肩部分に位置するバッカスに関する場面を伴っている。その場面では、9人のサテュロスを伴うシレノスが、ロバに連れられ、2人のサテュロスに支えられている、バッカナーレ(バッカス祭)が見られる。この行列は、ジャック・アンドゥルエ・デュ・セルソーから着想を得たものである。水差しの足には、2つのサテュロスのグループが、緑と赤で引き立たされ、4つの人面像と共に、果物のたれ飾りを前にして壺の脇にある。

ピエール・レモンの作品

ピエール・レモンは、七宝食器の品々を数多く残した。作品によって大いに異なる装飾は、まさしく工房があったということを想像させる。作風や主題の違いだけでなく、同じ装飾が繰り返し見られることから、レモンの指揮下に数人の職人がいたことを確証している。ピエール・レモンの手によると推定されている作品は、1537年から1578年の、40年の期間に渡っている。レモン、または彼の同時代人が制作した、数多くの食器類の品々は、どうやら宮廷に近しい顧客が収集のために購入したものらしい。

出典

- BARATTE, S., Les Emaux peints de Limoges, Paris, RMN, 2000, p 204.

作品データ

  • ピエール・レモン

    水差し、紅海渡渉

    16世紀中旬

    リモージュ

  • 銅版にほうろう絵付け

    高さ29.5cm、直径12.1cm

  • シャルル・ソヴァジョの寄贈、1856年

    OA 973 a

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    スキピオのギャラリー
    展示室20

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

碑文:戦車の後ろの地面に赤で「PR」、「EXODE XIII PHARAO」