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水差し一対

© 1985 RMN / Pierre et Maurice Chuzeville

工芸品
17世紀

執筆:
Brigitte Ducrot, Édith Paillat

このヌヴェール焼きの水差し一対には、ふんだんな彩飾と立体的な怪人面の装飾が施されている。取っ手はドラゴンの形に彫刻されている。腹部に描かれたバッカス神の祭り場面はイタリアの影響を色濃く残しているが、フランス人版画家(ドリニーやシャプロン)の作品に着想を得ている。全体の形は、金銀細工師クロード・バラン1世がヴェルサイユ宮殿庭園のためにブロンズで制作した壺の形を踏襲している。

金銀細工に着想を得た形

水差しは一般に、手を洗うために家庭内で使用されるものだった。力強く堂々たる形をしたこの一対は、水差しがこれほどの大きさに到達できたことを示している。この作品が豪華なのは、彩飾とふんだんにほどこされた立体的なモチーフ、すなわち蛇の尾を踏みつけるドラゴンをかたどった取っ手や、腹部の怪人面、注ぎ口の葉があるためである。形の起源は、ルイ14世治下に完成の域に達した金工に求められる。この水差しの形は、直接にはクロード・バラン1世(1615−1678年)がヴェルサイユ宮殿庭園のために1666‐1673年の間に制作したブロンズの壺に着想を得ている。この壺はジャン・ルポートル(1618‐1682年)の手で版画にもなっている。この一対は並外れた大きさをもち、壮麗なだけではなく、陶磁器としても当代随一の製陶中心地における妙技を示している。

ファイアンスのフランスへの導入

1565年ルドヴィコ・ゴンザーガ(1539−1595年)は、ヌヴェール公領の跡継ぎアンリエット・ド・クレーヴと結婚し、ヌヴェール公となった。芸術愛好家でその保護者でもあったルドヴィコは、イタリア人のエマイユ(七宝)職人と陶工を同地に入植させた。こうしてフランスに高温焼成のファイアンス(軟陶)が興ると、ヌヴェールは製陶の一大中心地となり、18世紀まで続く隆盛と前代未聞の発展につながった。イタリアの影響はヌヴェール焼初期の作品に色濃く、これが17世紀まで続く。しかしヨーロッパ全体の流行に敏感なこの製陶中心地には、他の影響も同時に見られる。極東の流行は早くも17世紀末に、想像上の動物があふれるという形で現れていたが、この作品では空想上の動物をかたどった取っ手に認められる。

フランス風の物語画

高温焼成による色鮮やかな彩飾が作品の表面を覆い、白い地は見えなくなっている。地に描かれた波間から姿を現す小天使は、16世紀のウルビーノ(イタリア)で制作された作品を模している。腹部ではこれが途切れ、大きなカルトゥシュ(飾枠)で囲まれた4つの神話場面に場所を譲っている。これらはイタリアのマジョリカ焼きに見られるイストリアート(物語)装飾の伝統に連なるものである。それでも主題の選び方と様式には、フランス人の好みに合わせている様がうかがえる。バッカス神の祭り場面はフランス人版画家の作品を出典としており、ルーヴル美術館OA 5013Aはミシェル・ドリニーの版画、同OA 5013Bはニコラ・シャプロンの版画をもとに制作された。ヌヴェールの絵付師は版画より自由で調和のとれた線で描いており、緻密さや堅苦しさは軽減されている。

出典

Ballot Marie-Juliette, Musée du Louvre. La Céramique française. Nevers, Rouen et les fabriques du XVIIe et du XVIIIe siècle, Paris, Éditions Albert Morancé, 1924, p. 8, pl. 2.

Ennes Pierre, Musée du Louvre. Département des objets d'art, La Céramique du XVIIe au milieu du XIXe siècle, Paris, Éditions des musées nationaux, 1992 (Petit Guide 116), p. 3.

Durand Jannic, Le Louvre : les objets d'art, Paris, Éditions Scala ; Editions de la Réunion des Musées nationaux, 1995, p. 82.

作品データ

  • 水差し一対

    1665‐1700年頃

    フォンテーヌ・コレクション旧在

    フランス、ヌヴェール

  • ファイアンス(軟陶)、高温焼成による絵付け

    高さ60.50cm

  • 1900年、アルベール・ジェラールより遺贈

    OA 5013 A

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    フランスのマヨリカ陶器のパッサージュ
    展示室17

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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