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水晶の鏡

© 2001 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
17世紀

執筆:
Barbier Muriel

この鏡は1684年にルイ14世が、ルーヴル美術館MR 251の燭台板とあわせて商人ル・ブランから購入したものである。いくつもの紅玉髄とカメオからなる。石は17世紀の金銀細工師ピエール・ドラバール様式の金具で飾られている。この作品は17世紀の玉類愛好家の関心がいかなるものであったかを伝えると同時に、ルイ14世の玉類コレクションの豊かさを示している。

鏡を囲むカメオと紅玉髄

水晶でできた長方形の鏡は紅玉髄の枠で飾られているが、この紅玉髄はおそらく再利用されたものである。この枠の形は壁龕もしくは窓枠を思わせる。2本の小円柱が支える中央の抜けた半円形破風と、基部とからなっている。破風の刳形をつけた2つの部分はおそらく古代の壺に由来するものであり、灰色瑪瑙の小円柱はキャビネットの装飾用に制作されたのかもしれない。頂点の角にある小さな壺は卵形の瑪瑙を再利用して彫ったものだろう。カメオはルネサンス時代のものである。フリーズ上では瑪瑙のローマ皇帝12人がふたりずつ向かい合っている。基部中央にはディアナの横顔を、破風中央にもやはり女の横顔を彫ったカメオがある。小円柱の足元にはガーネットの胸像が2体あり、裏に金属片が張られているためにくっきり浮き出してみえる。これはフランス国立図書館が所蔵するガーネットと金でできた戦士の胸像に近い作品である。

エマイユを施した金と宝石で飾られた金具

本作品はの金具は、ルーヴル美術館MR251の燭台板より小型ながら、同じ特徴を示している。透かし彫りの小葉とエマイユを施した金の種子で構成される。エマイユは、色によって不透明なもの(白、明るい緑、明るい青、薄紫)と半透明なもの(濃い青、緑、橙、赤、黒)がある。このエマイユ装飾は基部、鏡の周囲および宝石の周りに施されている。ところどころ、とくにディアナのカメオの両脇には、17世紀前半の金銀細工によくみられるエンドウ豆の鞘のモチーフが見える。また小円柱の柱頭と基台には白のエマイユ・パン(無線七宝)が施され、パルメットと種子の模様で彩られている。これはルーヴル美術館MR 445の水差しの脚の周りに見られる装飾を思わせる。

ドラバール様式の金具

堅石の愛好家は、好んで金銀細工の金具で玉類を装飾した。17世紀には金具の様式2つが区別できる。ひとつは金銀細工師ピエール・ドラバールの名をとったドラバール様式で、もうひとつはより古典的な様式である。ルーヴル美術館の鏡はどちらかというとドラバール様式を示す。当時、小さな葉でできたブーケの図案集が何冊か存在した。葉は鋸歯状や三葉形で、尖っていたり丸くなっていたりし、しばしば透かしになっていた。このブーケの中には連なった種子とエンドウ豆の鞘があるが、このモチーフは17世紀前半に流行した。このブーケの図案を描いた装飾工のなかにピエール・ドラバールがいる。彼は1625年にパリで金銀細工師の親方として認可され、ルーヴル宮内に居を構えていた。こうしたブーケは金銀細工師によって貴金属作品に取り入れられた。紅玉髄のとカメオは金めっきした真鍮の板の上にまとめられ、ピエール・ドラバール様式のエマイユを施した金の小葉が石の間を結んでいる。これらの小葉には透かしの入ったものもあればそうでないものもあり、不透明もしくは半透明のエマイユが施されている。この金具にはまた、白い種子のモチーフが散りばめられている。この装飾は、ルイ14世が本作品と同時に購入した燭台板の装飾にきわめて近いものである。

出典

- Un temps d'exubérance : les arts décoratifs sous Louis XIII et Anne d'Autriche, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2002, p. 282-283.

- ALCOUFFE Daniel, Les Gemmes de la Couronne, 2001, p. 391-393.

作品データ

  • 水晶の鏡

    1630–1635年頃

    王室コレクション

    フランス、パリ

  • 水晶、紅玉髄、瑪瑙、紅縞瑪瑙のカメオ16点、ガーネットのカメオ2点、エメラルド110点、ルビー7点、ダイヤモンド30点、金めっきした真鍮、エマイユ(七宝)を施した金

    高さ40cm、幅28.3cm、厚み5cm

  • MR 252

  • 工芸品

    ドゥノン翼
    2階
    アポロンのギャラリー
    展示室66

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

裏面に刻印された数字:291(1791年の目録番号)、裏面の手書き紙片:291