Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>牡羊の頭を持つハヤブサの胸飾り

作品 牡羊の頭を持つハヤブサの胸飾り

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

牡羊の頭を持つハヤブサの胸飾り

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Élisabeth David

この胸飾りは、1851年から1853年まで、オーギュスト・マリエットが発掘したサッカラの遺跡セラペウム神殿、聖牛アピスの地下墳墓から出土したものである。極めて純度の高い金属でできているこの胸飾りは、牡羊の頭を持つハヤブサの形をなし、翼と脚を大きく広げ、幅広の首飾りをつけている。裏側には、薄い金板に彫りが施され、表側は、浮彫や色に富むクロワゾネ技法が駆使されている。何柱かの神が寄せ集められて描かれた図像は、おそらく太陽神を表現したものと思われる。

高品質な宝飾品

この胸飾りに用いられている金の純度は99.5%に及び、エジプト金銀細工において、このような純金製の宝飾品は極めて稀である。表側のクロワゾネには、約300ものはめ込みの窪みが取り付けられ、その技術は完璧で傑出している。象嵌細工には、トルコ石、ラピスラズリ、カーネリアンなど、全て半貴石が使われている。素材が高品質であるうえに、出来ばえも精巧で、クロワゾネのデザインは柔軟性と変化に富み、よく調和が取れている。一方裏面には、薄い金板の上に繊細で詳細な彫りが施されている。

一風変わった聖なる生物

このハヤブサは、翼と脚を大きく広げ、飛行に適していないポーズをとっている。爪には、シェン(シェヌウとも呼び、縄の輪を表し永遠を象徴する)の記号を握り、垂直にもたげた牡羊の頭部には、縄状にねじられた角が水平に付いている。様々な姿が混在するこのような図像は、ラメセス王朝時代の幾つかの墳墓の壁画に描かれており、とりわけ『洞窟の書』の最終場面によく見られる。

蘇生の保障

『洞窟の書』は、ラメセス王朝時代に書かれ、王墓に限られて使用された葬祭文書である。そこには、太陽が、夜から朝にかけて、地下の冥界でいくつかの洞窟を駆け巡り、何回か変身してゆく様子が描かれている。夜間に蘇生し若返った太陽は、翌日、新たに空に飛び立つと信じられていた。タウセレト王(第19王朝末期、前1188-前1186年)の墓には、太陽が最後に変身する姿、すなわち牡羊の頭部を持ったハヤブサが脚と翼を大きく広げている姿で描かれている。この図像を想い起こさせるこの宝飾品は、死者の蘇生を保障するものと考えられ墓に納められていた。この胸飾りが捧げられたのは亡くなった人間にではなく、実は牡牛にであったが、その埋葬方式は全く同じものであった。

出典

- ZiIEGLER Ch., "l'Egypte pharaonique : l'exemple des bijoux du Sérapeum", in Actes du colloque "Cornaline et pierres précieuses. La Méditerranée, de l'Antiquité à l'Islam", Paris, 1999, p. 15-41.

- Egyptomania, catalogue de l'exposition, Paris, 1993, p. 352-353.

- MÜLLER H.W., THIEM E., L'Or de l'Egypte ancienne, Paris, 2000, p. 196, fig. 413.

- Connaissance des Arts, Hors série, 1995, n 68, p. 22-23, pl. 19-20, commentaires des analyses du centre de Recherche et de Restauration des Musées de France.

- ANDREW C., Ancient Egyptian Jewellery, Londres, 1990, p. 14.

- Les Dossiers de l'Archéologie, 1980, t. 40, p. 10-12

作品データ

  • 牡羊の頭を持つハヤブサの胸飾り

    新王国時代、第19王朝時代、ラメセス2世治世下(前1279-前1213年)

    エジプト、サッカラ、セラペウム、ラメセス2世治世第26年に死んだ聖牛アピスの墳墓から出土

  • 金、トルコ石、ラピスラズリ、カーネリアン、クラワゾネに嵌め込み

    縦7.1cm、横13.7cm

  • 1852年?に発掘に対する分配分としてエジプト政府から寄贈

    E 80

  • 古代エジプト美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する