Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>王と神の三柱神

作品 王と神の三柱神

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

王と神の三柱神

© 2006 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Delange Élisabeth

一塊の花崗岩に彫られた三体の彫像は、伝統的な配列に従って、背をもたせかけて並んで立っている。中央には屍衣に包まれたオシリス神が、王杖を持って立っており、その左右にはハヤブサの頭をしたホルス神と王が対称をなし、オシリス神の背に手を添えて立っている。この記念像に碑銘は入っていないが、第19王朝の王、ラメセス2世かメルエンプタハ王のものとされている。

技術

正面を向いている三体の立像は一本石の花崗岩に彫られ、背面支持板と台座に高浮彫を施して造形されている。同じ大きさの三体の立像が、石材の幅に合わせて空間全体を占めるように彫られていることから、(プロポーションが規定された)エジプトのカノン(規範)が石材の採掘時点で、すでに熟考されていたことが分かる。アスワンの採掘場から切り出された不均質な火山岩は、神殿の彫像用としてとりわけ好まれた石材の一つで、硬質で研磨に適した性質を持つので選ばれたと考えられる。所々に黒い樹脂を含む物質の跡が残在するが、それが彫像全体を覆っていた時期があるかどうかはまだ判明していない。

表徴の意味

宗教伝統にのっとったポーズをとっているこの彫像は、古王国時代の三柱神の伝統に倣ったもので、中央には屍衣に包まれたオシリス神が、ヘカ笏とネケク(殻竿)を持ち、頭には、アテフ冠と呼ばれる、両わきに羽がついた高い円錐形のかぶりものをつけている。ハヤブサの頭をしたホルス神と王は対称をなし、オシリス神の背に手を添えている。ホルス神と王が同一視されることを示唆するために、両者はともに左足を前に出し、同じ衣服をまとい、同じ上エジプトと下エジプトの冠をかぶっている。ただし、王がひだのついたネメス頭巾を付け加えた混合様式の冠をかぶっていることから、特殊聖典によれば、「神格化された王」アメン・ラー神を示唆していると考えられる。王は、オシリス神と顔が似ていることでオシリス神と同化し、ホルス神の姿勢と冠が同じであることからホルス神と同化している。じつは、この三柱神は、太陽神ラーの三つの顔を表しており、エジプト神話によれば、太陽神は朝はホルス神の姿として現れ、正午にはアメン・ラー神として輝き、日が暮れる頃はオシリス神になって衰弱すると言われている。このように、三体の彫像は同一実在の三つの違った側面を表している。

どの国王のことか

普段、背面支持板や台座に刻まれる碑銘はここでは見られないものの、ラメセス家の王であることは分かる。三体とも姿は細長く、手脚は細い。若さをたたえた顔は、大きな口と重い瞼で強調された小さい目を特長とし、オシリス神のウセク首飾りとそれぞれの衣装のひだに施された繊細な彫りを除けば、浮き彫りには特別な注意は払われてはいない。同様の石像との比較から、この三柱神はエジプトの最も偉大な建設者であったラメセス2世か、彼の息子メルエンプタハ王のものとされている。というのもアビドスにメルエンプタハ王にきわめて似ている群像彫像があるからだ。

出典

- Les Pharaons, catalogue de l’exposition, Venise, 2002, p. 411,  notice n° 62.

- DELANGE E., Egito faraonico terra des deuses, catalogue de l’exposition, Sao Paulo 2001, p. 36-37, notice n° 2.

作品データ

  • 王と神の三柱神

    新王国時代、第19王朝、前1279-前1203年

  • 彫刻 丸彫り 花崗岩

    高さ1.34m、幅0.78m

  • 1818年に購入

    オシリス神の息子、ハヤブサの頭をしたホルス神と王に囲まれたオシリス神

    A 12

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    神殿
    展示室12

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する