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作品 王メリシパク2世のクドゥル

古代オリエント美術部門 : メソポタミア

王メリシパク2世のクドゥル

© 2007 RMN / René-Gabriel Ojéda

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Pouysségur Patrick

バビロンのカッシート王朝時代に現れたクドゥルは、この碑の上でメリシパク王がその息子マルドゥク・アブラ・イッディナに土地を与えたように、王の土地贈与の条文が刻まれた小さな碑である。これらの贈与は、それを重んじることを保障するという目的から、クドゥルの上にシンボルでパンテオンの主要な神々を表すことにより、それらの神々の守護下に置かれたのでる。

バビロンのカッシート王朝

ハンムラビ王の治世とともにその絶頂期を迎えたバビロン第1王朝が崩壊した後、外国出身のカッシート人の統治者の指揮下で徐々に王国が興された。まもなくカッシート人はバビロニア人の言語とその伝統を保持する文化を採用した。「クドゥル」と名づけられる特殊な類型の小さな石碑の使用を制定したのは彼らであり、その使用は後代の諸王朝下で紀元前7世紀まで永続する。

クドゥル

彫刻と碑文が刻まれたこれらのクドゥルは、彼らの家族のメンバーのためあるいは上位の高官等に対してバビロンの統治者によって定められた土地贈与証書の被写体の役目をもっている。全面をおおう文書には、メリシパク王の重大な土地贈与の対称が未来の「彼の国の指導者」である彼の息子マルドゥク・アブナ・イッディナであり、その耕地は多数の免税を伴っていると示されている。クルドゥは、おそらく信者のみならず神々も見られるように陳列された神殿に安置されていたと考えられる。実際に神殿発掘時にそれらの三つがその考古学的状況下で発見された。しかし、これとは別の数個の碑はメシリパク統治が終わり数年後、エラム国の統治者シュトルク・ナフンテによって運び去られた結果、イラン遺跡のスーサで出土された。バビロニアにおけるエラム人の勝利の遠征はカッシート王朝の崩壊を招いた。
クドゥルに刻まれた碑文は、通常2部で構成されている。最初は贈与内容の記述がきて、付随された条文と一緒に、それを白紙に戻そうとするすべての者を打ちのめすことを目的とした神の呪いを含む呪文が続いている。このようにして贈与証書は記録されそしてすべて人の目前に陳列されたのみならず、その上、各神がシンボルによって碑に表されることによって強力な神々に護られていた、という状態になっている。

世界の神組織

このクルドゥルには世界の秩序を支配する主要な神々をひとまとめにして、王の贈与保障人として集合させるという特殊性がある。定型化しつつある一般原則に従い、これらの神々はシンボルによって幾段にも重ね区分するやり方で碑の上に描かれる。碑の頂部には、天上界にかかげられたように天体を司る神々がいて、三日月の月神シンと光り輝く星の太陽神シュマシュが金星を表す星形のイシュタル女神を囲んでいる。これらには、世界の均衡を支配する最高の神々が同行されている。祭壇に置かれた7列の角冠は天空神アヌと大気神エンリルのシンボルである。そこへ水神エアの随獣であるヤギの頭とヤギ・魚の混成動物、それから大地の女神ニンフルザクのシンボルが続いている。
次の段には、戦勝により世界秩序の保護を保障する戦士の神々が登場し、龍の上に載る武器によって象徴されるネルガル、猛禽の頭をもつ武器よってザババ、そして獅子の頭をもつ武器によってニヌルタが象徴されている。その下の3段目では、尖った鋤と角のある龍で表されたバビロン市の造物神であり守護神であるマルドゥクがくる。彼は粘土板と葦の筆で描かれた書記神ナブーと犬の随獣の上に描かれた治癒女神グラを連添っている。
地表にあたる4段目では、土地の豊饒を司る神々が窺え、実際そこに雷雨神アダドが稲妻と牡牛、火の神ヌシュクがランプ、本来農業の神ニンギルスが犂(すき)、およびカッシートの夫婦神シュカムラとシマリア女神の二羽の鳥が続いている。最下段には、地表下を這いながら常に突如と現れる用意周到した、地獄の冥界の神々のシンボルである蛇と蠍(さそり)が潜んでいる。
このクドゥルは、偉大な神々のシンボルを段に振り分け重ねるという構成もちながら、本物と同じような象徴化された小宇宙の外観を呈している。その空間配分では、すべての神々の階級に基づいて打ち立てられる宇宙の機能組織の反映としてそこへ登場させている。

出典

- MORGAN Jacques (de), Mémoires I, Leroux, 1900, p. 172, pl. XVI-3.

- SCHEIL Victor, Mémoires II, 1900, p. 99, pl. XXI à XXIII.

作品データ

  • 王メリシパク2世のクドゥル

    カッシート王朝、メシリパク2世の治世(紀元前1186-1172年)

    イラン、スーサ

    イラク、遺跡不明

  • 黒い石灰岩

    高さ65cm、幅30cm、厚み19cm

  • ジャック・モルガン発掘

    Sb 22

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    メソポタミア:紀元前1千年紀‐紀元前2千年紀
    展示室3

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ルーヴル美術館 パリ フランス
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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

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