Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>玩具

作品 玩具

古代エジプト美術部門 : キリスト教時代のエジプト(紀元4-紀元12世紀)

玩具

© Musée du Louvre/G. Poncet

古代エジプト美術
キリスト教時代のエジプト(紀元4-紀元12世紀)

執筆:
Christiane Lyon-Cæn

のみで簡単に粗彫りにされたこの騎手は、馬の形に切り取られた二枚の木板の上に乗っている。赤色、白色、黒色の絵具が、たてがみ、目、鞍、馬具に形を与えるために塗られ、その跡がまだいくらか残っている。この玩具には4輪が備え付けられ、現代の子供達が遊んでいるように、紐で引っ張って遊んでいたと思われる。

対象の描写

騎手と車輪のついた馬は、熟練した職人によって、木に手早く彫られたようだが、この職人は「大量生産」的な手法を熟知していたようだ。人物の生体構造は、ナイフの刃で顔が刻まれた頭部、兜のような髪型、筋肉質な胸部、胴体を締め付けている両腕で表されている。棒を粗削りにしただけの下半身は、2枚の木板の中に挟まれ、馬の横腹を突き抜ける二本の枘(ほぞ)で馬に固定されている。
2枚の薄い木板は、エジプトに豊富に生えるギョリュウの木を切ったものである。馬は単純な形状に作られているものの、立った両耳、短く四角い鼻孔を見下ろすくっきりと表された眼窩、馬の毛が付けられていたと思われる尾の先、前脚より大きく切り取られた後脚など、特徴をよくつかんだ表現がなされ、馬であることが一目で分る。二本の車軸が脚の下部を突き抜け、2対の車輪が備え付けられている。脚の長さが異なるので、前輪は後輪より大きく作られている。今日子供達が遊ぶように、この玩具の持ち主は、前方に備え付けられた枘に結んだ紐を引いて遊んでいたにちがいない。
職人は、絵具でたてがみ、目、鞍、手綱を描きだしている。残念ながら、今日ではその多彩色の跡が残っているに過ぎないが、かつて、この玩具は赤色、白色、黒色などの色できらきら輝いていたのではないかと推測される。一方騎手の色は、今日では完全に色あせて消失してしまっている。

玩具

このタイプの玩具は良く見られるもので、ビザンティン時代のネクロポリスの発掘から、車輪の付いた動物が多数出土している。ハリネズミ、イヌ、ラクダ、ネコ、ライオンなど、どの動物にも鼻に輪が付けられていた穴が開いている。一頭ではなく二頭の馬が表されているこの作例は独創的で面白い。二頭の馬を操っている曲芸師を表しているのか、あるいは職人のふとした思い付きで制作されたのか判断し難い。

状況

ローマ支配時代からコプト時代にかけた子供の墳墓から、木製で作られた、引くタイプや仕掛けタイプの動物、あやして遊ぶ人形、おままごとセットなどが多数発見されている。古代エジプト後期のゲームや玩具に関しては、古文書の資料が現存しないため、よく知られていない。古代後期において、玩具について説明した文献はなく、簡単な説明さえ稀で、子供が玩具で遊んでいる様子を表した作品も残っていないため、正確なことが分っていないのが現状である。長い間ずっと、そして現在でもまだ、護符や奉献品が玩具とまちがえられることが多い。同じような形態をなし、子供の手に適した大きさをしているからだ。土、木,石などどの素材で作られていようが、女神の彫像と人形は全く良く似ている。

出典

- Au fil du Nil, couleurs de l’Egypte chrétienne, Catalogue d'exposition au musée Dobrée de Nantes, Paris, 2001, n° 37, p.67.

作品データ

  • 玩具

    ビザンティン時代、後395-643年

    アンティノエ出土

    エジプト

  • 木の切り抜き、彩色

    高さ18cm、幅18cm、奥行き1.1cm

  • 1973年、フレデリカ・チャコス 、寄贈

    木製の騎手

    E 27134, AF 1185, AF 1179, AF 1183

  • 古代エジプト美術

    ドゥノン翼
    地上階
    コプト美術のギャラリー
    展示室B

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する