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瑪瑙の水差し

© 2001 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
17世紀

執筆:
Muriel Barbier

この水差しは、1681‐1684年の間にルイ14世のコレクションに加わった。しかし、おそらく金具は1640年頃にジャン・ヴァングロルによって制作されている。この人物はフランドル出身でパリに拠点を構えた金銀細工師である。本作品には、1640‐1650年頃に制作され、王室の玉類コレクションに加わったパリの工芸品の特色が現れている。宝石細工師は不明だが、ヴァングロルによるエマイユ(七宝)を施した金具は17世紀パリの金銀細工師の技量を示している。

卵形の水差しは黄色が勝った瑪瑙6片、すなわち首、逆にした杯、刳形のある小脚がついたもう一つの杯、手摺子をなす球、小さな輪、脚の役割を果たす3番目の小杯からなる。この最後の小杯は、おそらく1830年に失われた本来の脚に換わって1941年頃に付けられた。卵形の腹部を構成する2つの杯には、WFSと銘を入れた謎の親方による彫刻装飾がある。この人物は、ルーヴル美術館MR321の水晶の壺に、同じ着想で彫刻装飾を施している。

彫刻装飾

瑪瑙への彫刻装飾は2段に分かれており、普通は水晶に施される海洋風景で構成される。上段には、岩上の円筒形の建物、巨大なイルカ、金羊毛騎士団の頸飾りを守る怪物、大きな帆船が彫られている。下段に見えるのは、セイレンがラッパを吹くもうひとりのセイレンに棕櫚の枝と王冠を渡そうとしている姿、アモルが乗る1匹を含む2匹のイルカ、鋸歯状の葉と種子からなる大きなパルメット4つである。このパルメットの葉は金具のものと同じ様式を示しており、この彫刻装飾が金銀細工装飾と同時代になされたことを証明する。宝石細工師・彫刻家が誰なのかは依然として不明である。この人物はモノグラムWFSという署名を残しており、おそらく金銀細工師ジャン・ヴァングロルと同様フランドル出身か、ゲルマン諸国出身だろう。

エマイユを施した金の金具

この水差しは、金銀細工師ジャン・ヴァングロルの死後1644年に、ヴァングロルの工房にあった。金具にはルビーが用いられている。先が尖った鋸歯状の小葉が白地に黒のエマイユで描かれ、浮き上がって見える。取っ手には橙色の半透明エマイユによる有翼の女性胸像が乗っている。もとの台座はルビーで飾られていたが、後代の作である現在の台座は金めっきした銀である。この作品には、ピエール・ドラバールの後継者や追随者によって1640‐1650年頃に制作されたものの特徴が現れている。こうした金の金具をもつ作品では、エマイユの地である白が目立っている。そこに、ドラバール作品より繰り返しの多いエンドウ豆の鞘と植物模様が描かれているのである。ルビーの使用もドラバールの様式を思わせる。

出典

Alcouffe D., Les Gemmes de la Couronne, Paris, RMN, 2001, p.396-398.
Bimbenet-Privat M., Les Orfèvres et l'orfèvrerie parisienne de Paris au XVIIe siècle, Paris, Commission historique de la ville de Paris, 2002, t.1 p.526 et t.2 p.454-457.

作品データ

  • Jean Vangrol

    瑪瑙の水差し

    1640年頃

    フランス、パリ

  • 瑪瑙、エマイユ(七宝)を施した金、金めっきした銀、ルビー152点

    高さ34cm、幅12.2cm、直径10.5cm

  • 1681‐1684年の間にルイ14世のコレクションに加わり、ヴェルサイユ宮殿のマリー=アントワネットの寝室に飾られた後、19世紀にチュイルリー宮、ついでサン=クルー宮に移された。

    OA 40

  • 工芸品

    ドゥノン翼
    2階
    アポロンのギャラリー
    展示室66

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

腹部中段の波の中、音楽を奏でるセイレンの右に署名:WFS(sculpsit)基部裏面の手書き紙片:T6316