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作品 石棺:《ギリシア人とアマゾン族の戦い》

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

石棺:《ギリシア人とアマゾン族の戦い》

© 1993 RMN / René-Gabriel Ojéda

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

紀元後2世紀以降、浮彫装飾が施された巨大な石棺の制作において、アテナイはローマの工房と競い合っており、それらは、紀元後180年頃制作され、テッサロニーキで発見されたこの石棺のように、ギリシアや地中海を通して頻繁に輸出されていた。荒く加工された石棺の蓋は、故人二人が横たわっている葬祭用寝台を表している。箱の部分は、ギリシア人とアマゾン族の戦いの伝説の一幕を再現しており、その裏側は花飾りとグリフォンで装飾されている。

ギリシア北部に輸出されたアッティカ産の石棺

1836年ギリシア北部のテッサロニーキで発見されたこの巨大な石棺は、ジレ領事より王ルイ・フィリップに贈呈された2年後の1844年、ルーヴル美術館に収蔵された。発見された土地に相反して、この箱の部分は紀元後2世紀のアッティカ製である。というのも、アテナイは、ローマと小アジアの工房に次ぐ第三の石棺製作地であり、この作品の例のように、地中海やギリシア内を通して輸出された、彼らは主に他地方の顧客向けの、浮彫装飾が施された石棺の制作を通して、自らの彫刻の伝承を守り続けた。石棺生産は、267年に起こった、ゲルマン系のエリュル人によるアッティカの略奪が一因となった、経済危機の影響により途絶えていった。

死者の肖像

エトルリアやイタリア、ローマでも行われていた習慣に従い、蓋の上に半臥状態の亡き夫妻を描写することにより、石棺を擬人化している。実際この棺の構造は、角をカリアティード(女像柱)と胸像柱に支えられた、厚いマットレスと、刺繍が施されたクッションを伴う、葬祭用寝台を模範したものだ。この肖像は、180年に制作されたと推定できるいくつかの特徴を備えている。例えば、中央の分け目より大きなウェーブを描きながらふたつに分かれ、うなじの辺りで低い位置でまとめられたシニョン、という女性の髪形は、アントニヌス朝(96-192年)の末期にローマ貴婦人たちが結っていた、帝国の宮廷風の髪形に近いものだ。夫妻の輪郭はのみで大まかに彫られ、力強い加工からは、アッティカ地方の彫刻家の作品を思わせる。ギリシア北部のアッティカから輸出された未完成状態の棺は、現地の彫刻家が発注者の肖像を彫琢し仕上げられる。

ギリシア人とアマゾン族の戦い

三面だけ彫刻されたローマの石棺とは異なり、訪れる人々に広く開かれた建物の中に置かれていたアッティカの石棺は、全四面を浮彫で装飾されている。この作品の主題の選択は神話のエピソードから得られたものである。正面と両側面は、トロイア戦争時の、ギリシア人とアマゾン族の戦いを描いている。この戦争はアマゾンの女王ペンテシレイアに、致命傷を負わせたアキレウスが、その直後、彼女に恋に落ち、この女王が彼の腕の中で息絶える一幕が有名である。濃密で荒々しい構図は、人物、ねじれた姿勢のもつれ、裸体と対照をなす衣服のひだの効果に影響を及ぼしている。戦士の姿勢は、かなり変化されたものとは言え、ギリシア彫刻の伝統的モデルから着想を得ている。像のどっしりとした様相は、それぞれを一個体の彫刻のように加工し、丸彫に近い装飾を好むギリシア彫刻家の趣を表明している。箱の裏面には、浅浮彫で彫刻された二匹のグリフォンが、胸像柱を模った二人のヘラクレスと鷲により支えられた花輪の中で対立している。

出典

K. de Kersauson, Catalogue des portraits romains, II, Paris, 1996, p. 306-307, n 138.
Fr. Baratte, L'Art romain, Manuels de l'Ecole du Louvre, Paris, 1996, p. 157, fig.
Fr. Baratte, Metzger (C.), Musée du Louvre. Catalogue de sarcophages en pierre des époques romaine et paléochrétiene, Paris, 1985, p. 256-261, n 166.

作品データ

  • 石棺:《ギリシア人とアマゾン族の戦い》

    紀元後180年頃

    1836年テッサロニーキ(ギリシア北部)にて発見

    アッティカ

  • 大理石、高浮彫、浅浮彫、蓋は丸彫

    高さ2.3m、幅2.7m

  • 1842年、ジレ氏による寄贈

    N° d'entrée LP 2584 (n° usuel Ma 2119)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ギャラリー・ダリュ ボルゲーゼの剣闘士
    展示室B

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