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作品 石碑、ネフェルティアベト王女の食事

古代エジプト美術部門 : 先王朝時代末期から中王国時代末期(前3800-前1710年頃)

石碑、ネフェルティアベト王女の食事

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
先王朝時代末期から中王国時代末期(前3800-前1710年頃)

執筆:
Pierrat-Bonnefois Geneviève

死者の食事の光景を描いた石碑は、エジプトの葬祭芸術において主要な場面を表しているものである。この作品は、その中で最も古く、最も保存状態が良いものに数えられる。クフ王(ケオプス)の時代に生きた王女、ネフェルティアベトの永遠の食事を描く石碑は、当時の巨匠たちがその制作に当たった。

根本的な葬祭場面

この女性は、頭上に刻まれた文字(「王の娘ネフェルティアベト」)と同方向、右側を向いて座っている。動物を模ったヒエログリフの頭部の向きから、この文字が通常の向きで書かれていることが分かる。パピルスの傘形花序の装飾が施され、牡牛の脚を模った腰掛に座っているネフェルティアベトは、豹の毛皮でできた衣装を着用し、供物卓の方に片手を伸ばしている。白い石で作られた供物卓の脚は、テラコッタで作られた円筒形の支持柱の上に載せられている。供物卓の上には、縦に切られた菓子パンが沢山載っており、菓子パンの白い中身と黄金色に焼きあがった外皮が見える。図像のみが描かれた部分はここまでで、文章のみが刻まれているこれ以外の空間が、実際のところ石碑の表面積の半分以上を占めている。図像自体は絵文字のように、時間と空間を超越しているかのようだ。冥界での死者の食事の光景を表した図像は良く知られているもので、数え切れないほど多くの作品に繰返し再現され、長い時間と慣習によって是認されたものである。赤色、黄色、黒色、緑色(現在では色あせて消えている)などシンプルな色彩群で彩色され、極めて繊細に彫られた浮彫をさらに引き立てている。

文字と図像の巧妙な相互作用

銘文には様々な演出手法が駆使されている。王女の名前を表す文字を除いた他の文字は、全て王女の方を向いている(王女が向いている方向とは逆を向いて刻まれている)。これは、文字が示す品物が王女に捧げられていることを意味している。供物卓の上方に描かれた2段からなる表には、美顔料、飲み物、菓子など消耗品が刻まれ、一方右側の縦に3つに区切られた大きな表には、布の目録が記されている。王女の顔の前方とテーブルの周りに散在する象形文字は、絵文字として用いられており、例えば、顔面の前には「聖水の供儀」という文字が、胸部の前には「清めの儀式」の文字が見え、「牛の脚」、「骨付きリブロース」、「鴨」、「布」、「食器」、「パン」、「ビール」、「肉と鶏肉」、「1000」、「1000」、「1000!」などと主要な供物が表されている。ここでは、文字が図像の間に密接な関係を持って挿入されており、あたかも「単語」が図像の中に配置されているかのようだ。

生命維持に不可欠な役割

銘文と図像は、時間を超越した作品の実現にそれぞれ貢献している。この石碑は、ネフェルティアベト(クフ王の妹でスネフェル王の娘であったと思われる)の死後、ギザの大ピラミッドの基部のすぐ傍にある王女の墓の外壁の中に密封され、壁の中に完全に埋め込められていたため、発見されるまで時間による風化や人間による盗掘や破壊から逃れることができた。しかし、この石碑の最たる存在理由は、隠されていたかいないかに関わらず、何よりもまずその役割にあった。石碑に表現されたことは実現されると考えられていた。要するに、ここに描かれた多様な品々に囲まれたネフェルティアベトの食事は、その制作時点から永久に、王女の永遠な生命と冥界での楽しい生活を保証するためのものであった。

出典

-  ZIEGLER C., Musée du Louvre Département des Antiquités Egyptiennes - Catalogue des stèles, peintures et reliefs égyptiens de l’Ancien Empire et de la Première Période Intermédiaire (vers 2686-2040 av. J.-C.), Editions de la réunion des musées nationaux, Paris, 1990, p. 38, 187-189, notice n° 29.

- L’Art égyptien au temps des Pyramides, catalogue de l’exposition, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1999, p. 20, 207-208, notice n° 54.

- Portes pour l’Au-Delà. L’Egypte, le Nil et le champ des offrandes, catalogue de l’exposition, Montpellier, 1992, p. 117-, 123, fig. 34.

-  ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L’Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 54-55, fig. 13.

- ZIEGLER C., BOVOT J.-L., Art et archéologie : L’Egypte ancienne, Ecole du Louvre / Editions de la Réunion des musées nationaux / Documentation française, Paris, 2001, p. 116-117, fig. 35.

作品データ

  • 石碑、ネフェルティアベト王女の食事

    古王国時代、第4王朝、クフ王(ケオプス)治世下(紀元前2590-2565年)

    ギザ墓地出土

  • 石灰岩、彩色

    縦37.5cm、横52.5cm

  • 1938年、A.カーチス寄贈

    E 15591

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    古王国時代 紀元前2700‐紀元前2200年頃 書記坐像
    展示室22

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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