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作品 礼拝者像

古代オリエント美術部門 : イラン

礼拝者像

© R.M.N./Chuzeville

古代オリエント美術
イラン

執筆:
Agnès Benoit

礼拝者像は、神殿の中で信心深い人々の祈りを永続させる役割をもっていた。それらは3千年紀にシュメールの世界で広がったが、その最初のいくつかは数世紀早くスーサで現れた。その像は、跪(ひざまず)き衣服を身に着けた人物に適応した姿勢で特徴づけられている。

町の登場と同時代の彫像の発展

先都市時代は、建築、行政、権力組織の分野における根本的な変革によって特徴づけられるが、美術の分野でも同様である。彫像は、浮彫が施された石碑や装飾壺、また丸彫り彫像として発展する。人物の表現が写実的になり、顔立ちは忠実に表され、身体はだいたい正確なプロポーションで表されている。この時代で最も有名な像は、メソポタミアの丸彫り製で幾度も具現された王-祭祀像であるが、イランではこの形式の姿がなく、そこで唯一そのように表現された最も重要な人物は、精霊-野羊である。
イランの西にある町スーサでは、彫刻の発達はいくつかの独創性を帯びており、動物は楽しくまた活発な姿勢で捉えられている。それらは、蛙が脇腹で子豚を乗り越え、まさに飛ぼうとしているものや、尻で腰掛けた熊が脚に器を持ち、中身のものをあけるのに専念しているもの、あるいはまた、肢を折り返した野生の雁(がん)が目を皿のようにして見張っているものなどである。人物像は唯一礼拝者像だけである。この像は3千年紀に大変人気があった像であるが、スーサにおいてそれを出現させる。

スーサの礼拝者

最初の礼拝者の像制作術は、スーサにおいて「初期埋葬物」と呼ばれる埋蔵物遺跡の2箇所で現れた。特に好まれた素材は、アラバスター(雪花石膏)で、これは現地で入手できて、加工するのが簡単で、4千年紀末に同じくよく使われていた石灰岩よりもっと高級な石材である。衣服の中でひざまずく姿勢はエラムの礼拝者に特有のものであるが、イラクのディヤラ地方のテル・アグラブでも一例が見つかっている。そこでの人物は、奉納壺を持つかまたは手を合わして表現されている。スーサの一群の小さな礼拝者像は、常に以下のような流儀で姿を見せる。アーモンド状の目、わし鼻、鉢巻をして背中に丸みをつけて落ちる長い髪、最後に、胸を支える高く突き立て合わせられた手。

独自の小像

さて、ここに表された小像は例外的である。この像は、他の像に比べ断然大きく、また丸ごと削られる代わりに空間の新しい支配を明らかにして、そこでは腕が身体から引き離れ、合わされた指が顔の下に来ている。彫刻家は、的確な仕草を忠実に再現していて、おそらくそれは祈りの仕草であり、指の2本が交差して、親指が顎(あご)の下で合わされている。この新しい取り組みは、不器用さを免れていなく、わずかに顎がわきにそれ、顎の先まで引き伸ばされ、また腕が少々長めである。それにもかかわらずこの像は、スーサの一群の中で最も美しいものにとどまり、エラム美術の主要な専門家ピエール・アミエの定型表現によれば「石の古代の表現の最も驚くべきひとつ」である。

出典

- AMIET Pierre, Élam, Auvers-sur-Oise, Archée, 1966, n 91. 

- BENOIT Agnès, Art et archéologie : les civilisations du Proche-Orient ancien, Paris, École du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2003, pp. 200-201. 

- SPYCKET Agnès, La Statuaire du Proche-Orient ancien, Leiden, Köln, 1981, p. 35, n 33.

作品データ

  • 礼拝者像

    前3300-前3100年頃

    イラン、スーサ

  • 雪花石膏

    高さ0.11m、幅0.46m、奥行き0.72cm

  • 1909年、ジャック・ド・モルガン発掘

    Sb 69

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    イラン、スシアーナとイラン高原:紀元前5‐紀元前4千年紀、紀元前3千年紀初頭
    展示室7

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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