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作品 祈るネクトホルヘブの彫像

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

祈るネクトホルヘブの彫像

© 2008 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Geneviève Pierrat-Bonnefois

この彫像は、エジプト美術が発展した時代に生きた位高き人物ネクトホルヘブを表している。膝をつき、両手は開いたまま脚にのせ、祈りの姿勢をとっている。この作品に記された銘文によると、ヘルモポリスとデンデラの守護神トトに祈りを捧げているところである。

第26王朝時代の領主

ファラオ時代のほとんどのエジプト高官がそうであったように、ネクトホルヘブも民事的および宗教的役職を多く兼ねていた。彼の名の入っている記念碑が、ローマ、ロンドン、カイロ、コペンハーゲンで収蔵されている。
背面支持柱には、「唯一の友人である閣下、宮殿の管理主、“朝の家”の事務局長、葬祭神殿の管理主、朗読神官の長、王冠担当官、全ての神職の長、“生命の家”の呪術師長」等と彼の様々な役職が、宮廷での数々の称号に混ざって刻まれている。
ネクトホルヘブは第26王朝時代のプサメティコス2世(プサムテク2世)(紀元前595-589年)治世下で生きた人物である。当時のエジプトは、スーダンやヌビア王による支配(第25王朝)、その後のアッシリア人による残虐な侵略(紀元前666年)など、一連の政治的敗北を味わった後、やっと現地エジプト出身の王達による統治を取り戻したところであった。こうした背景からこのエジプト人エリートは自分のルーツを探求していたと考えられる。

擬古主義派

芸術的観点では、雄々しい古王国と中王国時代の壮大さや簡素さがしばしば引き合いに出されるが、等身大よりわずかに大きいネクトホルヘブの彫像にもこの伝統が息づいている。男性美の追求はフォルムの簡素化によって達成でき、唯一中庸な写実主義で表されている胸部は、彫り師が特に気を配って彫ったように思われる。簡潔で力強い量感を出しそれを強調するために、ここでは腰衣の細部表現を全てなくしている。腰巻は膝の上部にしか見えず、髪形は滑らかな頭巾のようでしかなく、額と背面支持柱に融合してしまっている。
簡潔さの追求においては、当時の様式を破るものであり、擬古傾向は新しい様式を形成している。顔に関しては、長めな輪郭、丸くわずかに反り返った顎、無表情なやさしい微笑みが特徴で、第26王朝下に生まれた様式に従っている。この様式はその後ローマ帝国に征服されるまで続いた。

トト神の加護のもとで

中王国時代になっていくつかの神殿では、内部の公共の場所に民間人用の礼拝堂が建てられるようになった。以後、自らの人物像を神殿の中庭に置ける特権者の数がますます増えていった。王の恩恵のおかげで名士達は、ファラオの守護神の近くに居ることができ、毎日神官に神の供物の残りを自分の彫像の前に運んでもらうことができた。
台座の上の銘文によると、この彫像は「ヘルモポリスとデンデラの守護神」であり、文字をつかさどる偉大なる神でもあるトトの神殿に置かれていた。それゆえネクトホルヘブは、生前からすでに神の永遠なる加護を受けていたことになる。

出典

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L’Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 185-186, 255, notice n° 92.

- ZIEGLER C., BOVOT J.-L., Art et archéologie : L’Egypte ancienne,  Ecole du Louvre, Editions de la Réunion des musées nationaux, Documentation française, Paris,  2001, p. 264-265, fig. 159.

作品データ

  • 祈るネクトホルヘブの彫像

    末期王朝時代、第26王朝、プサメティコス2世(プサムテク2世)治世下(前595-前589年)

  • 珪質砂岩(珪岩)

    高さ1.48m、幅0.46m、奥行き0.70m

  • 1816年に購入

    A 94

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    受付
    展示室2

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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