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作品 祭壇に座り、財布を空にする奴隷を演じる俳優

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

祭壇に座り、財布を空にする奴隷を演じる俳優

© 2002 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Juliette Becq

財布を盗んだ直後の奴隷を演技するこの俳優は、安心してそれを空にするために祭壇に避難している。神に守られたこの祭壇は、激怒した主人の攻撃より彼を保護している。この人形は、紀元前400年頃にアテナイで生産された、ほとんど同一の作品群に属する。一世紀の間、地中海全域に普及したこの人形は、その多くが人間を模った図像の普及を証言している。

細部にこだわった衣装

その仮面と衣装よりこの人物は、喜劇俳優とわかる。とがった顎鬚と特徴的な容貌は、彼がこの作品の中で陰謀をたくらむ人物であることを示す。一方はつり上がり、もう一方は直線であるその眉は、彼の二面性を示す。彼は、足首から手首まで体に密着するジュストコールのような着衣の上に、腹と尻の上にある詰め物を隠すため、短いキトンを身につけている。その詰め物は、彼の恰幅のよさを増加させる。奇妙な様相に加え、そのはっきりとした様相は、時には20メートル以上離れたとこるにいる観客にも及ぶ。キトンは、実際には革製であろう、人口の陰茎を露出している。仮面を除いて人形全体は、アルカイック時代に「コモイ」と呼ばれたディオニソスの行列の参加者、コマステ達のこっけいな身なりを表している。これらの儀式は演劇の分野に由来し、紀元前486年、アテナイの大ディオニソス祭に正式導入された。古喜劇(紀元前5世紀)、中喜劇(紀元前4世紀)を想像させる演劇の人物像は、俳優の衣装に由来し、長い間根強く残った過度な露出を表している。それは又、より中産階級に近く慎み深い社会から生まれた新喜劇(紀元前3世紀から2世紀)の人物像に登場する。

ギリシア中喜劇の綿密な小像

この人形は、ニューヨークのメトロポリタン美術館に保管してある、演劇に関する一連の十四体の人形に類似する。これらの人形はアテネの同じ一つの墓に由来し、類似する様式を表している。それは、約数十センチしかない作品の小ささや、二枚貝式鋳型の使用(これまでは人形の正面のみが重要視されていた)、衣服の杭打ちなどの細かい作業などがそうである。アテナイに由来するこのような製品は、紀元前400年頃と推測される、この種の作品で今日知られる限り最も古い作品のうちの一つを排出した、アゴラでの発掘により証明されている。この祭壇に座った奴隷の型は、メトロポリタン美術館の作品群にも存在する。同じ原型が、そのうちの2作品の形成に役立てられたと思われる。

演劇の人形の人気

質の良さが異なる地方の派生した製品は、紀元前4世紀の間生産され続けた。それらはとりわけに葬祭用の目的であった。全ての重要古代遺跡(特にオリュントスなど)にて、時にはリパリ島のように大量に発見されたこれらの人形は、文学の普及と同時に、おそらく演劇の神と新たな、増大したディオニソスの崇拝に対する特別な人気を証明している。紀元前5世紀末にアテナイの社会を襲った深刻な危機の後、信仰心はより人間味のある神に向けられ、芸術家や職人は、より多彩なレパートリーを使用することにより、神聖な作品に重点を置かなくなった。人形職人の伝統的な分野では、転換期の急激な変化が不可能であるように、演劇の人形は、これら日常生活の人物を出現させることを可能にする。

作品データ

  • 祭壇に座り、財布を空にする奴隷を演じる俳優

    紀元前400年から375年頃

    ギリシアのロクリス(?)に由来

    ギリシアのタナグラ(?)またはアテナイ(?)にて制作

  • オレンジ色がかったベージュ色の陶土、二枚貝式鋳型、絵の具の跡:ズボンに黄土色、財布に赤色、肌はオレンジがかったピンク色

    高さ:9,50cm

  • 1889年購入

    CA 265

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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