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作品 竜文水注

イスラム美術部門 : セルジューク朝・モンゴル帝国・イスラム教徒の地中海世界

竜文水注

© 2006 Musée du Louvre / Claire Tabbagh

イスラム美術
セルジューク朝・モンゴル帝国・イスラム教徒の地中海世界

執筆:
Beaujean-Deschamps Rachel

このラスター彩の水差しには、極東の代表的なモチーフであり、イスラム美術でも頻繁に使用される竜が数頭表わされている。蛇のようにとぐろを巻いた竜の体と体の間に碑銘装飾の帯が入り、神秘的な散文の抜粋が記されている。

金工品の影響

この軽く胴をしぼった円筒形の腹をもつ水差しの形状は、金工品の形状から発想したものである。首は外側に開き、把手は垂直にのびて、親指をおく位置に小鳥が乗っている。この作品における金工品の影響は、形状にとどまらず、技法上にも現れていて、ラスター彩が施されている。その上、セルジュク・トルコの時代のイランとファーティマ朝のエジプトで再発見された、珪石質の素地で、この作品は制作されている。装飾は、八頭の竜の体で区分けした段で構成されている。鱗に被われた竜の体が、とぐろを巻いたり、互いに交叉して、輪をなしている。その輪の中には、花綱文様の大きい葉のモチーフが入り、上下を竜の体に挟まれた部分には、ペルシア語での銘文が入っている。この銘文は判読しがたいが、神秘的な散文の抜粋であるらしい。首の口の近くに、アラビア語の銘文があり、この作品の制作者の名前が記されているに違いないのであるが、「記した」と、「制作した」という二つの言葉しか、今日では判読できない。
肩には、竜の頭が並んでいる。二頭ずつ向い合っている。それぞれの頭は、黒い点で被われ、目は小さく、耳は先が尖っている。口は大きく開き、おそらく炎であるひとかたまりの線が噴き出ている。

竜のモチーフは、陶器であれ、金工品、絵画であれ、セルジュク・トルコの時代のイランの作品に頻繁に現れる。12世紀から13世紀にかけて、非常に好まれている。手本は、 中国と時折関係している中央アジアの民族と接触のあった、トルコ民族によって、伝達されたと考えられる。恐怖と尊敬を抱かせる竜は、中国人にとっては、空と海と水に結びついた、幸運をもたらす動物である。イスラム世界では、竜(ティンニーン)は幸運をもたらすと同時に、災禍をももたらすことができる、天空と占星術に関与するものである。トルコ人は、特に竜の加護と占星術学上の価値を認めている。そういうわけで、アナトリアのセルジュク・トルコの時代の建築物では、頻繁に、扉叩き(ドア・ノッカー)が、竜の形(獅子と竜の扉叩き、ルーヴル美術館目録番号MAO 97)である。

出典

- BERNUS-TAYLOR Marthe, Revue du Louvre, n 3, 1972, p. 204

- L'Islam dans les collections nationales, catalogue de l'exposition des galeries nationales du Grand-Palais, Paris, Réunion des Musées Nationaux, 1977

- Arabesques et jardins de paradis, catalogue de l'exposition du musée du Louvre, Paris, Réunion des Musées Nationaux, 1989

- L'Etrange et le merveilleux en terres d'Islam, catalogue de l'exposition du musée du Louvre, Paris, Réunion des Musées Nationaux, 2001

作品データ

  • 竜文水注

    13世紀初頭

    イラン

  • 珪石質陶器、失透性釉薬上、ラスター彩

    高さ36.2cm

  • 1971年取得

    MAO 444

  • イスラム美術

    リシュリュー翼
    地上階
    セルジューク朝 11‐13世紀
    展示室6

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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