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紅玉髄の壺

© 1991 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

このビザンティンの紅玉髄の壺(10-11世紀)は、マザラン(1602-1661年)のコレクションの中でも最も高価な品のひとつに数えられていたが、1685年ルイ14世(1638-1715年)のコレクションに収蔵され、17世紀末にパリで、ほうろうを引いた縁飾りと台座が加えられ、さらに豪華なものとなった。壺の装飾と台座は、リシャール・トゥータン(子)(1579年に死亡)の作品であると考えられている。

ビザンティンの壺

紅玉髄でできた壺本体は、手桶の形をしている。これは、10世紀か11世紀にビザンティンの工房で制作された。その大きさから、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院の宝物庫にあるカリス(聖杯)を思い起こさせる。内壁が非常に厚く、底は凹面である。石の加工には完璧でない部分が見受けられる。下の部分は円形だが、軽くでこぼこしている。本体の膨らみは抑えられ、そのため縁はほとんど楕円形になっている。この形は、サン・マルコ寺院の宝物庫に保存されているカリス(聖杯)に類似しているが、少し小さく、金箔を貼ってほうろう加工を施した縁飾りと台座が付いている。

彫刻装飾

壺の彫刻装飾は、後期に付け加えられた。彫刻師は石の加工の欠陥を考慮にいれ、それを隠そうと試みたようである。装飾は、二列の卵形装飾が、陰刻の組み紐文で施されており、規則的に配置された矢によって分けられている。同じ種類の装飾が16世紀に付け加えられたが、おそらく他の古い品々と同じ工房で施されたものと思われる。例えばウィーンの美術史美術館に保存されているオニキスの水差しや、ルーヴル美術館のめのうの二重壺(MR253)、また、マドリッドのプラド美術館に保存されている、王太子ルイのコレクションに由来する紅玉髄の杯に、同じような装飾が見受けられるのである。

ほうろうと貴石

縁の装飾はそれぞれが非常に異なる3種類の要素から構成されている。上部の縁には、黒地の上に、小花模様と金の渦巻き装飾を刻み込んだ、白い組み紐文からなる唐草模様の装飾がある。この縁には、単独に散りばめられた9つの石が、9つの小さなバラと交互に配置されている。バラは中央の石が周辺のより小さな石に囲まれる形であったが、周辺の石は失われてしまった。壺の下の透かし彫りの台座には、金一色の4人のトリトンが、金一色の4つの女性の顔と交互に、多色の果物の群像に隔てられて施されている。最後に、バラスターは、つや消しの金地の上にアラベスク調の装飾が施されているのだが、これは様相が非常に異なることから、おそらく他の品のために制作されたと考えられる。この台座は、リシャール・トゥータン(子)(1579年死亡)が制作した、ウィーンの《オニキスの水差し》に非常に類似している。ルーヴルの壺は、おそらくリシャール・トゥータン(子)が1570年頃に制作したものであろう。

出典

- ALCOUFFE A., Les Gemmes de la Couronne, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2001, p.80-83.

作品データ

  • リシャール・トゥータン(子)(推定)(台座の部分)

    紅玉髄の壺

    石:10-11世紀(?)台座:1570年頃

    旧マザラン枢機卿コレクション、19世紀にサン・クルー城に送付

    ビザンティウム(石)、フランス、パリ(台座)

  • 紅玉髄、ほうろう加工を施した金

    高さ24.6cm、幅16.5cm

  • OA 8

  • 工芸品

    ドゥノン翼
    2階
    アポロンのギャラリー
    展示室66

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

台座の裏に手書きの貼り札:341(線引)、SC2209(線引)、S.C.998(線引)、767