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作品 絵付け装飾された椀

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

絵付け装飾された椀

© 2001 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

紀元前前50年頃に現れた空中吹き込みの技術は、特に食卓に使われる容器の生産における、ガラス工芸にとって大きな技術革新を意味した。ニームで発見された椀は、そのエメラルド・グリーンの色から、ローマ人の色付きガラス食器への嗜好を示している。紀元後1世紀頃に制作されたこの作品は、エマイユの変質にもかかわらず、稀に見る色彩装飾を表している。この装飾はピグミーと鶴の戦いの場面を描いている。

吹きガラスの食器

このエメラルド・グリーンの色付きガラスの椀は、フランス南部のニームにて発見されたが、制作は紀元1世紀、イタリア北部と思われる。この作品は、紀元前50年頃に地中海の東側のローマ人ガラス工により開発された、空中吹きガラスの技法で制作された。この技術は今日実用されているものと同じである。融解したガラスを少量(ガラス玉)、1mほどの、中が空洞の鉄竿の先に取り、そのガラス玉が膨らむように竿の中に息を吹き込む。次にガラス玉は平らな表面(大理石)の上で転がされ、希望の形が整うまで色々な道具を使いながら加工される。この技術は全てのローマ帝国の地方に普及し、紀元後1世紀にガラス食器への嗜好が発展するのに貢献した。空中吹きガラスは早く安価な技法であり、日常使われる椀、ゴブレット、瓶、皿などを量産することができることもあいまって、ガラス食器の人気は飛躍的に高まった。

エマイユ加工の装飾

このガラスの外側は、人物のオレンジかかったピンク色と、武器と動物の脚にあたる黄色とオークル色の跡が少し残るのみとなった多色装飾により飾られていた。これら大いに変質した彩色は、大部分が消滅し、つやが消えた跡のみを残した。そのことから長い間この装飾は、エマイユが付着される前に彫版が施されていたと思われていた。しかしそれらの柄は、おそらく筆にて直接ガラスにエマイユをのせながら描かれた。そして次に、その色彩を定着させるため2回目の焼成が行われた。この作業は、ガラスが変形してしまう可能性があるため非常に難しいものであった。

ピグミーと鶴の戦い

この装飾は湿地で三匹の鶴と戦う二人のピグミーを表している。植物は彼らの間の地面に配置してある小枝にて示唆される。古代において、特にギリシアの壺にて頻繁に描かれた主題であったにもかかわらず、この椀に描かれている場面に相当する例は知られていない。冑を被り、槍と盾で武装したピグミーは、くちばしで突き抵抗する翼を広げた鳥に突進してゆく。

出典

Foy D, Nenna M.-D., Tout feu, tout sable. Mille ans de verre antique dans le Midi de la France, Musée d'histoire de Marseille, 2001, n 108, p. 91.
Arveiller V., "Le verre soufflé romain", Feuillet pédagogique du Musée du Louvre, 3, n 29, Paris, 1998.
Rütti B., Early enamelled Glass, 1991, p. 122-136.

作品データ

  • 絵付け装飾された椀

    後1世紀

    フランス、ニーム(ガール県)

  • 吹きガラス、絵付け装飾

    高さ6.5cm、直径8cm

  • 1858年、ペレ氏による寄贈

    S 2473

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ガラスの間
    展示室34

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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