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聖杯

© 1993 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
中世

執筆:
Muriel Barbier

この聖杯は、1653-1661年の間にマザラン枢機卿(1602-1661年)の所蔵品となり、そののち国王ルイ14世(1638-1715年)のコレクションにも加わった。作品は異なる部分が組み合わさってできている。脚部はファティマ朝(10-12世紀に北アフリカを治めたイスラム教徒の王朝)の瓶の首、上部はモザン様式(中世にライン川・ムーズ川流域に発達した美術様式)の聖杯、両者をつなぐ金具は17世紀初頭にパリで制作された。この水晶(ロッククリスタル)の聖杯は、17世紀の同素材に対する人気を示すものである。

瓶の首で作られた脚部

聖杯の脚部には、胴部が球形、卵形、または円筒形をしたファティマ朝の瓶の首が再利用されている。これとおそらく近い関係にあるファティマ朝の瓶が、ハルバーシュタット大聖堂、カプア大聖堂、そしてフィレンツェのサン・ロレンツォ聖堂の宝物室にも所蔵される。上下部は再利用のために研磨してある。現在は聖杯の脚部となったこの瓶の首を構成するのは、三重の刳形と山羊をモチーフとするフリーズである。この山羊は、ヴェネツィアに保存されるアル・アジズ・ビッラー〔ファティマ朝の第5代カリフ〕の名が刻まれた水差しの丸彫りの山羊、あるいは国立中世美術館〔クリュニー美術館〕が所蔵するムティエ大聖堂の小箱を飾る向かい合った山羊を想わせる。

再利用された聖杯

上部は13世紀にライン・ムーズ地方で制作された。脚部と同じく水晶でできた聖杯で、彫り、研磨とも巧みである。表面全体は装飾彫刻に覆われている。装飾は4つの唐草模様からなり、渦巻装飾の先端にはパルメットまたは星があしらわれている。底部にはひな菊のモチーフがやはり彫られている。同様の唐草模様は、マドリードのプラド美術館とロンドンの大英博物館が所蔵する壺にも見られる。パルメットと星の唐草模様で飾られたこれらの壺は、13世紀にライン・ムーズ地方で制作された一連の工芸品群に属する。

金具

このファティマ朝の工芸品は、山羊のフリーズに4つの穴が穿たれていることから見て、以前にも金具が取り付けられていたと思われる。聖杯の縁には図案化された葉模様のフリーズがあしらわれている。基部周囲にも縄状のモチーフでアクセントをつけた同じ葉模様が見られる。かつてのファティマ朝の瓶の首は、繊細な螺旋状刳形と溝を彫った鉤爪、そして葉模様のそれぞれのフリーズに一部を覆われ、これらを介してモザン様式の聖杯の脚部となり、両者は見事に一体化されている。

出典

- ALCOUFFE Daniel, Les Gemmes de la Couronne, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2001, p. 110-111 et p. 115.

作品データ

  • 聖杯

    石: 10世紀末-11世紀(脚部)、13世紀(上部)金具:17世紀初

    王室コレクション

    水晶:ファティマ朝美術・モザン美術

  • 水晶〔ロッククリスタル〕、銀に金鍍金

    高さ21.8cm、直径12.5cm

  • MR 296

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シュジェール
    展示室2

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

基部底面に鍍金された銀で刻まれた数字:138(1791年作成の目録番号)