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作品 職人長、書記、彫刻師イルティセンのステラ(石碑)

古代エジプト美術部門 : 日常生活の品々

職人長、書記、彫刻師イルティセンのステラ(石碑)

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
日常生活の品々

執筆:
Letellier Bernadette

アビドスで発見された石灰岩の大型ステラ。アビドスは中王国時代、オシリス神を祀った主要な巡礼地となった。人々はアビドス巡礼の際、この地にステラを必ず一つは建立したとされている。彫刻師イルティセンは、ステラの献辞に、それまでに成し遂げた自らの技術的な偉業について誇らしげに述べ立てている。これは、芸術について語られた、きわめて珍しいエジプト語の銘文である。

巡礼地のステラ

石灰岩でできたアーチ形の大型ステラは、中王国時代以降、重要な巡礼地であったオシリス神の聖地、アビドスで発見され,ヒエログリフ(聖刻文字)で書かれた15行にわたる長文で覆われている。信心深い人々は、生前の行いが良かった事を、死後、神に思い出してもらえるよう、自分の名前と記念の銘文を刻んだステラを、少なくとも一つはこの地に建立したという。銘文の下には、杖と笏を手に持ったイルティセンと妻のヘプウが、息子や娘、孫によって司られた葬祭儀式の供え物を受け取っている様子が描かれている。下段には、両開きの窓越しに、瓶に入った香油を嗅いでいるイルティセンとその横に座っている妻の姿が見えている。二人の前にある小円卓には供え物が食事として出されており、場面上方には、供え物が並んで刻まれている。また、椅子の下には、鏡が入った籠が置かれている。

ある職人の伝記

このステラに記された伝記の内容は大変珍しい。書記であるとともに職人であったイルティセンは、自らの多様な才能について誇らしげに述べ立てている。「私は、聖なる言葉(すなわちヒエログリフ)の意味や、儀式の習わしを知っている。全ての呪文について熟知しており、分からないことは何もない。その上、芸術的センスに長け、高度な職人的専門知識を身につけている。(彫像の)寸法を推計でき、身体を作る為に(必要なだけ)取り除いたり付け加えたりすることができる。歩いている男性の足、女性の物腰、11種類の猛禽類の姿、捕らわれた囚人のひきつった表情、寄り目も描くことができるし、敵の恐ろしい表情、狩人がカバを捕らえる時の腕の上げ方、走っている者の脚の動き、なども描ける。」

製作の秘密

「顔料を作ることができ、素材を焦がさずに火にかけて溶かすことができる。その上、水には溶けないようにすることができる。私と長男以外に、これができる者はいない。神は長男に、奥義を極める者になるよう命じた。というのも、長男が、金銀、象牙、黒檀など、全ての高価な素材を扱う仕事の長としての才能がある、と私は気が付いたからだ。」

出典

- Ägypten 2000 vor Chr. Die Geburt des Inviduums, catalogue de l’exposition, Berlin, 2000, p. 60-63, 179, notice n° 10.

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H.,  ZIEGLER C., L’Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 80-81, notice n° 28.

作品データ

  • 職人長、書記、彫刻師イルティセンのステラ(石碑)

    中王国時代、第11王朝、ネブヘペトラー・メンチュヘテプ2世治世下(紀元前2033-1982年)

    アビドス(上エジプト)

  • 石灰岩、彫刻

    高さ1.17cm、幅0.56cm

  • C 14

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    素材と技法 芸術家と職人
    展示室7

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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