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作品 背中で手を組んだ黒人青年

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

背中で手を組んだ黒人青年

© 1999 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

このブロンズの小像は、ヘレニズム時代そしてローマ時代にてとても高く評価されていた、黒人青年を背中で手を組んだ格好で模ったものである。エジプトのファイユーム地方にて発見されたこの小像は、前2世紀か前1世紀に制作されたものである。この青年奴隷の像は、アレクサンドリアで制作された、一風変わった主題を取り扱った作品群の内の一つであり、風俗、異国情緒、そして時にグロテスク、又は風刺が混ざった写実主義などの構図の人気を示している。

ヘレニズム時代のエジプトのブロンズ

1892年ルーヴル美術館が取得したこのブロンズ小像は、エジプト、ファイユーム地方のメンフィス付近にて発見された。表面のざらつきは、エジプト・ヘレニズム時代のブロンズ鋳金師独特の技術である、鋳造後の再冷却が行われなかったことを示している。このことからこの作品は、この地方において前2世紀から前1世紀に制作されたと推定できるであろう。

黒人青年

このブロンズの小像は、紐できつく縛られた手を背中で組んでいる黒人青年を表現している。奴隷か捕虜か、この青年は、精神的な苦痛を訴えるような、表現豊かな力を担い、複雑で曲がりくねった姿勢をとっている。上半身は荒々しく湾曲し、片方の腰を大きく前に出した姿勢で、コントラポストと苦痛が高ぶった体の曲折を描いている。この青年の頭を上げ、やや横を向いた姿勢は、鑑賞者に刃向かっているように見える。ブロンズ鋳金師は、はっきりと特徴付けられた、いくつかの顔の細部を彫刻することにより、この青年の民族を特徴付けるするのに力を注いだ。青年の髪型は短いカールした毛筋で模れ、額には深い皺が刻まれ、鼻はつぶれており、口には分厚いくちびるが付けられている。足と頭が反対方向を向いたことにより作品は立体感を与えられ、あらゆる方向から作品を鑑賞するよう、作品の周りを周回するようにさせている。

アレクサンドリアの工房の風変わりな主題

この小像は、ナウクラティスやアレクサンドリアなどの、ナイルの三角州にあったギリシア都市で発祥したと思われる、異国情緒に対する趣味を示す、独創的な作品となっている。ヘレニズム時代、彫刻家は風俗、そして時にはグロテスク、写実主義が加わった風刺などの一風変わった主題を特に好んだ。アレクサンドリアの工房は前3世紀から特に、老人、行商人、乞食、小人、背中の曲がった人物や他の人物などの、庶民を描いた小像の生産で有名であった。この拘束さられた青年奴隷の例に見られるような、様々な姿勢で表現された黒人の子供が模られた、日常的な題材から取ったブロンズやテラコッタの作品は多数存在する。これらの人物の民族的エキゾチスムにより、彫刻制作の要である装飾への配慮が誇張される。特に帝政時代末期までの古代ローマ時代に高く評価された黒人肖像は、ブロンズや色付き大理石の彫刻に好都合な習作の題を、芸術家に提供していた。

出典

- ROLLEY Cl., Les bronzes grecs, Paris, 1983, p. 212, fig. 192.

作品データ

  • 背中で手を組んだ黒人青年

    前2世紀から前1世紀

    メンフィス付近、エジプト

    エジプト

  • ブロンズ、無垢鋳

    高さ13.2cm

  • 1892年購入

    Br 361

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    1階
    ミロのヴィーナスのギャラリー
    展示室13

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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