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作品 蛇を模った弓形フィブラ、通称「チウジーのフィブラ」

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : エトルリア美術(前9-前1世紀)

蛇を模った弓形フィブラ、通称「チウジーのフィブラ」

© 2005 Musée du Louvre / Erich Lessing

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
エトルリア美術(前9-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

チウジーで発見されたこの黄金のフィブラは、東洋化時代エトルリアの金銀細工師が達した高度な技術の例外的な証明である。これは、エトルリア南部、とりわけこの留め金が製作されたと思われるカエレにてとても人気があった、粒状装飾の技術により描かれた幾何学模様により豊かに装飾されていた。留め金の覆いは、アラタ・ヴェラヴェスナとマムルケ・トゥルシキナの2人の上流階級者の間の贈物を記念する、今日知られるエトルリア最古の献辞のうちの一つが見受けられる。

東洋化の時代のエトルリアの金銀細工

この黄金のフィブラは、トスカーナ地方のチウジー近くのカステルッチオ・ディ・ピエンザの墓にて、19世紀中頃の少し前に発見された。これは、ナポレオン3世のカンパーナ侯爵コレクション購入後の1863年に、ルーヴル美術館に蒐集された。蛇を模った弓状の部分と長い覆いをもつこの留め金は、男性衣装の衣服のすそを固定するために使用された。これはおそらく、旧チェルヴェテリであるカエレにて、前7世紀後半に製作された。その時期、金銀細工師は、鉱脈の探査から得られたエトルリア人の力強い経済にその一端を帰す、多大な飛躍を成し遂げていた。この飛躍はまた、顕著な贅沢への上流階級者の嗜好に担っている。装身具の豊富さは、東洋化の時代の墓の埋葬品のなかにも見受けられた。チウジーのフィブラは、どちらかというと他に例の無い一品のように見える。それは、近東より取り入れられた技術に秀でた金銀細工師の技量を反映した、その装飾の豊かさと、そこに記された刻字により、二つの例外を持ち合わせている。その装飾は、エトルリア南部、特にカエレにてとても人気のあった、粒状装飾の技術による幾何学模様により描かれた金製の極小の粒にて構成されている。

上級階級者の間の贈物を記念する献辞

覆いを装飾する銘文はまた、粒状装飾にて書き写されている。それは前700年頃、この地方に文字が出現して以来、現在保存されている最古のエトルリアの銘文のうちの一つである。エトルリア語は未だにいくつか不明な点が存在する。しかしながらその文字は、ギリシアのアルファベットの文字を取り入れているため、容易に解読することができる。この品はアルカイック時代の習慣に習い自ら語っている。「mi arathia velasvenas zamathi mamurke mulvanike tursikina」は「私はアラタ・ヴェラヴェスナのフィブラ、マムルケ・トゥルシキナが私に与えた。」と訳される。この献辞は上流階級社会に広く普及していた、贈物の慣習を想起させる。チウジーの領域の特徴を持つこの文字の書記法は、このフィブラがエトルリア南部のこの大型都市出身の発注者の依頼により、製作されたことを示している。

家族団体の重要性

マムルケ・トゥルシキナ(発注者)とアラタ・ヴェラヴェスナ(受け取り主)の2人の上流階級者の名は、個人の名に代わる、名と氏の2つの構成要素の固有名詞のより頻繁になる形式の使用を証明している。この形式は、ローマの3要素(プラエノーメン、ノーメン、コグノーメン)の体系を予兆し、家族団体の重要性を強調する。この場合トゥルシキナの名はエトルリア人民(ギリシア語でティルセノイ、ラテン語でトゥスキ)への個人の民族的所属を示す。ハリカルナッソスのディオニュシオス(『ローマ古代誌』1巻、30章、3節)によればエトルリア人は、「都市に属するもの」という意味のラゼンナの名にても区別された。

出典

- CRISTOFANIi M., MARTELLI M., L'or des Etrusques, Paris, 1997.

- DORE Anna, MARCHESI Marinella, MINARINI Laura (sous la dir. de), Principi etruschi : tra Mediterraneo ed Europa, catalogue de l'exposition,  Bologne, Museo civico archelogico, 1er octobre 2000-1er avril 2001, Venise, Marsilio, 2000, p. 32, p. 308 et pp. 324-325, n 439.

- HEURGON Jacques, "Recherches sur la fibule d'or inscrite de Chiusi : la plus ancienne mention épigraphique du nom des Étrusques", Mélanges des Écoles françaises de Rome et d'Athènes, vol. 83, 1971, pp. 9-28.

- HOLTZMANN Bernard, MOHEN Jean-Pierre, POURSAT Jean-Claude, ROUVERET Alain et al., L'Art de l'Antiquité. 1. Les Origines de l'Europe, Gallimard, Éditions de la Réunion des musées nationaux, coll. "Manuels d'histoire de l'art", Paris, 1995, pp. 322-323.

作品データ

  • 蛇を模った弓形フィブラ、通称「チウジーのフィブラ」

    前7世紀後半

    カステルッチオ・ディ・ピエンザ、チウジー、イタリア

    カエレ(?)、旧チェルヴェテリ、エトルリア南部(イタリア)

  • 槌打ち、切り取り、溶接、彫刻、粒状装飾された金と金箔

    高さ2.16cm、幅11.10cm

  • 旧カンパーナ侯爵コレクション、1861年購入

    Bj 816

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    エトルリアII
    展示室19

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

針の覆いにエトルリア語で献辞:mi arathia velavesnas zamathi mamurke mulvanike [またはmulvenike] tursikina、((私は)アラタ・ヴェラヴェスナのもの(フィブラ)、マムルケ・トゥルシキナが私に与えた。)