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装飾板:悲しみの聖母

© 2010 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
17世紀

執筆:
Sophie Baratte

この楕円形の大型メダイヨンは、ボルティモアのウォルター美術館所蔵の《エッケ・ホモ》(この人を見よ)と対になっている。中世末期の伝統的な祈念用の品だが、枠にはルネサンスの精神が現れている。16世紀初頭のリモージュにおける最高のエマイユ職人の傑作であり、この人物はロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館所蔵の三連板にちなんで名づけられている。

嘆きの聖母

聖母は金文字の入った飾紐が縁取る大きな青いマントに身を包み、頭には白いヴェールをまとっている。ヴェールの一端は、小さな銀箔の上に小玉状の半透明エマイユを飾った黒い身頃を横切っている。長くてほっそりした手は祈りのために合わされている。顔はやつれ目は涙で赤くなっており、その涙の粒がいくつか見える。青を地として、金の放射状の後光が聖母の姿を囲んでいる。枠は二重で、2本の白線で縁取られている。内側の枠には、金文字で書かれた聖母の祈りの痕跡がみえる。外側には、葉と果物であふれる豊饒の角を担いだアモルが並んでいる。裏面のエマイユは暗い青色である。

エマイユ・パン(無線七宝)の始まり

15世紀末のリモージュで、エマイユ・パンの揺籃期に活躍したエマイユ職人の名は、ナルドン・ペニコーを除いて知られていない。ロンドンの三連板には、ロワール川沿岸に置かれていた宮廷とこのエマイユ職人との密接な関係が現れている。このエマイユ職人はエマイユ・パンの技法を美術のために完璧に使いこなし、そこには宮廷画家ジャン・ブルディションやその《アンヌ・ド・ブルターニュの大時禱書》との繋がりが明らかである。三連板の翼に描かれた歴史上の人物から、この作品が1500年頃に制作されたことが判明する。
この装飾板は、1927年にニューヨークのある展覧会に出品されるまで知られていなかった。一方これと対をなす《エッケ・ホモ》は、1903年にパリで売りに出された。両作品のそれ以前の来歴は不明である。

軽度の劣化

エマイユは白い層の上に置かれているため、色彩がやや明るく見える。下絵は白地に暗色の線で施され、その上に各色のエマイユがかけられている。青色など、色によってはカリウムの含有量が高いために劣化が認められる。

作品データ

  • ルイ12世の三連板の親方とされる

    装飾板:悲しみの聖母

    16世紀初頭

    リモージュ

  • 銅地にエマイユ・パン(無線七宝)、銀箔

    高さ30cm、幅21cm

  • 1989年に取得

    OA 11170

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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