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詩的な世界

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
イタリア絵画

執筆:
François Aline

二人の青年のうち一人は袖の膨らんだ赤い衣服を身に着けてリュートを奏で、もう一人の男性は金髪で裸足のまま簡素な衣服をまとい、二人は日暮れの光に満ちた谷間の多い風景の中心に座っている。青年は二人の裸婦に囲まれている。一人は離れた所に立って噴水に水を注いでいる。背中を見せて座るもう一人の女性は笛を吹いている。背景の木立の下では羊飼いが羊の群れを見張っている。裸婦たちの横で会する服を着た二人の男性らは、複雑な意味を示唆している。ティツィアーノはおそらく、一方ではヴェネツィアの貴族階級、もう一方ではニンフと羊飼いというように、二つの世界を対比させたかったのであろう。二つの世界の間に言葉は交わされていない。彼らの交流は音楽を通してなされているのである。

田園風景

晴朗な風景に囲まれた音楽という主題は、「詩」の寓意、あるいは一つの詩か伝説を表しているものと考えられる。ティツィアーノは風景に高い重要性を与えており、風景を単なる背景としてではなく、魂のある一つの状態の反映として用いるのである。均衡性の追求が、風景に溶け込んだ人物像に表れ出ており、そこでは人間と自然とが完璧な調和のなかにあらねばならない。こうした観念は、ウェルギリウスによりその《田園詩》の中で体系化されたアルカディアの神話を想起させる。このテーマは、1504年ヴェネツィアにおいて、ナポリの詩人ヤーコポ・サンナッツァーロによって取り上げられ、そこで詩人は、もっぱら歌と音楽に明け暮れるアルカディアの羊飼いたちの幸福な生活を語っている。

ジョルジョーネとティツィアーノ:師と弟子

この絵画の作風と構想は、ティツィアーノの若年期の画風をよく示している。一方で、作品は長い間ジョルジョーネの作とされていた。二人の画家の共同制作がもっとも緊密になったのは1509年頃のことであり、そのために、二人のうちどちらの作であるかの識別が困難となっているのである。ジョルジョーネが1510年にペストで死去した際、ティツィアーノはヴェネツィアでその唯一の後継者と見なされていた。師の個人的な客の依頼のため、若き画家はまさに適任の後継者となったのである。この絵画の作者については、時代を替えいくども論議された。最初ルイ14世コレクションに属していた際にジョルジョーネの作と見なされたこの絵は、その後、代わる代わるベッリーニ、パルマ・イル・ヴェッキオ、セバスティアーノ・デル・ピオンボの作とされ、次いで師弟二人の画家による合作とされた後、数々の論争はあるものの、最終的にティツィアーノの作とされている。フランスのコレクションに収蔵される以前の作品の由来は未だ判っていない。

かつてジョルジョーネの作とされていた《田園の奏楽》は、今日ティツィアーノの若年期の作品と考えられている。この絵画はおそらく「詩」の寓意であり、その象徴である笛と注がれる水を、理想美をもって描かれた二人の裸婦がそれぞれ手にしている。これら非現実の女性の姿は、彼女らに霊感を呼び起こされた二人の男性の想像の中にのみ存在しているのだが、それは、16世紀初頭のヴェネツィアにおいて広まっていた、眼に見えるものと見えないものとを同時に表現することへの嗜好に適ったものなのである。

L'exécution et la conception de ce tableau illustrent le style de jeunesse de Titien. Pourtant, le tableau a longtemps été attribué à Giorgione. C'est vers 1509 que la collaboration entre les deux artistes est la plus étroite, d'où cette difficulté à distinguer les deux mains. Lorsque Giorgione meurt en 1510 de la peste, Titien apparaît le seul successeur possible à Venise. Face à la demande de la clientèle privée du maître, le jeune peintre devient l'héritier tout désigné. L'attribution de ce tableau a été discutée à différentes époques. D'abord considérée comme un Giorgione dans la collection de Louis XIV, l'oeuvre est attribuée tour à tour à Bellini, Palma Vecchio ou Sebastiano del Piombo, puis devient le fruit d'une collaboration des deux artistes pour être désormais, malgré quelques controverses, rendue à Titien. On ne connaît pas la provenance du tableau avant son entrée dans les collections françaises.

作品データ

  • ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、通称ティツィアーノ (ピエーヴェ・ディ・カドーレ、1488/1490-ヴェネツィア、1576年)

    詩的な世界

    1509年頃

  • 画布に油彩

    縦1.05m、横1.37m

  • 1671年、ルイ14世コレクション

    INV. 71

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    国家の間
    展示室6

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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