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作品 赤像式ルトロフォロス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Sophie Marmois-Sicsic

このルトロフォロスの圧倒的な大きさと、多色の加筆された赤像式のその装飾の豊かさは、紀元前4世紀後半のアプリア地方の画家たちの技術の高さを証明している。「装飾的な様式」のこの傑作品は、その正面がナイスコスへの奉納の場面で装飾されている。故人は神殿の形をしたこの建物に描かれ、奉納品を持った複数の若い人々に囲まれている。

ルトロフォロス

ルトロフォロスは液体を収納し、運搬するための蓋の閉まった容器である。その名は、ギリシア語の「風呂の水を運ぶ者」を意味する、ロウトロン(風呂)とフォロ(運ぶ者)に由来する。この長細い形の大型アンフォラは、結婚式や葬式のときの禊の儀式の水を収納し、独身で亡くなった人物の墓の場所を示すものである。ルトロフォロスは、紀元前7世紀にアッティカ地方で出現した。その役割と装飾は、死者の世界と女性社会に関連したものである。その形は、数世紀の間に発展し、ますます長細い均整を成すようになった。紀元前4世紀中期よりアプリ地方でのみ二つの種類のルトルフォロスが区別されるようになる。その型は、これまでアッティカ地方の工房で制作されていたものとは大きく異なる。第一種は卵形の胴をもち、第二種は内面と胴がくぼんでいる。ルーヴル美術館の大型ルトロフォロスは、その大きさ(92.5cm)と、その渦巻き装飾が付いた把手により加工された装飾により、強い印象を与える。この作品はその第一種に当たる。蓋は、葉の形をし、その上にはつまみが付き、壺の口を覆いかぶす。壺の巨大さは、紀元前4世紀後半のアプリア生産の特徴であり、把手の配置の複雑さは陶工の妙技を証言している。ルトロフォロスの葬祭での役割は、ナイスコスでの奉納の場面などの死者の世界に関連する、描かれた装飾の選択にても定義される。

ナイスコスへの奉納の場面

構成の中央には、故人と女中の肖像画が存在する小さな神殿の形をした建物、ナイスコスが立っている。この主題は、紀元前4世紀第2四半世紀よりアプリア陶器のなかで普及されていった。壺に白色で描かれたナイスコスは、実際には大理石や化粧漆喰を塗った石炭岩で建てられた小型神殿を再現した。イオニア式円柱のこの建物は、頂と角の上にパルメットをもつペディメントを持ち合わせている。その内側には、故人が白いレチュトスに肘を付き、右手に握った把手付きの鏡のなかの自分を憂鬱そうに見つめている。彼女は白いキトンと紫のヒマティオンを着用している。彼女の正面にいる若い女中は、閉まった化粧小箱、扇、女性装身具のアクセサリーを差し出している。ナイスコスの周りの奉納品を持つ者達は、三段に渡って描かれている。そこには、化粧小箱、壺、リボン、または木琴のようなものと判断される梯子のような形の物を差し出す座った姿勢または立った姿勢の女性達と、冠をもった若い男性がいる。伝統的に葬祭用建造物の周りに描かれたこれらの若者達は、その存在と奉納品より故人のあの世に付き添うように思われる。

アプリアの「装飾的な様式」

このアプリアの「装飾的な様式」は、複数の傾向により特徴付けられる。一つは、これらの壺が、ルーヴルMNB1148の画家の名祖ルトロフォロスが証明するように、圧倒的な大きさに達し、その役割は、ますます小型建造物に類似する大きさに達した事である。それに、極めて繊細に描かれた付属的装飾と、浮き立たせられた多彩な色彩(白、黄色、紫)が、壺の異なった部分を覆うことである。ルーヴルMNB1148の画家は、紀元前4世紀の第3四半世紀の画家である。その能力は、ドゥリウスの画家、地獄絵の画家などの同時代の者たちに匹敵する。彼は、その形と主題の選択(葬祭や神話)より傑出した複数の壺を制作した。

出典

- DENOYELLE Martine, Chefs d’œuvre de la céramique grecque, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1994, p. 172, n° 81.

- Feuillet pédagogique n° 3/21

Bibliographie de l’objet :

- TRENDALL A.D., "An Apulian Loutrophoros", in Greek Vases in The J.Paul Getty Museum, 2, 1985, p. 142, 143, fig. 16.

作品データ

  • ルーヴルMNB1148の画家

    赤像式ルトロフォロス

    紀元前340年から330年頃

    イタリア地中海に由来

    アプリア(ターラント?)

  • 陶土、赤像式

    蓋を抜いた壺の高さ:92.50cm、蓋の高さ8.21cm、全体の高さ:100.71cm、幅28cm、直径23.30cm

  • ピノ・コレクション、1876年購入

    K 77, Loutrophore, scène funéraire, Apulie

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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