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作品 透かし彫りの装飾板 《子供を指差すキリスト》

工芸品部門 : 初期中世

透かし彫りの装飾板 《子供を指差すキリスト》

© Musée du Louvre / Objets d'Art

工芸品
初期中世

執筆:
Bardoz Marie-Cécile

ルーヴル美術館は、「マクデブルクの象牙細工」という一連の装飾板から2点を所蔵している。装飾板は全部で16点からなり、おそらく968年、マクデブルクのザンクト・マウリッツ修道院が司教座に選出された際に、神聖ローマ皇帝オットー1世(973年死去)から同修道院に贈られた。2点の装飾板は様式が異なり、オットー1世のために同じ工房で働いていた別々の職人の手で制作されている。

珍しい図像

場面は、十字架形の透かし彫りを背景としている。中央の子供を数人の人物が囲んでいるが、その1人、光輪をともなったキリストはやや子供の方にかがみ、使徒たちに向かってその子を人差し指で示している。使徒の中には聖ペテロが認められる。場面は新約聖書を出典とするが、ほとんど知られておらず、中世の図像表現に登場することも稀である。ここでは、キリストが1人の子供を使徒たちの間に呼び寄せ、言い聞かせる。「心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。」(マタイによる福音書18章1-16節;ルカによる福音書9章47-48節)

「マクデブルクの」象牙作品群

本作品の力強い起伏、幾何学的な形体、まとまりのよい構成を見ると、これが一連の「マクデブルクの」象牙細工の一部であることがはっきりする。この作品群は、皇帝オットー1世からザンクト・マウリッツ修道院に贈られたなんらかの記念碑的な作品を飾っていたもので、そのうち16点が現存する。おそらく968年、ザンクト・マウリッツ修道院が司教座に選出された際に贈られたものである。これらの装飾板は、アンテペンディウム〔祭壇飾り〕、司教座あるいは内陣障壁の扉の一部だったのだろうか。本来の役割は依然として不明である。いずれにせよ、その記念碑的な作品は11世紀初めに早々と解体されてしまった。本作品とルーヴルが所蔵するもう1点《パンと魚の増加》を比較すると明らかなように、装飾版には複数の職人の手が見分けられる。
実際、マクデブルクの象牙作品群は、9世紀後半にメスの象牙細工から受けた影響を総括するものである。その影響は、がっしりした人物像やロマネスク美術特有の顔立ちに現れている。同様の影響が11世紀末のトゥールーズの彫刻にも見られ、工芸品が彫刻家の基本的な着想源として役立っていたことをはっきり示している。

出典

- GABORIT-CHOPIN Danielle, Nouvelles acquisitions du département des Objets d'art (1990-1994), Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1995, notice 17.

-GABORIT-CHOPIN Danielle, Les Ivoires médiévaux, Catalogue des collections du département des Objets d'art, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, n 47, 2003.

作品データ

  • オットー1世の宮廷付き工房

    透かし彫りの装飾板 《子供を指差すキリスト》

    968年頃

    来歴:マクデブルク大聖堂;ハレ宝物室;1909年以前はボンの商店;V.マルタン・ル・ロワ・コレクション旧在

  • 象牙

    高さ12.8cm、幅11.9cm、厚さ8mm

  • J.-J.マルケ・ド・ヴァスロ1993年1月27日の法令に基づき収蔵

    OA 6310, OA 11372

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シュジェール
    展示室2

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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