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通称「ユーグ・サンバンの」戸棚

© 2011 Musée du Louvre / Philippe Fuzeau

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

この、非常に建築的な要素を取り入れ、浅浮き彫り、丸彫りと塗装を施したパネルを組み合わせた装飾の戸棚は、しばしば建築家で装飾工のユーグ・サンバン(1520年頃‐1601年)の作であるとされてきた。たしかに装飾要素のいくつかは彼の建築集から着想を得ているようにみえるが、とくにフォンテーヌブローのもののような他の典拠も、この16世紀の家具に非常に典型的な家具の制作に役立ったはずである。

16世紀の戸棚

元来この戸棚は、16世紀にそれが一般的であったように、2体から構成されていた。いつかは定かでないが、修正が加えられ、1体のみで形成されるようになったが、昔の組み立ての跡が今でも識別できる。正面は3体の胸像柱から構成されている。中央のものは女性の胸像柱で、その台座には花と果物の垂れ飾りが施されている。右と左の胸像柱は男性で、円筒状の柱身に、葉と花をつけた唐草模様が彫られた台座に載せられている。3体の胸像柱は花の籠の形をした柱頭を髪に飾っている。彼らは、2枚の彫刻を施された開き戸の、境界になっている。上部には壁がんがあり、右にはヘラクレス、左にはヴィーナスとアモルが中に彫られている。下部では、開き戸には2つの場面が描かれている。ひとつは人類の創造、もうひとつはカインによるアベルの殺害である。この戸棚の仕切りで細かく分けられた構造や、浮き彫りの変化や、塗装されたパネルがもたらす多色使いを駆使した彫刻は、16世紀末期とルネサンス期全般の家具の特徴を表わしている。

ユーグ・サンバンの作品とされる理由

この戸棚は、ディジョンの有名な建築家で装飾工のユーグ・サンバン(1520年頃-1601年)の作品であるとされてきた。サンバンは指し物職人でもあり、『建築で使用する胸像柱の作品集』(1572年、リヨン)を出版した。この戸棚の3体の胸像柱はこの作品集の版画にあるものや、サンバンがディジョンの裁判所に制作した装飾(1582-1583年)に非常に似ている。これら類似点にもかかわらず、このルーヴルの戸棚をサンバンの作品であると確認する材料はない。また、塗装を施されたパネルは、サンバンと共に仕事をしていた、ディジョンの画家兼ガラス工、エヴラール・ブルダンの作であるとされる。その根拠は、ディジョン美術館の彼の署名入りの2枚のパネルと、ブザンソンのグランヴェル宮殿美術館に保存されている、1581年制作の、飾り戸棚を飾る一連の絵との類似点である。

フォンテーヌブローの影響

この戸棚には、フォンテーヌブロー一派というまた別の影響が見受けられる。そのうえ、サンバンは1544年にフォンテーヌブローに滞在している。左の開き戸の壁がんの中に配置されたヘラクレスの像は、『壁がんの中の神々』の連作の『ウルカヌス』から派生している。『壁がんの中の神々』は、もとは画家のロッソ・フィオレンティーノが描いたものを、1526年にカラーリィオが版画にし、1530年からビンクが複製し、さらにアンドゥルエ・デュ・セルソーが1540年以降に写本した。それらの挿絵は、とくに1565年から1600年頃にかけて、装飾芸術の分野でおおいに使用された。

出典

Exposition Parures d'or et de pourpre : le mobilier à la cour des Valois, Blois, 2002, pp. 132-135.

Thirion Jacques, Le mobilier du Moyen Âge et de la Renaissance en France, Dijon, Editions Faton, 1998, pp. 94-95.

Alcouffe Daniel, Dion-Tenenbaum Anne, Lefébure Amaury, Le mobilier du musée du Louvre, t. 1, Dijon, Editions Faton, 1993, pp. 34-37.

作品データ

  • 通称「ユーグ・サンバンの」戸棚

    1580年頃

    フランス

  • 部分的に金鍍金、塗装を施されたくるみ材、オーク材

    高さ2.06m、幅1.50m、奥行き0.60m

  • 1961年、アルコナーティ・ヴィスコンティ侯爵夫人の寄贈

    OA 6968

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    アルコナーティ・ヴィスコンティ
    展示室29

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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