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作品 闘士

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

闘士

© 1997 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

ヘレニズム時代の闘士のブロンズ群の伝統に着想を得た、オータンで発見されたこの小ブロンズ像は、ローマ世界におけるパンクラティオンの人気を示している。 拳闘と違いこの競技は素手で行われる。ブロンズ鋳造師はこの競技者が激しい蹴りを相手に与えていると同時に、バランスを立て直すために上半身を後ろに反らしている瞬間を捉えた。故意に誇張されたこの作品の肉づきは、戦いの辛辣さをよりよく語っている。

オータンの闘士

この力をふりしぼる戦士を表現した小ブロンズ像は、ソーヌ・エ・ロワール県にあるオータンで発見された翌年の1870年、ルーヴル美術館に取得された。闘士は、右足に重心を置きながら激しい蹴りを相手に与えると同時に、バランスを立て直すため上半身を後ろに反らし腕を広げている。このアクロバティックな姿勢は、鑑賞者に、闘士の活力あふれる表情、筋肉の収縮、勝利への欲求、そしてすでに反撃の準備ができている彼の握り締めた拳など、微妙な細部の表現を堪能するため、作品の周りを巡回させることを促す。ブロンズ鋳金師は、長時間の厳しい鍛錬の跡が見られる、この男性の堂々たる筋肉を独自の創造性で表現した。頭は他の体の部分に比べ比較的小さく見える。突き出た大きな耳が付いた腫れた顔には、多くの戦いの傷跡がある。髪型は、髪を引きつめ頭の上に一束にまとめた、東方又はエジプト出身のプロの闘士のものである。この髪束はキルスと呼ばれ、この小像を重石として使うためだったのか、輪の形に変形されている。

パンクラティオンの実践

闘士は、格闘とボクシングを合わせた、とても荒々しい闘技であるパンクラティオンを行っている。これはクノッソスの迷宮でミノタウロスと戦った際に、テセウスによって考案されたものである可能性がある。この競技は闘士が革の細長い帯を拳に巻く拳闘と違い、素手で戦うものである。試合には制限時間はなく、油か水で湿らせた地面の上で立った姿勢又は地面に横たわった姿勢で行われる。噛み付きと不正行為以外はどんな攻撃も認められ、相手を打ちのめすのが目的である。

ヘレニズム伝統の伝承

おそらく紀元1世紀にガロ・ロマンの工房で作られた、このオータンの小像は、古代ローマ世界でのパンクラティオンの人気を示している。しかしこの格闘の主題は、そのずっと以前からブロンズ小像と同じく陶器の分野にても、芸術家たちに着想を与えていた。ルーヴル美術館の小像はヘレニズム時代の闘士のブロンズ群の伝統に属するものである。過度な筋肉、ほとんど戯画に近い容貌の描き方などから、この小像は前2世紀から1世紀にかけてエジプトで発祥した、ブロンズ像の日常的な主題より着想を得た。そのなかでも特に、グロテスクな人物と写実的表現が隣り合わせになっている、アレキサンドリアの工房から産出される作品に着想を得た。闘士は大抵の場合二人組みで表わされ、ルーヴル美術館に保存されている別のブロンズの闘士(Br 366とBr 4441)のように、それらは体をぶつけ合う試合に身を投じている。

出典

- Autun, Augustodunum : capitale des Éduens, catalogue d'exposition, Autun, Hôtel de Ville, 6 mars-27 octobre 1985, Autun, musée Rolin, 1987, pp. 308-309, n 628.

- Le stade romain et ses spectacles, catalogue d'exposition, Lattes, Musée archéologique Henri Prades, 4 juin-20 octobre 1994, Lattes, 1994, pp. 207-208, n 42, pl. 222.

作品データ

  • 闘士

    紀元1世紀(?)

    オータン、古代のアウグストドゥヌム、ローマ属州ルグドネンシス、フランス

    ガリア、ルグドネンシス(?)、フランス

  • ブロンズ、空洞鋳

    高さ27.30cm

  • 1870年購入

    Br 1067

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ブロンズの間
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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