Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>隙孔付半円球型日時計

作品 隙孔付半円球型日時計

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

隙孔付半円球型日時計

© 2000 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

ルーヴル友の会より寄贈されたこのローマ帝政時代の日時計は、光を通す小穴が付いた半円球型の希少な例である。内側は日光により示される月と日時を知らせるギリシア文字と曲線が刻まれている。この日時計は共和制時代末期より高級ローマ食器で人気を博したスキフォス(茶碗方陶器)の壺の形をしている。その内側は実をつけたどんぐりの枝で飾られている。

高級食器より着想を得た形と装飾

この日時計はスキフォスのように、共和制末期から紀元後1世紀までの間、高級ローマ食器で人気を博した壺の形で表現されている。ルーヴル美術館に保管されているボスコレアーレの銀食器の至宝はこれに類似した例を挙げている。両脇にそれぞれ取っ手があり、内側の底に同心円を描く刳形で装飾されたこの大理石の器は、実をつけたどんぐりの枝などの、内側に彫られた植物装飾により金属製の器の例にも類似する。装飾は、内側に開けられた丸い孔と土台に固定するための太いほぞ差しにより中断されている。

日時計のしくみ

文字盤はこうして垂直に固定され、表面は観察者の方向に向けられ、孔は空に向けられる。器の内側は、時に省略文字も含まれるギリシア文字により示される曲線網が刻まれている。それはローマ暦の日付を書き写している。最も幅広の線は夏至(ローマ暦で6月24日)にあたり、最も狭いものは冬至(同じく12月25日)にあたる。長いものは夏を表し短いものは冬を表すこの曲線を分割する11本の扇状の線は、ローマ人の一日を構成する12時間の長さを刻んだものだ。器に開口された孔を通る日光は、その位置が日時を示す光点を、器の内側に反映させる。この光点は、今日失われた孔が開けられたブロンズ板により、より凝縮されたものであったに違いない。この時計は緯度41度の場所に定められていた。もしこの作品が、緯度が41度より低いカルタゴに由来するものなら、どこからか転送されたものと考えられる。

作品の類型学と製作年代

1世紀ウィトルウィウスによって執筆された『建築十書』の第9書は、古代日時計に関する我々の知りうるところの、重要な資料とされる。彼はこの器具の多様なモデルのリストを作成したが、これらの情報は漠然としたもので、ルーヴル美術館の作品がどのタイプのものにあたるか判断するのは難しい。器の内側に張り巡らされた複雑な網の目は、ウィトルウィウスがアラクネ(蜘蛛)と命名した文字盤を思わせる。彼は、この文字盤を4世紀に天文学者エウドクソス・クニドスが発明したものとしている。1999年ルーヴル友の会の厚意により収蔵されたこの日時計は、より確実にはスカフェ(ギリシア語動詞のskaphein=「掘る」)と呼ばれる、よく知られた種のうちのひとつであるか、もしくは日光を通す孔を付けた半円球の日時計であるといえよう。器の形、装飾の様式、ギリシア文字の記載事項から、1-2世紀の間の帝政時代の作品と推定される。文字盤に刻まれた8月の名称「アウグストゥス」は文字盤制作の時代的境界を示唆している。というのもロムルス暦のセクスティーリス(8月)は紀元後8年に、アウグストゥス帝に敬意を表して改名されたからだ。

出典

Savoie (D.), Lehoucq (R.), "Etude gnomique d'un cadran solaire découvert à Carthage", in Revue d'Archéométrie, 25, 2001, p. 25-34
Pasquier (A.), "Un cadran solaire d'exception pour le département des Antiquités grecques, étrusques et romaines. Un don des Amis du Louvre", in Revue du Louvre, 2000, 3, p. 13-15, fig. 1-3
Pasquier (A.), "Du soleil dans une coupe : une nouvelle horloge romaine au Musée du Louvre", in Comptes rendus des séances de l'année de l'Académie des inscriptions et belles-lettres, 2, 2000, p. 643-655

作品データ

  • 隙孔付半円球型日時計

    1-2世紀

    カルタゴ(?)にて発見

  • 浅浮彫、彫版、大理石

    高さ30cm持ち手を含む直径73cm

  • 1999年、ルーヴル友の会寄贈

    N° d'entrée MNE 1178 (n° usuel Ma 5074)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術 ユリウス=クラウディウス朝I アウグストゥス帝とティベリウス帝の治世 紀元前27‐紀元37年
    展示室23

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する