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作品 雌ネコ

古代エジプト美術部門 : ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

雌ネコ

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

執筆:
Aït-Kaci Lili

格調高くかつ毅然とした姿のこの雌ネコは、末期王朝時代(紀元前664-332年)の夥しい数に及ぶ奉納品の一つで、バステト女神の加護を願う奉献者によって、バステト神殿に奉納されたものである。サイス時代のブロンズ鋳造師の、名人の域に達した技術は称賛に価する。洗練されたシルエットや極めて滑らかな仕上げによって、この飼い猫に太陽神の娘、家庭の守護神バステトの尊厳な雰囲気を与えることに成功している。

聖なる動物

動物の姿で表されたバステト女神は、格調高い厳かなポーズで座っている。目には色付きガラスの象嵌細工が施され、前脚は揃えて伸ばし、尾は猫が載っている台座の上に柔らかい線を描いている。この彫像を構成するフォルム、線、構図は洗練化され、作品に尊厳さと力強さを与えている。円筒状のビーズでできた首飾りには太陽円盤を戴くネコ科の動物の頭部を模した胸飾りが吊り下げられ、頭上には、スカラベの図像が刻まれている。

バステト

本来バステトは、太陽神と結びつけられ、その破壊力を具現化した雌ライオンの姿をした女神であった。その後、紀元前1千年紀初頭になると、バステトはおとなしい雌猫の姿としても表されるようになり、多産と家庭の守護神と見なされるようになった。様々な素材で作られたバステトの小像は、母猫の周囲で子猫がじゃれている様子や、子猫に乳を与える場面など、甲斐甲斐しく世話を焼く母猫の姿で表されている。バステト信仰は、紀元前10世紀に、第22王朝の本王宮がデルタ地帯にあるバステトの町、ブバスティス(ペル・バステト=バステトの家)に造営されるようになってからさらに優遇されるようになった。
毎年この町では、ナイルの氾濫を祝う贅を尽くした祭りが行われていた。その祭りの一部始終を観察したヘロドトスは、次のように述べている。「この祭りに集まる大勢の信者が、この期間に飲む干すワインの量は、一年の残りの期間に飲む量を上回る程である。」紀元前1千年紀には、バステトは、エジプト全土、とりわけメンフィスで厚く崇拝されていた。信者が参拝していたバステト信仰の聖地のいたるところから、夥しい数のブロンズ製の奉納品が発見されている。

年代が特定された奉納品

この彫像は、末期王朝時代に作られた金属製の作品の中で、年代が最も正確に特定されている作品の1つである。台座の周囲には、第26王朝の初代の王、プサメティコス1世のカルトゥーシュがある銘文が2つ刻まれており、これはハトホル、イシス、バステト女神が付ける聖なるメナト首飾りの後ろ側に垂れる錘にも刻まれている。この銘文には、ホルの息子であるメルソプドゥという人物が、女神の加護を得るためにバステトに奉納した品で、バステト女神に仕える舞踏家・神官であったジェッドバステトイウフアンクという人物の責任の元に、この神殿に納められたと記されている。

出典

- ZIEGLER C., RUTSCHOWSCAYA M.-H., Le Louvre, les antiquités égyptiennes, 2002, p. 78.

- ZIEGLER C., RUTSCHOWSCAYA M.-H., ANDREU G., L'Egypte ancienne au Louvre, 1997, p. 190 à 192, Notice 96 .

作品データ

  • 雌ネコ

    第26王朝、プサメティコス1世治世下、(前664-610年)

  • 鋳造、化粧張り、象嵌細工、彫り、銅含有金属、金

    高さ27.6cm、幅20cm、奥行き20cm

  • 1852年購入

    E 2533

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    紀元前千年紀から最初のペルシャ征服まで 紀元前1069‐紀元前404年頃:第3中間期 サイス王朝時代 最初のペルシャ征服
    展示室29

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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