Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>雷雨神タルフンダ

雷雨神タルフンダ

© 2005 RMN / Franck Raux

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Castor Marie-José

雷雨神の記念碑的石碑は、シリアのティル・バルシプ発掘で発見された。この石碑は、前1200年頃ヒッタイト王国滅亡以降にアナトリアとシリアの境に再建された小国家で、1千年紀初めの政治、美術、言語の分野でのヒッタイト美術の伝統復興を証拠付ける。

王の奉献

1929年にティル・バルシプ(現在名テル・アフマル)で発掘者フランソワ・テュロー=ダンジャンによって発見されたこの地方の玄武岩製の記念碑的石碑は、近東でさまざまな呼び名で崇められていた偉大な雷雨神に関する当時の盛んな民間信仰を具体的に例証している。碑文「我はマスワのハミアタ、国王、天のタルフンダ神の僕である」では、神名と記念碑を寄進した王名をのぞかせている。
横顔で表わされた神は、上半身は七分三分の斜めから見た姿を呈する。左手に三つまたの矛の形の雷を持ち、上げられた右手は斧を振りかざしている。また短いテュニックをまとい、ウエストにベルトを締め、そこへ剣が差されていて、崇高なる神格を象徴する二対の角が付けられた帽子をかぶっている。そのかぶり物から長い三つ編みの髪を垂らし、それが螺旋状で終わっている。長い巻き髭は、顔を縁取り口の周りでは丁寧に剃られ生えている。
頭上には、エジプトに由来する象徴でありレヴァント地方で普及した有翼の太陽円盤が、三日月と太陽盤を組み合わせるヒッタイト様式で姿を見せて神の上に載せられている。浮彫下部が欠損しているが、おそらく雷雨神の髄獣で、その上に彼がしばしば描かれる牡牛あるいは獅子を表わされていたであろう。象形文字の記念碑文があるが、文字は浮彫(刻み彫りでなく)で両側面と後面に刻まれている。

多様な形を象る神

石碑に表わされた雷雨神は、2千年紀以来テシュブ、ハダドあるいはアダド、バアルなど地方によって異なった呼び名で崇められた神である。ここでの神はヒッタイト語の呼び名で、碑文に紀元前9世紀と年代測定されたこの作品中に姿を現わす。この神は、時には牡牛または獅子の脚を捕まえながら立つ姿で恒例の動物の上に表わされる。これは、メソポタミアとレヴァント地方の最も崇高な神々の神殿における主要な神像である。この神は、すべての生命に不可欠な多量の雨を誘発し戦士を象徴する持物をもつ雷雨神である。

ヒッタイトの伝統

石碑またはまっすぐ立てかけて加工された石は、全側面から見られることを意図してつくられる古代オリエントにおける奉納記念碑の主要な形式のひとつである。それがヒッタイト文明に導入されたのである。
この石碑は、さらに新しい建物の壁に再利用されたかたちで発見され、縁の上部に依然とこの再利用のために作られた小さな刻み目が残存している。三面にあるヒッタイト語象形文字の存在から、全面から見られることを初めから意図されていたことを示している。
これは美術と文学の分野におけるヒッタイト伝統を継承する新ヒッタイト時代のすぐれた文書と図像の今日の資料であり、いくつかの建築様式の保持とヒッタイト象形文字碑文の存続を可視できるものである。

出典

- LAROCHE E., "Études sur les hiéroglyphes hittites", Extrait de Syria, 31, Paris, Geuthner, 1931.

- THUREAU-DANGIN François, "Tell Ahmar", Extrait de Syria, 10, Paris, Geuthner, 1929, pp. 185-205, pl 32-33.

- THUREAU-DANGIN François, Til Barsip, Vol. I et II, Paris, Geuthner, 1936, p. 134, pl. 1 et 2.

作品データ

  • 雷雨神タルフンダ

    前900年頃

    テル・アフマル、旧ティル・バルシプ北シリア

  • 玄武岩

    高さ2.10m、幅0.83m、厚み0.43m

  • AO 11505

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    メソポタミア:シリア北部 アッシリア ティル・バルシプ、アルスラン・タッシュ、ニムルド、ニネヴェ
    展示室6

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する