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香炉薪台

© 2005 Musée du Louvre / Peter Harholdt

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
Barbier Muriel

暖炉の内部の入り口を飾り、鋳鉄の網をかくす、薪を置くための2つの台を『Feu』(薪台) と呼ぶ。香炉の役割もはたすルーヴルの薪台は、金銀細工師のフランソワ=トマ・ジェルマンの名前と、制作年が記されていることから、特によく知られている。非常に曲線的な形状や、内旋状の動き、凹凸が際立った彫金の細部から、この2台の薪台はロカイユの室内装飾ブロンズを代表する作品である。

金銀細工品の技術を示す薪台

これらの薪台は、それぞれが、丸ひだ装飾のつまみを底部に持つ、溝彫りの入った、らっぱ形の香炉から構成されている。この香炉は、小バラ模様と百合模様の透かし彫りを施し、垂れ葉飾りが彫金され、炎形模様を頂く蓋に覆われている。蓋は、リボンが巻きついた籐の茎が施された、重厚な刳り形にぴったりはまるようになっている。この装飾は金銀細工品の蓋や、皿の縁によく現われる。香炉は、ひだ飾りにつながれた輪を施された、三脚台に支えられている。三脚台は重厚で力強い渦巻き装飾に占められており、その上からいくつかの種粒飾りと葉形飾りが発生している。これらの種粒飾りは、同時代の煮込み肉用壺の蓋に繰り返し用いられるものである。そして底部は岩肌の塊-ロカイユ装飾に典型的―に見立てられている。これらの、金銀細工や室内装飾ブロンズに共通する異なる装飾要素のほかにも、なめらかな面とつや消しの面の間に交互に施される、彫金や金鍍金の扱い方は、ある特定の金銀細工師の仕事の精密さを思い起こさせ、これらの作品を金銀細工師クロード・バランや彼のライバル達の流れに組み込むのである。

フランソワ=トマ・ジェルマンとブロンズ細工

この薪台の作者はフランソワ=トマ・ジェルマン(1726-1791年)である。彼は、ルイ14世の銀製の調度品の制作に携わった、ピエール・ジェルマンの孫であり、ルイ15世お抱えの金銀細工師トマ・ジェルマンの息子である。彼は王室の金銀細工師兼彫刻師としてだけでなく、ルイ15世の注文から、ロシアとポルトガルの宮廷のために制作した、金銀細工の調度品により有名になる。またかれは、パリのパレ・ロワイヤルやスービーズ館、コペンハーゲンのべアンストーフ城などの多くの場所の、室内装飾ブロンズの制作に携わった。王は彼にルーヴル宮に住居を与え、そのおかげで彼は同業者組合の規約を免れ、ブロンズと銀の両方を扱うことができた。フランソワ=トマ・ジェルマンは自分の工房に、金銀細工師バランの型を持っており、そこからいくつかの意匠を借用していた。ルーヴルの薪台は、驚くべき大きさをほこり、金銀細工師ジェルマンのデザインの力強さから際立っている。

誰のために作られたか?

その制作地からすると、この薪台はおそらく王家からの出自であろう。これらはブダペストのヴィンディッシュグレーツ公妃(オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフの孫)の居城から伝わるものである。よってこれらはハプスブルグ家の所有であった可能性があり、フランス内親王殿下(ルイ15世の双子の長女の一人)により、または彼女のために注文されたとされている。ところが、古文書からはその注文の形跡がまったく見つかっていない。それに反して、ジェルマンは1755年から1758年にかけて、パレ・ロワイヤルのブロンズ装飾に携わっていた。彼が、オルレアン公爵夫人ルイーズ=アンリエット・ド・ブルボン・コンティのために、大きな薪台を納入していたことが分かっている。そしてその薪台がルーヴルのものである可能性がある。

出典

Perrin Christian, François-Thomas Germain, orfèvre des rois, Éditions Hayot Monelle, Paris, 1999.

Verlet Pierre, Les bronzes dorés français du XVIIIe siècle français, Éditions Picard, Paris, 1987, pp. 17, 54, 55, 194 et 388.

Ottomeyer Hans, Vergoldete Bronzen, Klinkhardt & Biermann, Munich, 1986, p. 135.

Exposition "Louis XV un moment de perfection de l'art français", Paris, Hôtel de la Monnaie, 1974, p. 336.

Verlet Pierre, "Musée du Louvre, objets d'art modernes : les chenets de François-Thomas Germain", Bulletin des musées de France, 7e année, n 10, décembre 1935, pp. 154-155.

作品データ

  • フランソワ=トマ・ジェルマン(1726-1791年)

    香炉薪台

    1757年

    パレ・ロワイヤル(?)のオルレアン公爵夫人の大広間、ブダペストのヴィンディッシュグレーツ公妃のコレクション

    ルーヴル宮のギャラリー

  • 彫金、金箔を施したブロンズ

    左の薪台:高さ57cm、幅59cm、奥行き40cm右の薪台:高さ58cm、幅58cm、奥行き43cm

  • 1935年、ルーヴル友の会のグループと歴史建造物基金の協力により取得

    OA 8278, OA 8279

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ナポレオン3世の居室 家族のサロン
    展示室88

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左の薪台の渦巻き装飾の縁に記入:FAIT.PAR.F.T.GERMAIN.SCULPTr ORFre DU.ROY.AUX.GALLERIES.DU.LOUVRE.A PARIS 1757.(1757年、パリ、ルーヴル宮のギャラリーにおいて、王の彫刻・金銀細工師F.T.GERMAINにより制作)