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作品 黒像式「カルキス」型杯

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

黒像式「カルキス」型杯

© 1994 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

執筆:
Kardianou-Michel Alexandra

この杯は、「カルキス」と呼ばれる南イタリア産の生産物の一つの特徴を示している。広口を装飾する大きな目に伴う、人間またはサテュロスの耳は、素晴らしい素絵の洗練さを証明している。「カルキス」の陶器は、コリントスの工房にて生み出された形を採用している。しかしその様式は、アッティカ黒像式の製品を模倣している。「カルキス」の陶器の成功は、エトルリアへの大量輸出により確認されている。

「カルキス」の陶器

エウボイア島の首都、カルキスから到来し、南イタリアに入植した開拓者たちは、彼ら独自の工房を作った。西部の顧客を獲得する欲と競争に駆り立てられた彼らは、叙述的な場面に多くの感受性を与える事で、製品を顧客の嗜好に合わせようと勤めた。いくつかの発掘は、40年間の繁栄した生産と西部への広い普及を証明した大多数の壺を出土させた。レッジョ・カラブリアでは百点以上の「カルキス」の壺が発見された。これらの工房は、特にその末期(紀元前550年-530年)コリントスの工房の影響を受けている。それと同時にカルキスの工房は、エトルリアへの大量輸出により、その確かな成功が証明されている、アッティカ黒像式の様式を知っており、それを模倣した。それは、紀元前6世紀後半のアッティカ陶器に唯一対抗できるものであった。その壺のいくつかは、カルキスのアルファベットで線刻された刻字がされていた。その理由から、それらがエウボイア島またはカルキス本土において製作されたと推測されたこともある。しかしエウボイア島においてその考えを立証するものはない。

装飾

会話、騎士、戦車の出発、戦士達の戦いの場面は、神話や英雄的な場面よりもより頻繁に表現されていた。動物の一帯は、人物像の横で付属的な装飾を構成する。または、小型の壺ではそれのみが表面を占めている。これらのフリーズ、または付属的な要素の豊富さは、装飾の大きな意味を明らかにしている。人物像の明細は、通常、手がかけられていないが、その構成は優雅で線対称である。多色装飾は豊富で、素描は正確で洗練され、そしてやや「田舎くさい」、保守的な面にもかかわらず、表現は愛らしい。それらの最も頻繁な形は、首付きのアンフォラ、水がめ、杯である。

「カルキス」の目の杯

その円錐台状の脚を除きこの杯は、アッティカA型の杯を模倣している。それは、素晴らしい素描の洗練が見受けられる壺の作品群を構成する。アッティカの杯と違い、その両目は頻繁に人間またはサテュロスの耳に伴われ、その鼻と共にそれらの特徴の一つを構成している。厄除け(魔除け)と同じくらいの装飾的な意味を持つこの目は、連なった同心円でできており、内側の黒い円は、拡大した瞳の表現している様である。この壺の厄除けの面は、サテュロスの耳の存在により強調され、口、耳、鼻にて装飾されている。この目は壺が収納する飲み薬のまじないであり、悪い視線より守るのであろうか。それとも飲むために、この杯を上げるとき「生きた仮面」の作用を作り出すディオニソスの高揚を示すか、この神自身の顔を示す単なる警告なのであろうか。もう一面の鼻は、ディオニソスの壺として知られる、カンタロスにより取り替えられていることが確認される。

出典

Boardman John, Aux origines de la peinture sur vase en Grèce, 1999.
Ferrari G., Eye-Cup, dans Revue Archéologique, 1986.
Iozzo M., Ceramica "Calcidese", 1994.
Isler-Kerenyi K., Dionysos nella Grecia arcaica, 2001.
Rumpf A., Chalkidische Vasen, 1927.

作品データ

  • ピネウスの杯の作品群

    黒像式「カルキス」型杯

    アルカイック時代、紀元前530年頃

    エトルリア(?)

    レッジョ・カラブリア(?)(イタリア)

  • 陶土、黒像式、釉薬、線刻、白色と赤色の加筆

    高さ10cm、直径27cm

  • 旧カンパーナ・コレクション1861年取得

    A面:カンタロスB面:鼻

    F 144

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIII 黒像式ギリシャ陶器
    展示室42

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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