Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>1対の燭台

1対の燭台

© 2007 Musée du Louvre / Martine Beck-Coppola

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
Barbier Muriel

1775年のリスボンの地震により破壊されたため、ポルトガル王室の金銀細工品は新しく補われなければならなかった。ポルトガルのジョゼフ1世(1714-1777年)は、フランス人の金銀細工師、フランソワ=トマ・ジェルマン(1726-1791年)のもとに依頼を持ちこみ、彼はヨーロッパでも最も華々しい調度品を制作した。この注文は、ポルトガル王からフランス王御用達の金銀細工師のもとに寄せられた注文の中で、最も重要なものである。この2本の燭台は、この調度品の豪華さだけでなく、金銀細工師の技を証明する作品である。

リスボンの地震の喚起

この2本の燭台は、もともと4本のセットの一部であり、他の2本は個人のコレクションに保存されている。刳り形を施された台座からは、丘に植えられた桜の木の形をした柱身が伸びている。3本の枝がろうそくの受け輪と受け皿を支えており、そこからサクランボが垂れている。裸の子供が2人、1人は台座に立ち、もう1人は木によじ登ってサクランボを取ろうとしている。この軽快な情景には、台座と丘を走る2本の深い亀裂が応えている。これは、ヴォルテールが『カンディド』のなかで記している、リスボンの地震を喚起させる印である。この燭台は、王が街の再建に指示を出している場面を描いた装飾グループをもつ、食卓装飾台の意匠の題目に合致していた。

ポルトガルのジョゼフ1世の金銀細工品

1755年11月1日、リスボンで起こった地震は、リスボンの街に、建物、そしてポルトガルのジョアン5世(1689-1750年)がトマ・ジェルマン(1673-1748年)に注文して作らせた、王室の金銀細工品が破壊される、大損害を与えた。ジョアン5世の息子、ポルトガル王のジョゼフ1世(1714-1777年)は、王室の食器類を復元しなければならなかった。それに際して、彼はトマ・ジェルマンの息子、フランソワ=トマ・ジェルマン(1726-1791年)のもとに依頼をよせる。ジェルマンは、フランス風の給仕、すなわち食卓に同時に皿が運ばれる給仕方、のための食器セットを4点制作する予定を立てていた。この膨大な注文を引き受けるに際して、ジェルマンは、彼のルーヴル宮内の工房で約100人の職人をつかっていた。1765年に倒産してしまったため、ジェルマンは注文を仕上ることができず、4点目のセットは届けられなかった。しかしながら、およそ1200点の食器がリスボンに届けられた。ポルトガルは現在、このセットに含まれていた中の、非常に多くの食器類を保存しており、その他はニューヨークのメトロポリタン美術館、パリの装飾美術館、そしてルーヴル美術館で見られる。これらはもちろん、1777年にジョゼフ1世の娘が女王として戴冠した際に、即位式で見せつけられた食器セットのことである。

父親の型

フランソワ=トマは、この燭台のために彼の父親の最後の作品のひとつで、1747年にヴェルサイユの王の寝室のために届けられ、同時代人の素描や記述により知られている、『1対の大型の5本枝付き金製燭台』から着想を得た。フランソワ=トマは彼の店の整理箪笥に、その作品の鉛でできた型を保存していた。彼は、まったく斬新な趣の情景で変身させ、ルーヴルに保存されている(OA10412)アントワーヌ=セバスティアン・デュランが制作したパンティエーヴル=オルレアンの食器セットの塩入れや、リスボンのグルベンキアンコレクションに保存されている、同じくデュランがポンパドゥール夫人のために制作したからし入れのように、ロカイユの金銀細工において人気のあった、子供の像を想起させながら、父親が作った型を脚色している。

出典

- PERRIN, François-Thomas Germain orfèvre des rois, Paris, 1994, p152-154.

- Versailles et les tables royales en Europe, Catalogue d’exposition, Paris, RMN, 1993, p 303-310.

- Nouvelles acquisitions du département des Objets d'art 1980-1984, Catalogue d’exposition, Paris, RMN, 1985, p 88-91.


Poinçons :
Maître : FTG (François-Thomas Germain) avec une toison ; maison commune : Q couronné (Paris 1756-1757) ; charge : herse (Paris 1756-1762) ; exportation : vache.

作品データ

  • フランソワ=トマ・ジェルマン

    1対の燭台

    1757年

    ポルトガル王室コレクション

    フランス、パリ

  • 高さ46cm、直径32cm

  • 1984年取得

    OA 10961, OA 10962

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する


作品の補足情報

碑文(底面の裏に):FAIT PAR F.T. GERMAIN SCULPR ORF DU ROY AUX GALERIES DU LOUVRE A PARIS 1757(F.T.GERMAINルーヴル宮のギャラリーの王の彫刻・金銀細工師 パリにて 1757年)