Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>5区画からなるディプティカの片翼の横部分 《キリストの奇跡》

作品 5区画からなるディプティカの片翼の横部分 《キリストの奇跡》

工芸品部門 : 初期中世

5区画からなるディプティカの片翼の横部分 《キリストの奇跡》

© 1985 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
初期中世

執筆:
Bardoz Marie-Cécile

この装飾板は、キリスト教主題の大型象牙製ディプティカ〔二連板〕の一部だった。それぞれの翼が5区画からなり、本作品は片方の翼の周辺パネルを構成していた。3つの場面には、キリストの奇跡が表現されている。この象牙浮彫りは、5世紀初めのローマで活躍した象牙細工師の様式を示すが、次第に空間表現が後退しつつあるとはいえ、「古典主義」の古代美術からの影響がなお明らかである。

キリストの奇跡

装飾板には、キリストの3つの治癒の奇跡が表現されている。上部には、長血をわずらう女の治癒が描かれる。女は跪き、キリストの衣服の裾をつかんでいる(マタイによる福音書9章20-21節;ルカによる福音書8章43-48節)。その下では、キリストの祝福を受ける中風もちの人が、自分の寝台を肩に担いで左へ去っていく(マタイによる福音書9章2-7節)。最下部は悪魔にとりつかれた人の治癒を描いたもので、キリストはおびえた様子のこの人物の方を向き、その前には3匹の豚がいる。豚の体にキリストが悪霊を追いやると、豚は湖になだれ込んで溺れ死ぬのである(ルカによる福音書8章27-33節)。

5区画からなるディプティカの翼の一部

この断片は、5区画からなるディプティカの片方の翼のうち、周辺パネルを構成していた(翼は、大きな中央パネルと両側の細長いパネル4枚からなる)。同ディプティカの他の断片も確認されている。周辺部分の別の装飾板はベルリン州立美術館が所蔵しており、かつてヌヴェール大聖堂にあった「東方三博士の礼拝」を表した装飾板は、その後市立美術館に寄託されている。ミュンヘンにある「昇天」を表す装飾板は、どちらかの翼の中央パネルを構成していた可能性がある。

5世紀ローマの象牙細工

この装飾板は浅浮彫りで作られており、後に3つに切断された。人物の硬直した様子、古典的な衣襞、ずんぐりした体つき、キリストの髭がなく若々しい面差しといった点はすべて、5世紀初めにローマの象牙細工工房で制作された、いまだ「古典主義」的な古代の美の痕跡を残す作品に見られる特徴である。

出典

Catalogue de l'exposition Karl der Grosse und Papst Leo III in Paderborn, Paderborn, Diözesanmuseum, 1999, n X 5 (G. Bühl).

Gaborit-Chopin Danielle, "Les trois fragments d'ivoire de Paris, Berlin et Nevers", Byzantine East, Latin West. Art-Historical Studies in Honor of Kurt Weitzmann, 1995, Princeton, pp. 49-56.

Catalogue des collections du département des Objets d'art : Gaborit-Chopin Danielle, Les ivoires médiévaux, Paris, RMN, 2003, n 1.

作品データ

  • 5区画からなるディプティカの片翼の横部分 《キリストの奇跡》

    5世紀初

    バスタール・コレクションおよびダゲール・コレクション旧在

    イタリア、ローマ

  • 象牙

    高さ19.70cm、幅7.90cm、厚さ0.80cm

  • 1926年収蔵

    《長血をわずらう女、中風もちの人および悪魔にとりつかれた人の治癒》

    OA 7876, OA 7877, OA 7878

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シャルルマーニュ
    展示室1

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する