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「舟形」香炉

© 2013 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
Barbier Muriel

この「舟形」香炉は、船の形をし、ピンク色の地と中国風の装飾が施されている。この形状はジャン=クロード・デュプレシス(1695年頃―1774年)によって創作され、絵付け装飾はシャルル=ニコラ・ドダン(1734-1803年)が担当した。この作品は、ポンパドゥール夫人(1721-1764年)のエヴルー邸の、寝室の暖炉の装飾の一部であり、ロカイユ様式と、王の愛妾の、ピンク色の地色や中国風の装飾に対する嗜好を示す、典型的な例である。

ジャン=クロード・デュプレシスが創り出した形状

王が使う食卓の、金銀製の舟形食器入れを思わせる、この「舟形」の香炉の形状は、王立セーヴル磁器製作所における、最も有名で独創的な形状のひとつである。この形状は、ロカイユ様式の特徴を強く示す、新しい装飾様式の多くの型をセーヴルのために考案した、ジャン=クロード・デュプレシスによって創作された。石膏の型が現在でも製作所に保存されている。この香炉は2つの部分から構成されている。渦巻き装飾の脚が付いた、台座が支える船の形をした壺と、帆船のマストを真似た透かし彫りの蓋である。先端にはライオンの頭が2つ、遣り出しを口にくわえる形で、浮き彫りで飾られている。「舟形の」香炉は、他にも9点知られており、今日ではロンドンのワラス・コレクション、ワデスドン・マナー、ニューヨークのフリック・コレクション、バルティモアのウォルターズ・アート・ギャラリーとマリブのJ.-P.ゲッティー美術館に散在している。

シャルル=ニコラ・ドダンの手によるとされる装飾

香炉の装飾は、これに添えられた「イルカの」香炉と同じく、シャルル=ニコラ・ドダン(1734-1803年)の制作とされている。1757年にセーヴルに登場する、珍しいピンク色の地の上に描かれ、ここでは青と緑で引き立てられている。細長い彩色されていない部分が各面に設けられ、緑の棕櫚の葉と、櫛でといたような金の線に囲まれ、飾り枠を形づくっている。飾り枠内の場面は、中国からインスピレーションを得たものであり、3人の人物がテラスで、丸いテーブルを囲んで碁のようなゲームをしている情景を表わしている。裏側の飾り枠に関しては、東洋風の、花をつけた枝を内包している。1760年から1763年にかけて、ドダンは少なくとも、中国風の装飾を25点描いており、ポンパドゥール夫人はこの種の装飾をたいそう好んだものと思われる。ルーヴルの香炉に書かれた場面は、ガブリエル・ユキエール父(1697-1772年)がフランソワ・ブーシェ(1703-1770年)の作品、《茶会》に基づいておこした版画の模写である。セーヴルの中国風の装飾を施されたほとんどの作品がそうであるように、この作品は非常に独創性豊かなものである。

エヴルー邸に由来する装飾品

エヴルー邸は、1718年から1720年にかけて、エヴルー伯、アンリ=ルイ・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュの注文により、アルマン=クロード・モレがパリのフォーブール・サン・トノレ地区に建設し、1753年にポンパドゥール夫人が所得した。ルイ15世の愛妾は、その大きな館を改造し、当節の流行に合った装飾で飾り付けた。彼女はとりわけ、たいへんすばらしい磁器の調度類を所有していた。彼女の寝室には、ルーヴルの「舟形」香炉と、「泉」香炉と「イルカ」香炉(2点ともロサンジェルスのJ.P.ゲッティー美術館蔵)の対、そして「枝付き飾り燭台の」香炉と「蝋受け」香炉(所在地不明)の2点からなる、暖炉の装飾セットが置かれていた。この装飾品類は、1760年5月30日に届けられ、こちらもルーヴル蔵の、壁にかけるろうそく立てによって完成された。

出典

- Madame de Pompadour et les arts, Catalogue d'exposition, Versailles, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2002, p. 443.

- Un défi au goût, Catalogue d'exposition, musée du Louvre, Paris, Editions de la Réunuion des musées nationaux, 1997, p. 75.

作品データ

  • ジャン=クロード・デュプレシス(1695年頃―1774年)シャルル=ニコラ・ドダン(1734-1803年)

    「舟形」香炉

    1760年頃

    ポンパドゥール夫人の寝室、エヴルー邸(現在のエリゼ宮)、パリ

    王立セーヴル磁器製作所、フランス

  • 軟磁器

    高さ37cm、幅35cm

  • 1984年取得

    OA 10965

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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