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作品 2つの小瓶をもつ天使

彫刻部門 : 中世のフランス

2つの小瓶をもつ天使

© 2008 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
中世のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

この大理石製の微笑みを浮かべた優美な天使は、ミサの際に水とワインを入れておく小瓶2つを手にしている。これは1340年頃に、当時文芸保護で特に知られた王妃ジャンヌ・デヴルーからモビュイッソン修道院に贈られた祭壇彫刻の一部だった。彫刻の洗練された様は宮廷美術を予告している。

ジャンヌ・デヴルー

ジャンヌ・デヴルーは1326年にフランス国王シャルル4世端麗王(1328年死去)と結婚した。14世紀の重要な文芸保護者として、ジャン・ピュセルが細密画で飾った《ジャンヌ・デヴルーの時禱書》(ニューヨーク、メトロポリタン美術館所蔵)など、主要な美術品の誕生に貢献した。1340年頃には、シトー会のモビュイッソン修道院(ポントワーズ近郊)の主祭壇用に大理石の大型祭壇彫刻を注文した。同修道院は、1370年に王妃が夫と自分自身のための墓をジャン・ド・リエージュに建設させる場所である。マオー・ダルトワと同様、ジャンヌ・デヴルーは当時の文芸保護活動を女性が取り仕切った例を示している。

祭壇彫刻の再構築と解釈

独立した彫刻が発展を遂げた時代、祭壇彫刻が大流行した。次第に大型化し、構造も複雑になっていった。モビュイッソンの祭壇彫刻はその貴重な例である。
フランス革命の際に解体されたものの、1763年に修道院長ギヨーム・ミレが残した記述によって構成が知られている。高さは約3mあり、中央には「最後の晩餐」(サン・ジョゼフ・デ・カルム教会所蔵)、周りには4点の浮彫り(ルーヴル美術館所蔵)が配されていた。この4点は、左にモーセとダビデ王および預言者、それにキリストによる獄中の聖ドニへの聖体拝領、右には3人の預言者、そして小瓶をもつ天使である。祭壇彫刻にはシャルル4世、ジャンヌ・デヴルーおよび娘のマリーとブランシュの像も含まれていたが、失われてしまった。13世紀、ステンドグラスにおいては作品中に注文主が表現されていたが、今度は彫刻においても同じことが広まった。おそらく、当時よく行われていたように、白大理石の像が黒大理石の地から浮かび上がっていたものと思われる。
ここには聖体の象徴がはっきりと表現されている。ワインは小瓶をもつ天使によって、パンは聖ドニの聖体拝領によって、というように2品が象徴的に示されている。「最後の晩餐」は、キリストが聖体を設けた出来事である。

優雅な天使

いくつかの特徴(長い衣服によって強調される手足の長いシルエット、持ち上がった巻き毛、落ち着いた態度)を見ると、この微笑を浮かべた天使は、ポワッシー修道院の天使像と同様まだ13世紀作の像といえる。しかし、新たに優雅さと快活さを表現しようという動きが現れている。薄い生地のアミクトゥス〔肩衣〕が襟元を飾り、衣服の布地はより軽やかになり、腰の細い紐は生地に皺を寄せて細かい襞に動きを出している。繊細で小さな像は美術工芸品に近い。ラングル大聖堂のためにエヴラール・ドルレアンが1341年に制作した作品とこれらの浮彫りが類似していることから、祭壇彫刻もこの人物の作とされる。がっしりした首、まっすぐな鼻、平たい手と爪のない指などが特徴として認められる。エヴラール・ドルレアンは、フランス宮廷の彫刻家、画家、建築家として、14世紀前半のパリにおける名工である。

出典

- VITRY Paul, "La sculpture française du XIVe siècle au musée du Louvre", in Les Arts, Paris, 1909 ,n 94, pp. 22-31.

- AUBERT Michel et BEAULIEU Michèle, Description raisonnée des sculptures du musée du Louvre, Tome 1 Moyen Age, Paris, 1950, pp. 134-135.

- BARON Françoise,  "Le maître-autel de l'abbaye de Maubuisson au XIVe siècle", in Académie des Inscriptions et Belles-Lettres, Comptes rendus des séances de l'année 1970, Paris, 1971, pp. 538-541.

作品データ

  • エヴラール・ドルレアン作-知られている活動期間:1292年から1357年の死まで

    2つの小瓶をもつ天使

    1340年頃

    シトー会モビュイッソン修道院付属教会主祭壇の祭壇彫刻の一部(ヴァル・ドワーズ県サン・トゥアン・ロモーヌ)。王妃ジャンヌ・デヴルーより寄贈。フランス革命の際に解体。祭壇彫刻中央部分を構成していた「最後の晩餐」の浮彫りは、パリのサン・ジョゼフ・デ・カルム教会が所蔵する。国王シャルル4世端麗王、王妃ジャンヌ・デヴルーおよび2人の娘マリーとブランシュの跪拝像は失われた。

  • 大理石、わずかにポリクロミー〔多色彩色〕と金鍍金の痕跡

    高さ52.70cm、幅14cm、奥行き8.30cm

  • 4点の浅浮彫りがルーヴル美術館に所蔵される:《2つの小瓶をもつ天使》は、ルーヴル美術館友の会が入手した後、1907年1月24日の法令によりルーヴル美術館に寄贈。

    R.F. 1438

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    モビュイッソン修道院
    展示室5

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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