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古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

サモトラケのニケ
前190年頃
© R.M.N./G. Blot
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詳細
作品データ
サモトラケのニケ
前190年頃
ギリシア、エーゲ海北東の島、サモトラキ島
小アジアまたはギリシア、ロードス島
丸彫、上半身、両腕、翼は別に加工、付け加えられた部品
高さ3.28m
1863年シャルル・シャンポワゾ調査隊
1879年取得
Ma 2369
古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
インタラクティブマップ
作者
Marie-Bénédicte Astier
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サモトラケのニケ

羽根を付けた勝利の女神は、サモトラキ島にあった、偉大なる神々の神殿に張り出していた船の船首に立っていた。この建造物は、前2世紀初頭の海戦の勝利を記念するため、ロードス島民が奉納品として献上したものと思われる。姿勢の劇的効果、動きの力強さ、力動感あふれる襞をもつヘレニズム時代のこの作品は、クラシック時代の基準と交わりながら、ペルガモンのバロック的彫刻を予兆する。
作品解説

演出の巨大さと劇的効果


1863年ハドリアノポリス(トルコ)のフランス副領事であった、シャルル・シャンポワゾは、エーゲ海北東に位置する小島、サモトラキにてこの特別な建造物を発掘した。勝利の女神(ギリシア語で二ケ)は、衣装をはためかす風の攻撃に耐える、船の船首に立つ羽を生やした女性の姿で表れている。伝声管に位置する右手にて、この彫刻が献上された折の出来事を告げている。この巨大な作品は、丘に削られた岩の枠に表現された、偉大なる神々の神殿の劇場に張り出していた建築物であった。この壁がんには、船が航海していたと思われる、水が張られた池を持ち合わせていたと思われる。彫像の配置は、左斜め4分の3の位置から観察することを優先し、それは体の右側がより簡潔に仕上げられた加工の差異を説明する。このとても劇的な演出は、女神の巨大さ、広げた翼の翼幅、前に傾いた体の勢いを加えながら、その姿の現実性を強調することに貢献する。

ロードスの記念建築物


サモトラキの神殿は、難破から船乗りたちを守ること、または戦士たちに勝利を捧げることを祈願するための豊饒の巨人、カベイロイの神々に捧げられていた。船の上に置かれたニケの奉納品は、これらの神々のための宗教的行為を形成する。以前はこの作品の中にロードス島民により捧げられた、特別な海戦の勝利を記念するための建造物を想像していた。事実この作品の船の型と船首と彫像の基盤に使用された灰色の大理石の産地は、ロードス島での制作を示唆する。この作品をロードス島の大勝利に関係付けるなら、これは前2世紀の制作と推定する事が可能である。これは、ミオンニソスの海戦、またはシリアのアンティオコス3世の船団に対する前190年頃のシデの海戦の勝利の際に建造したとも思われる。

伝統の跡が残るヘレニズム時代の作品


サモトラケのニケは、ヘレニズム時代の彫刻の代表的な作品である。彫像は、両脚の間の衣服のはためきにより強調された左脚の後退と翼により模られた斜めの動きにより、対立した方向に開かれる構成による螺旋状の動きのなかで立っている。女性の裸体は布の下で露出し、前5世紀末のクラシック時代の作品のように、濡れた襞の透明性により浮き上がっている。胸の下にある紐の着用は前6世紀より存在する着こなしを示唆する。彫刻家は、体の襞の刻み、風による膨らみなどのチュニカの加工に、特別な妙技が見える装飾効果を駆使した。この装飾の豊かさそしてボリュームの感覚、動きの激しさは、前180年から160年頃のペルガモン派のバロック的制作の前兆である、ロードスの様式の特徴である。

参考文献
- SISMONDO-RIDGWAY B., Hellenistic Sculpture, II, The University of Wisconsin Press, 2000, p. 150-160.

- HAMIAUX M., "La Victoire de Samothrace", Feuillet pédagogique du Musée du Louvre, 3, Paris, 1999, n 43.

- HAMIAUX M., Les sculptures grecques, II, Paris, 1998, p. 27-32, n 2.

- HOLTZMANN B. & PASQUIER A., L'Art grec, Manuels de l'Ecole du Louvre, Paris, 1998, p. 258-259.

- KNELL H., Die Nike von Samothrake, Darmstadt, 1995.

- HASKELL Fr. & PENNY N., Pour l'Amour de l'art antique : la statuaire gréco-romaine et le goût européen 1500-1900, Paris, 1988, p. 368, n 180 (ed. anglaise, Taste and the antique : the lure of classical sculpture 1500-1900, New Haven, 1981).

- THIERSCH H., "Die Nike von Samothrake : ein rhodisches Werk und Anathem", Nachrichten von der Gesellschaft der Wissenschaften zu Göttingen, Philologisch-Historische Klasse, 1931, p. 337-356.

見学コース

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サマトラケのニケやミロのヴィーナスは、ルーヴル美術館の所蔵作品のなかでも、最も賞嘆すべき作品のひとつです。この2点の彫刻作品は、人体を驚くほどの巧みな描写で表現しながら、「ギリシア精神」を体現しています。この見学コースをたどると、西洋美術に今日に到るまでたゆみなく痕跡を残す、ギリシア人の「人体の征服」の過程を追うことができます。

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