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絵画 : フランス絵画

ジャン=オノレ・フラゴナール(グラッス、1732年-パリ、1806年)
《マリー=マドレーヌ・ギマール》
1769年頃
© Musée du Louvre/A. Dequier - M. Bard
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詳細
作品データ
ジャン=オノレ・フラゴナール(グラッス、1732年-パリ、1806年)
《マリー=マドレーヌ・ギマール》
1769年頃
油彩、カンヴァス
縦82cm、横65cm
旧フランソワ・マルシーユ(1790-1856年)コレクション
1860年より、ヴァルフェルダン・コレクション
1885年より、ヴァテル夫人コレクション
ヴァテル=デエナン・コレクション
1974年、代物弁済によりルーヴル美術館に収蔵
R.F. 1974-1
絵画
インタラクティブマップ
作者
Sylvie Dubois
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《マリー=マドレーヌ・ギマール》

踊り子のマリー=マドレーヌ・ギマール(1743-1816年)と考えられている実に若い女性を描いたこの肖像画は、1769年頃にジャン=オノレ・フラゴナールが制作した《幻想的人物》連作のうちの一点である。踊り子は、エンタブラチュア(上部の飾り)に寄りかかりながら、あたかもくるくる回っているかのような印象を与えている。
作品解説

図像表現


マリー=マドレーヌ・ギマールは、コメディー・フランセーズのバレエ団の一員としてデビューした後、1761年にパリのオペラ座の踊り子となり、50ほどの役を演じて名を上げた。当時の証言は、溌剌として快活な彼女の性格と、特にその実にすらりとした姿(ギマールのライバルたちに影響された毒舌家は、躊躇することなく彼女を「三美神の骸骨」と呼んでいた)を余すところなく伝えている。彫刻家ガエタノ・メルシが1779年に制作した踊り子の大理石の胸像(オペラ座図書館所蔵。テラコッタ版が装飾美術館に所蔵。)との比較によって、19世紀末にフラゴナールの絵画のモデルが確定された。そこには上品な頭部の様、魅力的で茶目っ気のある眼差しや鋭い顔つきが認められる。

幻想的人物


この肖像画は、今日14点の作品が確認されているが、注文主が誰であるかは不明である《幻想的人物》連作のうちの1点である。連作のうち、この作品の他に《霊感》、《習作》、《若い芸術家の肖像》、《ディドロの肖像》、《アンヌ=フランソワ・ダルクールの肖像》、《サン=ノンの肖像》、《ラ・ブルテッシュの肖像》の7点の絵画がルーヴル美術館に所蔵されており、最後の一点だけが1769年に制作されている。作品のほとんどが半身の肖像画で、石でできたエンタブラチュア(上部の飾り)の後ろで、通称スペイン風の衣裳を纏い、解釈が容易とは限らない象徴物を時に前に配して、舞台の世界を想起している。素早いタッチでざっと描かれたこれらの絵画(連作の一つの解説ラベルには、作品が「一時間で」制作されたと記されている)は、緑色、茶色、黄土色、クリームがかった白色で引き立てられた赤色といった北方画家に顕著な色彩を組み合わせており、レンブラントやフランス・ハルスの系譜に位置づけられる。これらの絵画は、画家と親しい間柄にあったモデルを描いていながらも、肖像というより人物の気質を思い起こさせる。

芸術の庇護者ギマール女史


マリー=マドレーヌ・ギマールは、プリマ・バレリーナとしての才能だけでなく、パンタンの別荘やパリのショセ・ダンタン通りにあった邸宅で開かれ、宮廷の名士が通った観劇の夕食会や夜会によって、その名声を高めた。ギマールに気前良く贈り物を奉げた愛人の中には、フランス王の第一従僕であるジャン=バンジャマン・ド・ラ・ボルド(1734-1794年)、徴税請負人のスービーズ元帥、オルレアン司教であるジャラント殿下が名を連ね、ギマールは豪奢な暮らしをすることができた。上流社会の生活を送ると同時に、ギマールは芸術庇護者として積極的な役割を演じており、倒壊してしまった彼女のパリの邸宅の建築をクロード=ニコラ・ルドゥー(1736-1806年)に依頼し、大客間の装飾はジャン=オノレ・フラゴナールに委ねた。しかし、1773年のギマールとの確執が原因で、フラゴナールは装飾事業から手を引き、若きジャック=ルイ・ダヴィッドがその後を受け継いで天井を完成している。

参考文献

- CUZIN Jean-Pierre, Jean-Honoré Fragonard : vie et œuvre, Fribourg : Office du Livre, 1987.

- ROSENBERG Pierre, Fragonard, catalogue d'exposition, Galeries nationales du Grand Palais 1987 - 1988, Editions de la Réunions des musées nationaux, Paris, 1987.

- LAROUSSE Pierre, "Despréaux (Marie-Madeleine, dame)", in Grand Larousse universe du XIX e siècle, Librairie Larousse et Boyer, Paris, 1870, p. 584 .

- ROSENBERG Pierre, COMPIN Isabelle, « Quatre nouveaux Fragonard au Louvre. I* ».in Revue du Louvre et des musées de France, 1974, n°3, p. 183 – 192.

- ROSENBERG Pierre, Tout l’œuvre peint de Fragonard., Flammarion, Paris, 1989.


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「道理をわきまえた絵画は好まない。」ウジェーヌ・ドラクロワ(1798-1863年)は、自身の日記でこのように断言しています。画家が波乱に満ちた航海へと私たちをいざなっています。時より狂喜や歓喜が訪れる苦悩や恐怖、絶望が次の寄港地です。

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