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古代エジプト美術 : ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1096-前30年)

タペレト貴婦人のステラ(石碑)
第3中間期、第22王朝、紀元前10世紀、もしくは紀元前9世紀
© Musée du Louvre/C. Décamps
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作品データ
タペレト貴婦人のステラ(石碑)
第3中間期、第22王朝、紀元前10世紀、もしくは紀元前9世紀
木に彩色
高さ31cm、幅29cm、厚み2.6cm
1851年、もしくは1852年、バティシエ氏寄贈
E 52
古代エジプト美術
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作者
Marc Étienne
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タペレト貴婦人のステラ(石碑)

木製のこのステラは、様々な意味において他に類を見ない見事な作品といえる。彩色が施された両面の色の保存状態が良好である上に、各面は欠落箇所のない完全な構図を保持しており、その構図には伝統的な要素と造形において革新的な要素とが混在しているからだ。タペレト貴婦人が異なる姿で表された太陽に祈りを捧げているところで、表面には、正午の太陽を象徴するラー神、裏面には太陽が沈む姿を象徴するアトゥム神が描かれている。
作品解説

彩色ステラの時代


この木製のステラは、紀元前1000年頃テーベで現れた新しいタイプの副葬品を代表する好例といえる。テーベ地方では、石製のステラと鮮やかな彩色が施された木製の小型のステラが共存していた時期があった。木製のステラは、死者が太陽の様相を顕著に表す神々を崇拝している図像を特徴としている。
故人となったタペレト貴婦人は、正午の太陽を象徴するハヤブサの頭を持つラー・ホルアクティ神の前に立っている。ラー・ホルアクティ神は、タペレトに向けて花の形を模した光線を放っている。裏面には、夕暮れを象徴するアトゥム神がタペレトの祈りを聞き入れている様子が描かれている。

世界観と時間の推移


両面には、当時の宇宙観が図式的に表されている。「大地」を表すヒエログリフは黒い帯で表され、そこから、左にはパピルス、右にはユリが生えている。この2つの植物はそれぞれ、北エジプトと南エジプトを象徴し、上方に記されたアーチ形に湾曲した記号を支えている。この記号はヒエログリフで「天空」を表すものだが、裏面ではこの記号の代わりにヌウト女神が描かれている。毎晩太陽を飲み込み、朝になると太陽を産み出すと考えられていたヌウト女神は、こうして東と西という他の2つの方位を示している。

タペレトと太陽神


これらの図像を通して、タペレト貴婦人は永遠に続く太陽周期と、太陽の日々の復活に結び付けられている。太陽円盤から発せられた、花を形作る光線がタペレトの顔を照らし、神の恩恵に与ることを表現した極めて独創的な図像と言える。タペレトはラー神に料理が山積みに盛られた供物卓を捧げているが、タペレトの背後には、「多量のパン、ビール、肉、鶏肉」を彼女にも保証するという内容の銘文がヒエログリフで書かれている。これは人が死後永遠に生き延びられるように願い、古くから用いられていた祈りの定型表現である。鮮やかな色彩と豊かな細部表現は、テーベ地方の第3中間期に作られた石棺などの他の副葬品にも見受けられる。

参考文献

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M-H., ZIEGLER Ch., L’Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 171-174, notice n° 83.

- ALDRED C., DAUMAS Fr., L’Egypte du crépuscule, L’Univers des formes.Tome III.  , Paris, 1981, p. 115-116, fig. ; 101-102.