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コレクションと学芸部門 ルーヴル・ランス

2012年12月4日に開館したルーヴル美術館ランス別館は、ルーヴル美術館の新しい歴史の幕開けを飾りました。ルーヴル美術館のコレクションと知見は、フランス革命のさなかの創立以来、フランスの国家全体ために役立てられてきました。19世紀には既に、シャプタル(ナポレオン時代の内相)が、ルーヴル美術館が地方に負っている役割について言及していました。今日、ようやくそれが現実のものとなったのです。

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時のギャラリー

ここには、205の作品が展示されています。その内の1/5が1年で入れ替えられ、毎年定期的に同様の入れ替えが行われます。5年後には全ての作品が入れ替わり、新しい展示になるというわけです。こうして、定期的な来館者が定着することを見込んでいます。時のギャラリーは、120メートルの長きに渡って、時系列上に、数千年の時のパノラマを見せてくれます:古代の作品が70点、中世の作品45点、近代の作品が90点展示されます。

見学路は、ゆるやかな丘の上からスタートします。建築家が故意に残した炭鉱時代の名残です。そこからホールの一番奥に展示されたドラクロワの《民衆を導く自由の女神》まで、進路を遮られることなく進むことができます。メソポタミアの彫刻、巨匠による絵画、そしてミイラまでもが一堂に会する初めての試みです。この壮大なプロジェクトを実現させるために、ルーヴル美術館の全部門が協力し、所蔵作品を提供しています。

3,000㎡の無柱空間

グランドギャラリーのインテリアデザインを担当した、ステュディオ・アドリアン・ガルデールの博物館学専門家は、次のように強調しています。「時のギャラリーは、博物館学の伝統と一線を画しています。我々は、この空間の大きさが強く感じられ、且つ、美術史の五千年を時系列上に展示する、という学術的なプロジェクトを具現化するために、一切の間仕切りを無くすことにしました。大胆で革新的な野心をもって、素晴らしい展示空間が実現したと思っています。来館者に、古代文明から1850年までの美術史に独自の視点を提供したいとの思いから生まれたものです。さらに、SANAAの建築家と共に、大ギャラリーの内部の壁を全て取り払い、軽く光を反射するアルマイトで覆うという選択をしました。南の壁には、時系列のフリーズが空間を刻んでおり、人類の歴史の要となる様々な時代が視覚的に感じられるようになっています」。

終わることのない会話

ステュディオ・アドリアン・ガルデールは、空間の間仕切りを無くし、壁から解放することによって、作品を集めて、建築の中心に持ってきました。見学者はこれらの作品群の間を行き来し、散歩し、立ち止まり、鑑賞し、また休憩するのです。「展示空間内に配置された陳列棚などの内装設備は、その幾何学的構造、急進的な設計、配置の的確さから、人々の往来に方向性を与え、様々な順路を生み出しています。それは、西洋にありがちな、序列に則った合理的な見学路とは一線を画する散策へと見学者を誘います。時のギャラリーでは、いかなる時代、いかなる地域も中心に据えられることはありません。重点が置かれたのは作品間の関係性です。そこではあらゆる視点が考え尽くされています。デザイン、光、配置、人の流れ、これら全てが作品を際立たせるため、そして見学者に作品と対話する自由と楽しみを与えるように配慮されています。これは絶えることのない会話です。なぜなら見学者が移動する度に、また新しい発見が生まれるからです」。


パヴィヨン・ド・ヴェール(ガラス館)

大ギャラリーの先にあるパヴィヨン・ド・ヴェールでは、テーマに基づく企画展が毎年行われ、見学者に、より深い理解を提供する空間となっています。時のギャラリーのコレクションに対峙して重ね合される展示が選ばれています。ルーヴル美術館のコレクションの他にも、地域の美術館所蔵の作品の展示も行われています。ルーヴル・ランスは、特にここパヴィヨン・ド・ヴェールにおいて、地元の美術館文化遺産の豊かさを見せることを目的としているのです。ここでは現代美術の展示にも積極的に取り組んでいます。

パヴィヨン・ド・ヴェールは、比較的狭い1,000㎡の空間で、安らぎの時間と、作品の異なる見方を提供します。リラックスした空間であると共に、作品理解のヒントを与える楽しみと実験精神に満ちた空間、としてつくられています。ステュディオ・アドリアン・ガルデールと建築家グループは、建物の構造の中心を成す、時のギャラリーに呼応している球形の展示室に加えて、エントランスホールのガラスの球形に仕切られたスペースを模して、「この空間の演出として、もう二つ別の球形の部屋をつくりました。将来的に展覧会を開催できる場として、そして、人が往来し、休憩や作品鑑賞ができるような公園のような場所にしました」。見学者は、ロス・アン・ゴエルの双子のぼた山や、伝説的なボラート・ドルリス競技場の景色が見えるベンチに座って、休憩することができます。パヴィヨン・ド・ヴェールの見学路は、周回する形です。展示の見学を終えると、見学者は、大ギャラリーの「時の流れ」を再び上って行くことになります。


企画展ギャラリー

ルーヴル・ランスプロジェクトを構成する要素の中でも、プロジェクトを成功に導くために、大規模な企画展の開催は外すことが出来ません。そのために、総面積1,800㎡の専用ギャラリーが用意されています。このギャラリーは、エントランスホールの西側に80メートルに渡って伸びています。企画展ギャラリーの西端の先は、「舞台(Scène)」館の演劇用の空間へと続いています。

企画展ギャラリーの建物は、大ギャラリーとちょうど反対側にあり、柱のない構造や天窓からの採光などの点で、大ギャラリーの建築と対応しています。しかしながら、より小さな規模に抑えられていたり、内壁が意図的に白く残されている点など明らかに異なる面も有しています。広大な変形可能な空間を設けることによって、企画展ごとに新たな展示方法を作り出すことを可能にしています。開館記念の企画展では、間仕切り・順路の設置・色、といった要素を取り入れることによって、時のギャラリーとは全く別の展示方法が採られました。


エントランスホール

中央エントランスホールは3,600㎡の大きなガラスの正方形で、その外壁は完全に透明です。美術館の敷地と公園に向かって開かれていて、通り抜けが容易になっています。この建物は、細い柱が支える軽量構造になっています。エントランスホールは、美術館の二つの主要な建物である大ギャラリーと企画展ギャラリーを繋いでいます。

この建物は美術館の入口であると同時に、町にとっての広大な公共スペースでもあります。来館者は3つの入口(ランス口、ロス・アン・ゴエル口、リエヴァン口)からエントランスホールへ入ることが出来ます。またこれらの入口は、公園の3つの表口でもあります。この中心を成す建物を透明にしたことによって、エントランスホールは、アゴラとしての機能を十全に果たすことが出来ます。特に近隣からの来館者が、自然に、気軽にに、自分の居場所を見つけられるような「公共広場」となりました。美術館という空間を、より親しみやすいものへ変える試みは、ホール中央に文化的サービスのコーナーや親睦スペースを設置することで、更に強化されています。これらのスペースは分かりやすい場所にあり、わざわざコレクションの見学を計画しなくても気軽に利用できるものです。ルーヴル・ランスは、構想当時から、あえて見学に行くというよりも、つい頻繁に通ってしまう美術館でありたいと望んできました。


各サービスの提供の場、「球」

ホールの中に浮いているように見える、3メートルの高さのガラスの「球」の中では、主に公共向けのサービスが提供されており、訪れる人々の各自の体験が産まれる様な空間となっています。ここに、見学を準備する受付スペース、案内所、チケット売り場、資料センター、書店・ミュージアムショップ、カフェテリア、ピクニック用スペース、メセナルームがあります。ホール中央から地下一階へ降りると、そこには、美術館の「舞台裏」を覗ける所蔵品収蔵庫の他、クロークなどサービスの核を成すスペースが広がっています。


舞台裏

ルーヴル・ランスは美術館の舞台裏を隠すのではなく、収蔵庫の一部、作品の修復作業など、舞台裏のあらゆる面を公開しています。当館は、美術館の財産である知見・経験を、透明性と開放性に重きを置くことで、高めていきたいのです。作品収蔵庫は、その魅力とその象徴的な価値から、美術館の「舞台裏」公開プログラムの中心を成す存在です。しかしながら、作品の保管・管理上の制約から、収蔵庫を常に公開しておくことはできません。見学は、事前に申し込みをした個人あるいは団体に限られます。

その代り、来館者全員が、収蔵庫のバーチャルツアーを自由に楽しめるスペースを用意しました。この収蔵庫に隣接した空間では、今までにない形で、今日の美術館はどういうものなのか、コレクションの作品の知られざる一面、美術館で働く人々、をより深く理解することができます。ここは、見学者と専門家を結びつける場所であり、定期的に交流の機会を設けています。


公園

公園は、ルーヴル・ランス美術館のアイデンティティー形成に不可欠な要素であり、ルーヴル・ランスの見学を、豊かで総合的な経験とならしめるのに一役買っています。公園は、敷地内の多種多様な設備と場所(前庭、森林内の空地、野原、草地、築山、水面、林、築堤、遊歩道など)を結びつけ、次に挙げる複数の機能を果たしています:

- 見学者を美術館へ導きます。駅、幾つもの駐車場、周辺地区などから見学者を迎え入れ(公園には入口が11もあります)、歩行者用に整備された進路に沿って、美術館の入口へ向かうよう誘います。

- コンサート、上映会、舞台などの文化的催しを通じて、屋外を美術館の延長へと創りかえます。美術館の公園は、北側の遊歩道や西側の野原のように、大人数の観客を収容できる場所を備えています。

- ランスやその地域の住民に、美術館を自分たちのものとして身近に感じてもらえるようにします。公園は、人が生活し、くつろぎ、余暇を楽しむ場であってほしいという意向です。近隣の住民が散歩を楽しむ近所の庭、交流の場でありたいと願っています。

公園はその他にも、美術館、町、地域を繋ぐ存在でもあります。敷地の炭鉱時代の歴史と記憶を浮かび上がらせる設計が施されています。設計者は、「9番採炭場」と呼ばれた炭鉱の遺構から着想を得ました。人の流れは、かつて採炭場から駅まで石炭を運び出した線路をたどるつくりになっています。昔の入り口と立坑は保存され、ランスプロジェクトに統合され、その基準ともなる要素を構成しています。

公園見学は無料で、美術館の開館時間外にも公開されています。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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