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作品 《イル・コンテント-メルクリウスにフォルトゥナの掠奪を命ずるユピテル》

素描・版画部門 : 17世紀

'Contento' : Jupiter ordonne à Mercure d'enlever le dieu "Plaisir" aux humains

RMN-Grand Palais - Photo T. Le Mage

素描・版画
17世紀

執筆:
Grollemund Hélène

このきわめて美しい素描は、1607年頃にエルスハイマーが最も練り上げた絵画構成である《イル・コンテント》に関する最初の準備素描として知られる。《イル・コンテント》は、ザンドラールトによって傑作と称賛された。エディンバラ(スコットランド・ナショナル・ギャラリー)所蔵のこの絵画には、少なくとも3枚の準備素描が存在し、その中の1枚は同様にエディンバラに所蔵され、他の2枚はルーヴル美術館の所蔵である。ルーヴル美術館所蔵の2枚目の素描は、完成作の絵画の直前の段階を表していると考えられる。

悪漢小説のテーマ

この場面は、1599年にマドリードで出版されたマテオ・アレマンの悪漢小説『悪漢グスマン・デ・アルファラーチェの生涯と行状』から引かれている。最初のイタリア語訳は、1606年にヴェネチアで出版された。それゆえ、16世紀末にヴェネチアに赴き、1600年以降ローマに住んでいた画家エルスハイマーが、この小説から想を得るのは全く可能なことだった。この小説の第1巻第7章では、人間があまりにも敬意を払いすぎていた神コンテントを掠奪するために、どのようにユピテルがメルクリウスを地上に送ったかを主人公が語っている。しかしながら、エルスハイマーは、この描写とは一線を画している。ここでは、メルクリウスにさらわされ、人間がむなしく引きとめようとしているのは、神ではなく女神である。この違いは、アレマンの著作の第7章冒頭に、エジプト人が犯した過ちの一つは、フォルトゥナを女神として崇めたことであると書かれていることに起因している。この寓話は、レオン・バッティスタ・アルベルティ(1443年から1450年の間)やアントニーオ・フランチェスコ・ドーニ(1562年)といったイタリア・ルネサンスの著述家の間でもすでに見受けられていた。

ダイナミックな構図

エルスハイマーは、この最初の素描で事実上ピラミッド型の構図を重んじている。長い対角線が、右側の男女を起点として、メルクリウスにさらわれている女神を引きとめようとする人々を通過し、さらに画面左上の鷲にまたがったユピテルに至るまで伸びている。このダイナミックな対角線は、犠牲に奉げられようとしている動物、女神に向かって手を差し伸べている画面左側の人々や抱き合う男女によって形成される強い水平線、さらに神コンテントに結びつく豪奢で洗練された雰囲気を描くことによって、釣り合いが取られている。男女の組は、第2の下絵から消し去られ、最終的に裸体の女性像がそれに取って代わる。第3の素描では、掠奪の際の上昇する動きは、もはや画面右側の群集の跳躍によって暗示されているに過ぎない。左側では、驚きのあまり石のように凝固した観者が、寺院の円柱の縦方向の線に呼応している。

古代のインスピレーション

ルーヴル美術館所蔵の素描は、様式的にロンドンの大英博物館所蔵の《サテュロスと女性と子供のフリーズ》と比較されてきた。素描の構図と様式は、古代のフリーズを想起させるが、実は古代の浮彫以上に、この素描は、ランベール・ロンバールの素描に基づく、コルネリス・コルトのローマ時代の犠牲の行進の版画(ブリュッセル、アルベール1世王立図書館)と関連付けられる。男女の組の一つは、アゴスティーノ・カラッチの版画《相思相愛》(ルーヴル美術館、B119)に想を得たとも考えられる。絵画の全般的な構造は依然似通っているが、作風は準備習作の最終段階(ルーヴル美術館所蔵の2枚目の素描)で変化する。光と影の部分を暗示する淡彩によって、エルスハイマーが蝋で作った彫像を用いて構成していたことが明らかになる。ティントレット以後そしてプッサン以前に、実はエルスハイマーは、こうした制作の仕方を選んだのである。この最初の素描ですでに、この制作方法が容易にした厳密な構成や絵画面と光との巧みなコントラストが感じられる。

出典

- ANDREWS Keith, Adam Elsheimer : Il Contento, Edimburg, Board of Trustees of the National Gallery of Scotland, 1971.

- ANDREWS Keith, Adam Elsheimer : Paintings, Drawings, Prints, Oxford, Phaidon, 1977, n 19, pp. 149-150, n 43-45, pp. 161-162.

- STARCKY Emmanuel, Inventaire général des dessins des Écoles du Nord. 8, Écoles allemande, des anciens Pays-Bas, flamande, hollandaise et suisse : XVe-XVIIIe siècle : supplément aux inventaires publiés par Frits Lugt et Louis Demonts, musée du Louvre, Cabinet des dessins, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1988, notice 33.

作品データ

  • アーダム・エルスハイマー(フランクフルト、1578年-ローマ、1610年)

    《イル・コンテント-メルクリウスにフォルトゥナの掠奪を命ずるユピテル》

    1607年頃

  • 黒チョークの下絵にペンと褐色インク、灰色の淡彩

    縦 23.8 cm、横32.9 cm

  • シャルル・ブルジユヴァン・ヴィアラール・ド・サン=モリス伯爵コレクション、亡命貴族の財産として接収の後、1796-1797年に中央美術館に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

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