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作品 《ウィリアム・ウォーラム(1450年頃-1532年)、1504年カンタベリー大司教》

絵画部門 : ドイツ絵画

《ウィリアム・ウォーラム(1450年頃-1532年)、1504年カンタベリー大司教》

© Musée du Louvre/A. Dequier - M. Bard

絵画
ドイツ絵画

執筆:
Perny Michèle

1527年に制作されたウィリアム・ウォーラムの肖像画は、ホルバインが1526-1528年に渡ってロンドンに滞在していた際に制作された最初の作品群のひとつである。この肖像画は異論の余地無く画家によるオリジナルの作品で、英国に保存されているもうひとつのウォーラムの肖像(ランベス宮殿所蔵)の自筆入りの複製画ではないことが化学分析によって判明している。

重要人物の肖像画

絵画上部にある記載が証言しているように、70歳のウィリアム・ウォーラムが半身像で、白い祭服と毛皮のストラを着て、両手をブロケード織のクッションの上に載せて描かれており、傍らには聖務日課書が諸聖人の連祷のページを開いたままで置かれている。頭の上に被った黒い聖職者の小帽子から灰色の髪が飛び出ている大司教の疲れて厳粛な表情の顔つきは、緑色のダマス織の幕の上に浮かび上がっている。モデルは彼の宗教の世界における権力を示す様々な記章に囲まれており、右手には宝石と真珠の飾り紐で縁取られた司教冠、その前には金の留め金がついた本が置かれ、左側には宝石がはめ込まれた十字架とカンタベリーとウォーラムの紋章が入った七宝の記章が描かれている。柄には高位聖職者の格言、「主よ救いたまえ」が彫られている。これら二つの豪奢な金銀細工は、画面下部の両端が人物像の両側からはみ出し、この画家の作品で頻繁に使われている様式の八角形のモチーフの入った敷物の上に浮かび上がっている。

英国の偉大な聖職者

英国教会の最初の高官であるウィリアム・ウォーラムは、1527年にこの肖像画の中ではカンタベリーの大司教と英国の首座司教として描かれている。更に彼は、この年以前にロンドンにおける高官職や、オックスフォード大学の大学区長の職を担っている。これら重要な任務に加えて、王から依頼された外国における数々の外交活動、さらには英国王とキャサリン・オブ・アラゴン(カタリナ・デ・アラゴン)の婚姻の破棄を交渉するために、英国王と教皇クレメンス7世の間の厄介な仲裁を勤めている。彼は1520年に黄金のテントでの会見のためにヘンリー8世に同行し、フランスへ赴いている。彼は激しい貧困の中で死去しているのだが、この絵画はそれを少しも予兆しておらず、控えめで思慮深いモデルのしぐさにもかかわらず、彼を取り巻く豪華で克明に描かれた持物が実際の権力だけでなく、エラスムスとトマス・モアの友人でもあった名高い高官のイメージを表現している。
この絵画の中での大司教の顔つきは皺が少ないのだが、ウィンザーのイギリス王室コレクションに保存されている上半身の下絵は、絵画と同じ大きさの大司教の顔つきをより一層写実的に描いたデッサンを示しており、光反射法によって浮き出されたこの絵画の下に隠れたデッサンと合致している。

影響

ウォーラムの肖像画は、肖像画家そして色彩画家としての確かな才能を示しながら、自らの絵画様式を手に入れた画家を証明している。
この肖像画は、16世紀末頃に「ホルバイン風」に描かれたトマス・アランデル・フィッツアラン大司教の回顧肖像画といった作品に派生する数々の影響を生み出すことになる。

出典

- BUVELOT Quentin, "Les portraits d'Érasme, oeuvres majeures du jeune Holbein", in Dossier de l'Art, n 99, septembre 2003, p.26-31.

- FOUCART Walter Elisabeth, "Le Portrait de William Warham" in Les Peintures de Hans Holbein le Jeune au Louvre, catalogue de l'exposition,  musée du Louvre, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1985, Les Dossiers du département des Peintures / musée du Louvre ; 29, pp. 27-36, 69-74, 81.

- FOUCART Walter Elisabeth, « Un chef-d’œuvre de Holbein au Louvre », in L’Oeil, septembre 1985, pp. 28-33.

Annotations

Signé et daté, inscription en trompe-l’œil en haut et à gauche sur une bande de papier retenue par deux cachets de cire rouge :
Anno. Dm-MDXXVII Etatis sue LXX, indiquant la date du tableau, 1527, et l’âge du modèle, 70 ans.
Cachet de cire aux armes d’Eberhard Jabach en bas à droite sur le recto.

作品データ

  • ハンス・ホルバイン(子)(アウグスブルグ、1497年-ロンドン、1543年)

    《ウィリアム・ウォーラム(1450年頃-1532年)、1504年カンタベリー大司教》

    1527年

    1572年、ウォーラムの後継者、カンタベリー大司教マテュー・パーカー・コレクション1662年、トマス・ハワード・コレクション、ユトレヒトにて売却ルイ14世コレクション1671年、銀行家エバーハルト・ヤーバッハの下で取得

  • 油彩 木(樫材)

    縦82cm、横66cm

  • INV. 1344

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ゲルマン語圏諸国 16世紀 展示室I
    展示室815-816

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

だまし絵の手法で赤い蝋の二つの印章によって止められた巻物の左上に記載された署名および制作年について :Anno. Dm-MDXXVII Etatis sue LXX は、絵画の制作年1527年と、モデルの年齢70歳を意味する。表側の右下には、エバーハルト・ヤーバッハの紋章の赤い蝋の落款が描かれている。