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《エン・ドルの口寄せの家でサウルに現われるサムエルの霊》

© 1997 RMN / Daniel Arnaudet
絵画
イタリア絵画
この主題は、旧約聖書のサムエル記上(28章、6-14節)から引用されている。ペリシテ人にまさに降伏しようとしていた戦いの行く末を不安に思い、イスラエルの王サウルは口寄せの女を訪ね、サムエルの霊を呼び起こすよう求める。そして恐怖におののき、霊から彼は神がサウルを見捨て、ダヴィデが彼の後を継ぐことになると告げられる。
魔術と聖書
この聖書主題はサムエル記上(28章、6-14節)から引用されている。自らの運命に不安を抱いたサウルは、エン・ドルの女魔術師を訪ねる。自らかき立てた炎に照らされて、醜悪な横顔を見せる口寄せの女はサムエルの霊を呼び起こす。サムエルが現われるが、幽霊のような彼の顔の半分は、屍衣のような不気味な布の中に消えている。降霊術の呪文によって墓から引き出されたこの動かない亡霊は、場面に陰鬱でぞっとするような雰囲気をもたらしている。霊は神がダヴィデを王として選ぶことを告げる。ひれ伏したサウルは恐怖に打ちのめされ、王の衛兵たちは恐ろしさのあまり後ずさりしている。背景では、闇の奥に、肉のこそげ落ちた馬の頭、蝙蝠の翼をつけた骸骨、青白く光る目を持ったミミズクといった幻想的な生物の姿がひしめいている。
ロマン派以前のロマン主義
輪郭は力強く描かれている。薄暗く、衣服の上でまばゆい光で浮き立たせられた色彩は、神秘を漂わせている。この光の明暗の効果は、この絵の奇妙で幻想的な雰囲気から来るものである。白い亡霊は、口寄せの女が伴う激しい昂揚との対比も相俟って、ほとんど悲壮そのものである。サバト(魔女の集会)の輪に加わる全ての者は、鈍く曖昧な色階に抑えられ、そこでは場の明瞭さよりも、漠とした想像力が勝っている。サウルとその兵士たちは画面の下三分の一に追いやられている。
この作品は19世紀の作家や詩人たちによって称賛された。ローザの幻想的なロマン主義に魅了されたテオフィル・ゴーティエは、この絵の劇的で不可思議な魅力を賛美している。
当時の作品
未知のものや霊魂の神秘に魅了された画家は、ナポリで足繁く訪れた学識者らの間で、魔術の主題をしばしば見出している。魔術の発達は、近代科学の発達、もしくは発明の才をかきたてるような実験の流行に直接結びついていたのであり、こうしてローザは恐怖の光景の中の美を捉えることに成功したのである。当時の人々から多大な称賛を受けたこの作品は、1668年にローマのサン・ジョヴァンニ・デコッラート教会で展示されたが、古典絵画を展示したこの展覧会で、ローザは唯一存命中の画家であった。
画家であると同時に音楽家で詩人でもあったローザは、1645年に風刺的頌(しょう)歌『女魔術師』を書いている。この絵画の制作とも重なる時期である1649年にローマに定住したローザは、1673年に亡くなるまでこの永遠の都に留まることになる。
作品データ
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サルヴァトール・ローザ
《エン・ドルの口寄せの家でサウルに現われるサムエルの霊》
1668年?
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画布に油彩
縦2.73m、横1.93m
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ルイ14世コレクション(1683年以前に取得)
INV. 584
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ドゥノン翼
2階
サルヴァトール・ローザ 17世紀のローマ、ナポリ、ジェノヴァの絵画
展示室13
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日