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作品 《ジェイン・グレイのための習作―ルネサンスの衣裳をまとった1人の男と2人の女》

素描・版画部門 : 19世紀

Etude pour 'L'Exécution de Lady Jane Grey'

素描・版画
19世紀

執筆:
Goarin Véronique

歴史画家であり肖像画家でもあるポール・ドラロッシュは、ロマン派に属している。ドラロッシュは、史劇の分野に抜きん出ており、1834年のサロンに出品されて以来傑作と謳われ、今日ロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている大型の絵画《ジェイン・グレイの処刑》のように、暴力的な主題を描き出した。エドワード6世の後継者ジェイン・グレイは、自らの王位継承権を主張したメアリー・テューダーの命により、1554年にロンドン塔で斬首されたとき、わずか17歳であった。

節度のあるロマン主義

ヴァトレ、次いでグロに学んだポール・ドラロッシュは、1822年からジェリコーに注目され、ジェリコーから励ましや助言を受けた。ほどなくしてドラロッシュは、劇的でありながら抑制されている歴史の主題を描いた絵で名声を博する。ドラロッシュの評判は、彼が著名な肖像画家として活躍したルイ=フィリップの治世下で一層高まる。ドラロッシュの作品には、情熱的な表現とアカデミックで節度のある筆致との間でバランスを取ろうとする配慮が見られる。ドラロッシュは多作な作家であり、ルーヴル美術館は、その子孫の何回かにわたる寄贈のおかげで、絵画と関連した800枚近い素描をまとめて所蔵している。

審美主義と感受性

1832年以降、ドラロッシュは、今日マンチェスター大学(ウィッスワース・アート・ギャラリー)に所蔵されている水彩画において、《ジェイン・グレイの処刑》の最終的な構図を決定した。この悲劇に登場する3人の人物の習作であるルーヴル美術館所蔵の素描も、同時期に描かれたものと思われる。画面左側の人物は死刑執行人であり、絵画に描かれた執行人より若く印象が薄い。この執行人は、犠牲者のか弱さに心動かされ、同情しているように見える。2人の女性は、ジェイン・グレイのお供である。中央の女性の様子は絵画では異なるが、同様の絶望がすでに見て取れる。登場人物の姿態によって悲劇の重大さが明確に描き出され、その顔つきによって抑制された感情の深さが控えめに表わされている。ドラロッシュは、対象に深く切り込むような集中した観察眼で、場面の証人の打ちひしがれた様子を描き出し、あらゆる暴力を排除した審美主義の配慮をもって、魂を感性豊かに分析している。

方法

この習作素描は、ドラロッシュがその作品を準備する際に用いる方法を完璧に示している。構図がひとたび決まると、各々の登場人物が別々に念入りにデッサンされる。輪郭ははっきりしていて、描線は正確であり、ドラロッシュは、どんなささいな細部もゆるがせにせず、細心の注意を払う。ここでは、人物の衣裳が、16世紀の資料を忠実に再現しており、ドラロッシュが現実性のため、それゆえ歴史的な信憑性のために真実を追求しようとする姿勢を表わしている。また、死刑執行人に引かれたます目から、この人物が最終的な形で表されており、この素描で決定された形態とプロポーションを尊重しつつ、これから拡大して絵画に転写される段階であることがうかがえる。

出典

- CHOTARD Loïc, Alfred de Vigny et les arts, cat. exp. Paris, musée de la Vie romantique, 1997-1998, Éditions Paris musées, 1997, notice 77.

- GOULD Cecil H. M., Delaroche and Gautier, Gautier's views on the "Execution of Lady Jane Grey" and on other compositions by Delaroche, Londres, National Gallery, 1975.

- PRAT Louis-Antoine, Arte de las Academias, Francia y México, siglos XVII-XIX, cat. exp. Mexico, Antiguo Colegio de San Ildefonso, Mexico, Antiguo Colegio de San Ildefonso, 1999-2000, pp. 231-233.

- SERULLAZ Arlette, JULIA Isabelle, Hommage à Paul Delaroche (1797-1856), Paris, musée Ernest Hébert, 1984, Le Petit Journal des grandes expositions, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1984, n 36.

作品データ

  • ポール・ドラロッシュ(パリ、1797年-パリ、1856年)

    《ジェイン・グレイのための習作―ルネサンスの衣裳をまとった1人の男と2人の女》

    1832年頃

  • 鉛筆とサンギーヌ、鉛筆による部分的なます目

    縦23 cm、横20 cm

  • 1887年にオラース=ポール・ドラロッシュ=ヴェルネの遺贈

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

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