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作品 《デュ・バリー夫人(マリー=ジャンヌ・ベキュと生まれる)(1743−1793年)》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《デュ・バリー夫人(マリー=ジャンヌ・ベキュと生まれる)(1743−1793年)》

© Musée du Louvre/P. Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

主席王室彫刻家のパジュは、ルイ15世王の寵姫の官能的な肖像を制作する。王は彼女の為にルヴシエンヌに城を建てさせた。彼女は革命時に処刑されている。巧みな大理石制作では、心理表現の追求をせずに、特徴を理想化することによって、このモデルをより美しくみせている。この胸像は即座に彫刻家に栄光をもたらした。

テュ・バリー夫人、彫刻と最後の肖像

質素な家柄出身のジャンヌ・ベキュは(早まった結婚により伯爵夫人の称号を得た後)、1768年にルイ15世に会い王の寵姫となった。王がルヴシエンヌに建ててくれた城に、王が亡くなる1774年まで住んだ。革命時の1793年には逮捕され、処刑された。彫刻を正に愛好し、その時代の優れた制作者に全体的に一貫した作品の注文をした。オーギュスタン・パジュは彼女の贔屓の作家になった。1770年から1773年までの間、ほとんど髪型の変化だけがその大きな役割を果たす夫人の胸像を5つ制作した。この内の一つは、ファルコネの《入浴する女》(当時夫人が所持、現ルーヴル蔵)の髪型風にと注文した肖像だったが、仕上げにがっかりした夫人は、これを壊させた。
この中の最後の胸像がルーヴルにある等身大の肖像で、1773年のサロン展で大成功を収めた作品である。均整のとれた柔軟な線、大理石の見事な仕上げが肖像にその官能性を与えている。 軽く左に傾く頭は髪型をよりよく披露する。高く結わえられた髪がキアラのような形を成し、高く滑らかな額を全部見せている。この髪は巻き毛となり右肩上に巧みに置かれ、左肩の方には豊かな髪が波立ち、胸の上で見事な螺旋状カールとなる。この彫刻作品は、この様に髪の動きに従って周りを鑑賞するように誘い込む。流れるような布は、包み隠すより、むしろ、左の胸元を露にし、この寵姫の姿の美しさを披露している。

新趣向の黎明期

この作品は彫刻分野で自然や古典への回帰を謳う新趣向の黎明期に位置づけられる。若い女性は同時代の服装ではなく、考古学的には忠実ではないとは言え、古代風に紐状のリボンで留められた軽い布の「ギリシャ風」チュニックを纏っている。ロカーイユ美術の快活さ(布の皺、襞の動き、毛織物の布の技)を保ちながらも、ドレープは和らいでいる。誇り高く動じない態度はこの寵姫に古代の女神の静謐な気品を与えている。同時代人でライバルのウードンとは異なり、パジュは人物の心理を追求するのではなく、最大限の美を与えるためにモデルを理想化する。

彫刻家と作品の栄光

この胸像によりパジュは女性肖像彫刻家として有名になる。王からの恩給は増額し、ルーヴル宮殿内にアトリエも得た。伯爵夫人はこの作品の複製を保証し、ジャン=バティスト・ロクレのドイツ磁器新製作所でビスキュイでのレプリカ作成の為、彫刻家に石膏像を送る様に頼んだ。夫人はスウェーデン王グスタフ3世に大理石でのレプリカを贈った。胸像の評判は今日も揺らいではいない。例えば、エルンスト・ルービッチの映画『青髭の八人目の妻』の中にもその複製が登場する。

出典

- STEIN Henri, Augustin Pajou, Paris, 1912, p. 116-134.

- BRESC-BAUTIER Geneviève, Sculpture française XVIIIe siècle (École du Louvre, Notices d'histoire de l'art, n 3), Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1980, n 46.

- GABORIT Jean-René, "Le goût de Madame du Barry pour la sculpture", in Madame du Barry. De Versailles à Louveciennes, Marly-le-Roy, Paris, 1992, p. 121-129.

- DRAPER James D. et SCHERF Guilhem, Pajou, sculpteur du roi, 1730-1809, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1997, p. 237-246.

作品データ

  • パジュ(1730-1809年)

    《デュ・バリー夫人(マリー=ジャンヌ・ベキュと生まれる)(1743−1793年)》

    1773年

  • 大理石、小台は白大理石

    高さ56cm、幅48.5cm、奥行き26cm

  • 1793年ルヴシエンヌ城革命期接収、1855年以前にルーヴル収蔵

    M.R. 2651

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    カフィエリ
    展示室220

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作品の補足情報

裏、切断面: PORTRAIT DE MADAME LA CONTESSE/ DVBAR中央: PAR/PAJOU. SECVL /DV ROY/E PROFESSEUR/DE SON ACAD. DE/PINT E SCVL./1773