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作品 《ビロードのベレー帽を被ったヘンドリッキエ・ストッフェルス》

絵画部門 : オランダ絵画

《ビロードのベレー帽を被ったヘンドリッキエ・ストッフェルス》

© 2006 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
オランダ絵画

執筆:
Collange Adeline

画家の内縁の妻を描いた心を引きつける肖像画である。1654年頃の制作と推定されるこの新ヴェネツィア風の作品は、成熟期のレンブラントが打ち込み、ものにしたジャンルの一つである。

画家の内縁の妻

毛皮をまとい、宝石で飾り立てられた20代くらいの若く美しい女性が、半身像で描かれている。レンブラントによって愛情を込めて描写されたヘンドリッキエ・ストッフェルスである。ヘンドリッキエは、画家と1642年に急逝した最初の妻サスキアとの間に生まれた息子、ティトゥスの2番目の乳母であった。彼女は同時にレンブラントの内縁の妻でもあったが、カルヴァン派社会から激しく非難された二人の内縁関係は、アムステルダムの改革派教会からも糾弾された。にもかかわらずヘンドリッキエはレンブラントの側に生涯留まり、二人の子供をもうけているが、そのうち一人は幼少期に亡くなっている。彼女はティトゥスの傍らにありながら、この評価の浮沈みの激しい大画家の作品の売買を管理し、それは1663年の自身の死、画家の亡くなる6年前まで続いた。

絵画的愛情

レンブラントはヘンドリッキエの肖像画を複数描いており、それらは現在ベルリン=ダーレム地区の国立美術館、およびロンドンのナショナルギャラリーに保管されている。肉付きの豊かな若い女性は、崇高な《ダビデ王の手紙を手にするバテシバの水浴》(ルーヴル美術館蔵)といった歴史画のモデルも務めているが、画家がここで選んだのは、人の心を惑わす裸体をもつ聖書のヒロインではなく、自身の温和な妻としての彼女である。ポーズは慎み深く、暗い優しさを湛えた眼差しは、誇らしげであると同時に控えめでもある。信頼感に溢れた視線は、もちろんレンブラントの愛情を示唆するものであるが、おそらくそれ以上に、本作の対を成す作家の自画像の一つ(カッセル国立美術館蔵)へも向けられているのであろう。

柔らかな明暗法

残念なことに、歳月を経ることで作品はわずかに傷んでおり、作品のタイトルとなっている愛らしい小さなビロードのベレー帽をそれと見分けるのは非常に困難である。レンブラントの大きな特徴であるでこぼことした筆致と、ふつうは力強い重ね塗りによって強調されている立体感が、顕著に失われつつある。しかしながら、光線の絶妙に揺らぐ光線と、ヘンドリッキエの肩を覆う織物のほとんど透明に近い繊細なきらめきは、現在も観る者に感嘆をもたらしている。影と光は、輪郭を和らげる柔らかな明暗法の中で互いに溶け合っている。ヴェネツィア画家ら、特にティツィアーノのものに近い金色の色彩の調和は、レンブラントの成熟期の作品に見られる特徴である。それは、これほど愛情を込めて描かれたモデルの持つ内奥の優しさを、さらに高めているようだ。

出典

- FOUCART Jacques, Les Peintures de Rembrandt au Louvre, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1982, p. 63-65.

作品データ

  • レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン、通称レンブラント

    《ビロードのベレー帽を被ったヘンドリッキエ・ストッフェルス》

    1654年頃

  • カンヴァス、油彩

    縦74cm、横61cm

  • 1784年取得、ルイ16世コレクション。

    INV. 1751

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    レンブラント
    展示室845

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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