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作品 《ペストの終焉をローマに告げる聖フランチェスカ・ロマーナ》

絵画部門 : フランス絵画

《ペストの終焉をローマに告げる聖フランチェスカ・ロマーナ》

© Musée du Louvre, dist. RMN / Angèle Dequier

絵画
フランス絵画

執筆:
Kazerouni Guillaume

ジューリオ・ロスピリオージ枢機卿(未来の教皇クレメンス9世、1667-1669年)のために1657年頃描かれたこの作品は、ローマにおけるペストの終焉を讃えている。右側の災禍の擬人像が、天使によって追い立てられている一方で、折れた矢を手にした聖フランチェスカ・ロマーナ(1384-1440年、1608年に列聖)が、ローマ人の女性(おそらく1658年に死去したアンナ・コロナ)の前に出現している。跪く女性が聖フランチェスカ・ロマーナで、聖母もしくは教会がその前に出現していると見なす説もある。

発見されたプッサンの作品

ジャコモ・デル・ポーやジラール・オードランの版画によって有名になったこのプッサンの絵は、ジューリオ・ロスピリオージ枢機卿のためにローマで描かれたが、17世紀から18世紀にかけて枢機卿の子孫のところで保管された後、18世紀末から行方不明になった。それ以降、この絵は頻繁に引き合いに出されたものの、元の絵がおおよそどのようであったかを知る手がかりは版画だけであった。この絵は、1998年にパリの美術市場に奇跡的に再び姿を現わし、19世紀から20世紀にかけてこの作品が辿った数奇な運命が明らかにされた。実際には、この絵は、トレンティーノ条約と所有者の一族の経済的な理由ゆえに、ロスピリオージ=パッラヴィチーニ宮のコレクションの一部と共に、1798年に売却されていた。その後作品は、ローマのフランス・アカデミーの秘書官であったアレクシ・ル・ゴーのコレクションに収蔵され、ル・ゴーは1873年に南フランスに絵画を持って来た。それ以降絵画は、ル・ゴーの相続人に受け継がれ、どの画家の作品か分からなくなったのである。様々な波乱の末に、邪魔な「埃のたまった巣」となったこの傑作は、ある専門家の手に渡り、版画との比較からプッサンの作品だと判明する。その後ルーヴル美術館がこの絵画を取得し、そのおかげでルーヴルにわずかな数しかなかったプッサンの円熟期の作品のコレクションが豊かになったのである。

幸福なフランチェスカ

フランチェスカ・デイ・ポンツィアーニは、その生涯の間に様々な天啓を受け、内面の葛藤を経ながらも、1440年に世を去り、1608年にボルゲーゼ公教皇パウルス5世によって列聖された。聖女は死去してほどなく、ローマ人から「ローマの弁護人」と呼ばれるようになっており、この列聖によって、教皇はローマ人全ての望みを叶えたことになる。大きな斜線に沿って構成された画面において、プッサンは、ローマの町に出現して、ペストの流行の終焉を告げる聖女を描いている。ローマの町は、ヴェールを被って跪く女性の擬人像で表わされている。聖女はこの災禍に終止符を打つために、聖母のとりなしを得たものと思われる。ペストは、髪が蛇で覆われた女性の死体というおぞましい姿で描かれ、この疫病の犠牲者の一人を背負っている。黄色い衣を纏った大天使が、災禍を追い払おうとする聖フランチェスカに加勢しており、ペストに向かって厳か且つ力強い一振りで飛びかかろうとしている。聖女を支える厚い雲の下には、他のペストの犠牲者が地面に横たわっている。この絵は、イタリアの様々な町で猛威を振るい、1656年にはローマにも災厄をもたらしたペストの流行が終わったことと関連している。恐怖に怯えた民衆は、奇跡を起こすことで有名だったフランチェスカ・ロマーナの加護を求めたに違いない。そして疫病の威力が弱まった1657年以降に、ロスピリオージ枢機卿が、聖女を讃えるこの作品をプッサンに注文したものと思われる。

古代風のローマの聖女!

フランチェスカ・ロマーナへの奉納画として構想されたこの厳かな作品もまた、プッサンの絵画に見られる古典的な要素(古代もしくは近代における古典)を前面に押し出している。場面は、大きなアーケードを取り囲む古典的な付け柱が際立っている、威風堂々とした建物の中で展開している。ペストの擬人像は、ファルネーゼ・コレクションの有名な古代の彫像の一つである《死んだ子供を運び去る剣闘士》(ナポリ、国立考古学博物館)の姿態の特徴を取り入れている。一方で横たわった女性は、ローマの有名な彫刻作品で、頻繁に手本とされたマデルノの《聖カエキリア(チェチーリア)》(1600年、ローマ、サンタ・チェチーリア教会)から取られたものである。

作品データ

  • ニコラ・プッサン

    《ペストの終焉をローマに告げる聖フランチェスカ・ロマーナ》

    1657年頃

  • 油彩、カンヴァス

    縦1.30 m、横1.01 m

  • 1999年、ルーヴル友の会による寄贈

    R.F. 1999. 1

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ニコラ・プッサン
    展示室828

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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