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作品 《ミントゥルナエの囚人、マリウス》

絵画部門 : フランス絵画

《ミントゥルナエの囚人、マリウス》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランス絵画

執筆:
De Vergnette François

この絵は、ダヴィッドの弟子の中でも最も優れた才能を持ち、20歳の時にローマ賞を獲得したものの、25歳で死去したドルーエによる傑作である。この作品は、それと頻繁に比較されるダヴィッドの《ホラティウス兄弟の誓い》が制作された2年後に、ローマで描かれた。ドルーエはここで、ローマの将軍マリウスが示した模範的な勇気を描き出しており、幽閉されたマリウスは、彼を殺害するために送り込まれた兵士を威厳だけで制している。構図は、ダヴィッドのよりもさらに峻厳で厳密な新古典主義を示している。

「マリウスを殺す勇気があるのか?」

腰掛けているローマの将軍マリウスは、机の上に置かれた兜が示しているように、宿敵スッラに敗北したのである。場面は前89年のカンパニア州ミントゥルナエでの出来事であり、マリウスはそこで幽閉され、裁判の末に死刑を宣告された。マリウスを処刑しにやって来た兵士に向かって、彼は露にした腕を力強く差し出し、こう言うのだった。「お前にマリウスを殺す勇気があるのか。」若い兵士は後ずさり、マントで顔を覆ってしまう。兵士は将軍の鋭い視線を見返すことが出来なかったのだ。ギリシアの伝記作家プルタルコスは、この英雄譚について『対比列伝(英雄伝)』の中で語っている。さらにプルタルコスは、「私にマリウスを殺せるはずがない」と兵士が叫びながら逃げ去ったと付け加えている。画家ドルーエは、師のダヴィッドが《ホラティウス兄弟の誓い》(INV 3692)においてしたように、劇的な主題と、勇気と道徳の力の模範となる人物を描き出したのである。

ダヴィッドの弟子による傑作

ダヴィッドに最も気に入られた弟子であったドルーエは、1783年にローマ大賞を獲得して成功を収めた後、奨学生として滞在していたローマでこの作品を制作した。ドルーエは1784年にローマに到着してからすぐにこの絵に取り組んだが、完成したのは1786年になってからであった。それ以前にドルーエは、師の《ホラティウス兄弟の誓い》の制作に助手として携わっている。ダヴィッドはパリに戻った後も、ドルーエの絵画制作に対して助言を惜しみなく与えた。ローマのフランス・アカデミーに展示されたこの作品には、一斉に称賛の声が湧き上がった。しかし、ダヴィッドのライバルにも成り得たであろう才能溢れる若き画家は、2年後の1788年にローマで25歳という若さで亡くなっている。

「ドルーエが描いたホラティウス兄弟の誓い」

この絵は、主題と同じくその形態的な面からも、ダヴィッドの《ホラティウス兄弟の誓い》に似通っており、新古典主義の典型的な作品とみなされている。ドルーエは師の明快さに倣い、立方体の空間の中で、等身大の人物像を同じレベルに配している。またドルーエは、ダヴィッドに見られる、大部分は斜線である直線に沿って、身体を構成するやり方も模倣している。真っ直ぐに延びたマリウスの腕には、様々な意味合いが込められているが、それが水平方向に延ばされているため一層際立っている。ここでは形態が絵画面と並行して描かれており、それ故マリウスの手のひらの向きも若干不自然な印象を与える。こうしてドルーエは、ダヴィッドをさらに越えた厳格さと正確さを求めたのである。光のコントラストは強烈で、色彩はメタリックな効果を生み出している。

出典

- MICHEL Régis, "Drouais et Rome : Notule introductive à l'étude de l'oeuvre peint", in David et Rome, catalogue d'exposition, Rome, Académie de France, Rome, De Luca Editore, 1981, p. 200-204.

- RAMADE Patrick, Jean-Germain Drouais 1763-1788, catalogue d'exposition, Rennes, musée des Beaux-Arts, 1985, p. 48-50.

- CROW Thomas, L'atelier de David. Émulation et Révolution, Gallimard, Paris, 1997 p. 83-89 (traduit de l'anglais).

作品データ

  • ジャン=ジェルマン・ドルーエ(パリ、1763年-ローマ、1788年)

    《ミントゥルナエの囚人、マリウス》

    1786年

  • 油彩、カンヴァス

    縦2.71 m、横3.65 m

  • 1816年、画家の伯母マリー=ジェンヌ・ドレからの取得

    INV. 4143

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    ダリュ 新古典主義
    展示室702

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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